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愛知県半田市 亀崎

Kamezaki,Handa City,Aichi

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May 4,2019 大野木康夫 source movie

亀崎潮干祭

Kamezaki Shiohi-matsuri Festival, Handa city, Aichi

「亀崎潮干祭の山車行事」(国指定重要無形民俗文化財)

「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載

 亀崎潮干祭の山車行事は、知多半島の北東側にある愛知県半田市の北部亀崎地区の鎮守神前神社の祭礼潮干祭に行われる行事で、氏子で組織される東組、石橋組、中切組、田中組、西組の5つの組から、からくり人形をのせた山車が出されて曳き回される行事である。

 山車を出す5つの組は亀崎潮干祭を担う基本的な組織である。石橋、田中、中切は、亀崎内の字名であり、東と西はその両側にあることから命名されたと伝えられていることから、これらの組は基本的には地域的なまとまりで構成されたものと考えられ、それぞれの区域内に居住する者のうち組費を納めた者によって組が構成されている。

 この行事は毎年5月3・4日に行われる。行事前の3月下旬から4月上旬には道検分が行われる。これは神前神社に5つの組の若者頭等が集合して山車巡行経路の道路状況の点検を行う行事である。

 続いて祭りのほぼ1か月ほど前になると浜に埋めてある山車の車輪を掘り出すゴマ掘りといわれる作業が行われる。各組の山車の車輪は行事が終了すると乾燥しないように海岸の砂の中に埋められるのである。

 ゴマ掘りが済むころには囃子の稽古等が始まり、山車の組み上げなども行われる。各組ともサヤと呼ばれる山車を納めた蔵から部材を取り出して山車の組み上げ作業を行い、組み上げが終わると町内を試し曳きして山車に異常がないか確認する。

 行事前日は役割が行われる。この行事は各組ごとに行われ、その年の祭りに参加する組員は決められた時間に組事務所に行き名前を告げ記帳してもらう。着帳が済むと、その後で行事当日の役が割り振られる役割の式が行われる。役割が発表されると若者一人ひとりにカンバンが渡され、これを受け取った若者から帰っていく。かつて船乗りとして活躍していた亀崎の男たちは、正月に帰ってこなくても、役割を決める祭り前日夜の着帳には間に合うように帰ってきたものだと伝えられている。

 行事当日の3日には、朝早く山車をサヤから曳き出して飾り付けを行う。この後、東組から順に各サヤの前で神前神社宮司の山車祈祷を受け山車の安全を祈願する。

 これが済むと山車を曳き初めて曳き下ろし坂に整列する。この後、浜に向けて海浜曳き下ろしを始め、5台の山車は海浜に横一列に密着した状態で整列する。整列が済むとすぐそばにある広場にあがり、東組、石橋組、中切組、田中組、西組の順に山車の上でからくり人形の技芸を披露する。

 その後、神前神社から神輿が出社してくると、神輿の綱と山車の先頭に立つ西組の山車の綱が結びつけられ、神輿に供奉する形で西組を先頭に順次続き、秋葉社を経て亀崎の西側にある尾張三社まで巡行する。途中の秋葉社でも5台の山車がそれぞれ人形の芸を奉納し、尾張三社でも人形の芸を披露する。尾張三社での人形の芸の披露が終わると山車はそれぞれの組に帰りサヤに納められこの日の行事が終了する。

 翌日の4日は、神輿が神前神社に還幸する。朝早くに各組の山車が尾張三社に集合し飾り付けを済ませる。各組の人形の芸が奉納されると、神輿の綱とこの日山車の先頭に立つ東組の山車の綱が結びつけられ、神輿に続いて順次曳き出され神前神社に向かう。途中で神輿の綱と東組の山車の綱が切り離され、神輿だけがそのまま神前神社に還幸する。

 残された山車は昼食後に再び曳き出されて浜に向かい海浜曳き下ろしが始まる。ここでも前日と同じように横一列に整列した後、神前神社前に山車を曳き上げここで山車の曳き回しが行われる。その後、神前神社前に各山車が整列すると人形の芸を順次奉納する。

 神前神社での人形芸の奉納が終了すると、山車は各町内に向かい町内を巡行した後、サヤに納められ行事が終了する。

 この行事でだされる山車は、二層造りで唐破風の屋根を四本柱が支え、正面にも同様な唐破風を拵え前壇と呼ばれる棚があり、車輪は一木造りの四輪で台輪の内側に入る内輪形式のもので知多型と呼ばれる。山車の四本柱内で上山人形と呼ばれるからくり人形が行われ、正面の前壇でも前人形と呼ばれるからくり人形が行われる。この行事の山車は、知多型の中でも最も贅をこらした山車の1つとして知られている。

 また、山車を出す5つの組が東組、石橋組、中切組、田中組、西組の順に年番として1年任期で務める代参元が全体の執行・統括を行っている。また、各組にも任期1年で務める車元と呼ばれる役がおかれ、組における1年間の経費を提供するともいわれる名誉ある役で、山車の管理に責任を負う役割を果たしている。

(国指定文化財等データベースより)

5月4日(後の日)に訪問

JR亀崎駅

  

尾張三社へ

     

10時34分、楫棒4本と台輪をつなぐ七五三縄を締め直す「棒締め」が終わったタイミングで到着しました。

5台の山車がほとんど隙間を空けずに順番に整列していきます。

大綱で曳いていくのですが、4本の楫棒を12人の若者が操作して方向転換をするときの掛け声が、「やまイッ、やまイッ」(山側に押す)、「はまイッ、はまイッ」(浜側に押す)と響きます。当然、前と後ろは逆側に押すことになります。

                                 

整列した山車の細部

東組 宮本車

元治2(1865)年建造

      

石橋組 青龍車

          

中切組 力神車

          

田中組 神楽車

      

西組 花王車

         

人形技芸奉納

西組 三番叟

            

石橋組 布ざらし

     

中切組 猩々

     

田中組 巫女の舞

     

西組 石橋

           

上山人形は石橋組のみ奉納 唐子遊び

         

曳きだしを待つ山車

      

先導する神輿列

         

尾張三社曳き出し

石橋組青龍車

          

曳き出しを待つ中切組力神車

 

田中組神楽車

                              

巡行する西組花王車

    

田中組神楽車

 

石橋組青龍車

 

中切組力神車

                              

西組花王車

                            

昼休みの縦列整列

                             

神前神社

 

亀崎海浜緑地

            

曳き下ろし坂に整列する山車

                    

海浜曳き下ろし

東組宮本車

                              

石橋組青龍車

                              

中切組力神車

                                          

田中組神楽車

                        

西組花王車

                                 

波打ち際に整列する5基の山車

     

曳き上げ

東組宮本車

          

石橋組青龍車

             

中切組力神車

            

田中組神楽車

                    

西組花王車

               

曳き上げ坂に整列

     

神前神社前曳き廻し

東組宮本車

    

石橋組青龍車

                

中切組力神車

                    

田中組神楽車

通常3周のところ、他の組の曳き手が加わって5周しました。

                                     

西組花王車

                   

帰りの電車に時間が迫ってきたので、撮影を打ち切って亀崎駅に向かいました。

人は多いですが、ゆっくり撮影できたと思います。

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