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12月28日(水曜日)

6時には起床していたが、布団から出たのは7時だった。

朝風呂へ。だが、月は見えない。どこに行ってしまったのだろう。

清和村 文楽

Seiwa bunraku

芝居の時間が合わず、残念だがパス

阿蘇外輪山を越えて高森へ。

高森湧水トンネル。トンネル掘削中に大量の水が湧き出した。

 阿蘇白川湧水 

Aso shirakawa spring

大量の水が湧き出す。水中の砂が巻き上がる様子に躍動感を感じる。

朝の空気が冷たく、 水上に湯気が立つ。それが朝日に当たって輝く。

水草もたくさん生えている。

 阿蘇山

Mount Aso 

典型的なカルデラ火山。

噴火の煙は見えなかった。

高森から 峠を越えて一宮へ。

峠から遠望する阿蘇は雪を被り峻険だ。

一方、目の前に放牧された牛達はやけに人懐こく、スローライフを満喫している。ストレスとは無縁のようだ。

 やまなみ ハイウェイ

Yamanami highway

外輪山から望む阿蘇。雄大だ。

瀬之本高原 久住連山を望む。

 黒川温泉 

Kurokawa onsen

最近、由布院と共に脚光を浴びている。

露天風呂廻りをフィーチャーした温泉場だ。

各湯宿は和風の外観を意識している。

それは良いことなのだが、各宿単位の改善である。温泉街全体での街並景観改善はまだまだ。

景観分析とシミュレーションが行なえるように、街並を全部撮影しておいた。

これは結構役に立つ。1秒間に30枚の連続撮影なので、シーケンス(連続)景観の良し悪しが明快にわかるし、看板や旗など景観を乱すファクターを消す作業もやりやすい。

歩いて楽しむ景観を考える場合には、スローな再生を行なえばよい。

赤川温泉へ立ち寄ろうとしたが、積雪に阻まれて到達できなかった。残念。

 七里田温泉 下湯

Shichirida onsen

七里田温泉から下流に二百メートルほど歩いた川沿いにある下湯は、大変多くの炭酸を含む。

長湯よりも多く、日本最高クラスの炭酸の多さ。泡が体にまとわりつき、血行が良くなるような実感。

実際、炭酸ガスは血行改善効果があるようだ。入浴剤の炭酸も同様だ。

飲むと、やや甘味があり、まさしくラムネ。大変おいしい。

温度36度とぬるいので、うとうと。結果的に2時間近く入浴した。

温泉は日本が世界にアピールできる貴重な資源だ。

それにつけても 国の縦割り行政には閉口する。

文化財、国立公園、国民保養温泉地、道、なぎさ、音、いろいろな百選がある。国民共有の財産なのだから、もう少し連携すべきだろう。

このような効能の高い温泉をもっと積極的に活用すべきと思う。

 長湯

Nagayu 

久住を望む高原の明るさを持つ保養温泉。とにかく湯の質が良い。

何も無いから良い。町のどこへ行っても水の音がさわやか。 

昔は良かった湯布院や黒川が俗化高額化して長期滞在できなくなってしまった今、長湯への期待は大きい。

されど、以前あった古風な共同浴場は、モダンなドイツ風温泉館になってしまった。

ここは日本。日本独自の温泉文化を貫いていけるだろうか。

東の湯治温泉横綱は鳴子温泉郷か肘折温泉だろう。

西の横綱は、ここ長湯か俵山。

由布院や黒川のようになるのではないか、不安がよぎる。

湯治宿ががんばっている温泉郷でありつづけてほしいものだが、団体客やバブル保養客に陥落するのではないか。

マスコミが騒ぎ立て、その兆候は現れている。

もしここが蹂躙されたら湯平温泉に期待するしかないか。

 ラムネ温泉館

Ramune onsenkan

東大藤森先生の設計で建築された立ち寄り湯。

鳴子には早稲田桟敷の湯がある。奇妙な設計だ。

長湯の藤森先生の設計は、それに輪をかけて奇妙。

エクステリアは、まるでおとぎの国。屋根のてっぺんから生木が生える。

インテリアは、なぜか落ち着く。内装素材と、丸みを帯びたデザインがなせる技だろう。

館内には美術館がある。

館長の首藤さん、大丸旅館の首藤専務が受付に。

彼らは兄弟だそうだが、若くて前向きなホスピタリティあふれる好青年。

話の端々に、長湯を発展させたいとの願いがにじむ好青年だ。

ここのラムネ湯は33度。さらに温度が低く、今の時期は肌寒い。が、大変気持ちが良い。

炭酸の泡が体にびっしり。それが水中照明に照らされる。

体が金色の真珠でできた洋服で覆われたようにみずみずしく美しい。

ナルシストではないけれども、美しすぎて自分の体ではないような錯覚。

ブレードランナーに出てくるアンドロイドとC3POを組み合わせたような人もどきの姿を連想した。

宿泊はラムネ湯の近くの天風庵

 長湯天風庵

Nagayu tempuuan

レトロな湯屋風建築。

ラムネ温泉の首藤さんに紹介いただいた。叔父さんが経営している。

町の発展を願って最近建てられた、湯屋建築風の交流拠点。

格安の長期滞在宿だが、食事はかなりおいしいとのこと。

支配人の松葉さんにお話を伺う。

経営は、翡翠(かわせみ)之庄の首藤さん。

リーズナブルな施設だけれど、食材は良い素材を使ったおいしい料理を提供しているとのこと。

エノハ(ヤマメ)はこの地方の名物。

から揚げ、刺身、とにかくおいしい。刺身がおいしかったので、おかわりしてしまった。

最後に、エノハの燻製ふりかけのお茶づけ。あまりのおいしさに、お土産として一瓶買い求めた。

今夜は26日の月。新月のようなものか。

空には星がたくさん。オリオンが冬空に輝いている。

明日は別府から国東半島、宇佐、福澤諭吉の中津を廻って、いよいよ帰郷だ。

長い旅を続けさせてくれた家族と仕事先に深く感謝。

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