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岐阜県中津川市 馬籠宿
Magomejuku,Nakatsugawa city,Gifu

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 General
 
砦の機能も備えた宿場
 Nature
 
宿場から中津川方面の遠望が素晴らしい
 Water
 
 
 Flower
 
 
 Culture
 
 
 Facility
 
 
 Food
 

Mar.14,2017 瀧山幸伸

movie preview(YouTube)
movie

落合方面(坂下)から馬籠峠(坂上)へ
                                                                                                                                                                

馬籠峠へ
            



Apr.22,2015 川村由幸

                                         



June 2005 瀧山幸伸

Map馬籠峠
Map馬籠


中山道 大妻籠から馬籠 ドライブ
Nakasendo Otsumago to Magome drive
June 2005 Preview video 500Kbps HD quality(1280x720): supplied upon request.

馬籠峠
June 2005 Preview video 500Kbps HD quality(1280x720) Video FAQ : supplied upon request.



馬籠宿
Magome post town


 

休日の夕方
July 2004 Preview video 500Kbps HD(1280x720) Video FAQ

休日の昼
Sep. 2003 Preview video 500Kbps Hi Quality

休日の早朝
Aug. 2003 Preview video 500Kbps Hi Quality

【街並】
馬籠は山中に位置している水と緑を意識した眺望の良い宿場町だ。緩やかな坂に沿った街並は一歩進む毎に微妙にその姿を変える。島崎藤村ゆかりの宿場でもある。
  

【時間による街並比較 上流部】 
下はどちらも秋の休日、宿場中心部の本陣から少し上流ほぼ同じ地点での景観だが、左の早朝と右の日中とでは街並の印象が大きく異なる。朝は人影がまばらで店も閉まっているため街並がよくわかる。道路の微妙な曲がり具合、舗装や植栽や建物の素材感、ストリートファニチャ、道路と建物の均整感などが理解できる。日中は観光客と商店でにぎやかだが、快晴時には光線の関係で片方の街並はシルエットになってしまう。

早朝の街並
日中の街並
   
   

 馬籠の街並は美しい。景観的によく管理された街並だ。さらに欲を出して改善すべきは、茶屋の大きすぎる看板、店先の幟(のぼり)、屋根の意匠と素材などであろう。この写真付近では建物が街路にせり出さず、松、萩など都会にはあまり見られず和風を演出する植栽が景観を形成している。
所々に洋風ガーデニングの草花が混じるのが残念だ。それらがブーゲンビレアやハイビスカスであれば誰もが違和感を持つだろうが、そこまで極端でなくても、都市に似合う洋風の草花、どこでも見かける草花は避けてほしい。訪問者にとって、都会を逃れてはるばる訪れた地にも普段と同じ花があるのでは興ざめだ。
花は街並演出の絶好の材料だ。例えばカナダのバンフやビクトリア、インターラーケンなどスイスとオーストリアのほとんどの都市には、各建物の花台をはじめ街路灯など町の随所に花がある。手入れの行き届いた「花の町」は美しい。小布施には少しだが花を吊り下げた街路灯を見かける。洋風の街路灯なので少々違和感があるが、数基の街路灯が街の印象を大きく変える。
石畳は2種類のデザインパターンで構成されている。内側の石畳のエッジが微妙な曲線であり、美しいシーケンスとなって街並を和らげている。
腰掛ける場所が少ないのはつらい。日本のどこでも言える事だが、長時間腰を下ろして街並だけを楽しめる所は少ない。
馬籠では宿場内の街道筋は歩行者専用となっており車は入れない。道路脇の水路の水音とあいまって心理的に大きな安らぎを感じる。騒音を気にせずのんびり過ごせる街は日本には少ない。それぞれの街で、水の音、鳥の声、清浄な空気を掻き消す通過交通や業務用車両、産業騒音、空調騒音などをアセスメントする必要がある。物売りの車や選挙演説、時代遅れの観光地で流れるラジオ歌謡曲のスピーカーなども規制が緩すぎると思われる。

【時間による街並比較 枡形付近】 
この付近から建物の屋根越しに見える中津川方面の雄大な景観が素晴らしい。枡形は敵の攻撃を防御するため。馬籠はそのロケーションから砦としての機能も併せ持っていた。

早朝の街並
日中の街並
   


【本陣付近】

  
 
  
  
  
  
  
  
 


【枡形付近】 

  
  
  

【宿場最下部】 左側農協の売店は他の農協店舗と変わらない。JAの看板は街の第一印象に影響するし、大いに改善の余地があろう。道路標識を撤去し、車止めなどを設ければさらに美しい街並になるであろう。
 

【水の演出】
道路端には水路が流れる。清冽で勢いあふれる水しぶきと水車が軽快なサウンドスケープを演出する。水車の回転は景観に動きを与え、水しぶきが日光に反射し美しい。水路と水は美しい街並の重要な要素である。枡形の水車は実際に粉引きの歯車が回っている。日本全国いたる所に枯れた水路や動かない水車を見かけるが、街並の美しさは眼でのみ感じるものではなく、五感と過去の記憶、そして想像で感じるものだ。ましてや静止画では扱えない。人間の眼は写真機ではないので動画で時間の変化を認識できる。調査記録をビデオで保存する理由はそこにある。音と映像の調和を分析することができ、1秒間に30コマの写真に分解してシーケンス(街並などの連続する景観)や緑覆率、道路対建物高さ比率、スカイライン、瞬間の騒音などを分析することもできる。
 
  
 

【アイ・スポットとなる景観要素と演出】
馬籠の街並は良くデザインされ、維持管理されている。例えば以下のような事例だ。 
・ストリートファニチャが美しい。新しいところでは防火用水、古いものでは道祖神などが美しい。デザインを考慮しない看板やストリートファニチャが街並を台無しにしている事例が多い中、このように公共のストリートファニチャまでデザインし管理するこだわりはすばらしい。
・和風の演出。藤村初恋の人の実家だった大黒屋を例に見てみよう。棟のデザイン、屋根がついた杉玉、簾、家紋のデザイン、障子戸、床机、灯明台、鉤曲りの石畳、砂利敷きなど、細部の意匠による和風演出へのこだわりが気品に満ちた印象を創出している。
・格子の美しさ。例えば清水屋資料館。格子は不思議なスクリーンだ。外部から内部を覗き込むことは難しい。外部から見る格子の繊細さはもちろんのこと、内部から格子越しに見る風景の、モダンでデジタルな印象は格別である。格子の特殊フィルタ効果なのであろうか、縦縞で引き立ち、写真アートやモダンアートのような先鋭で不思議な風景が現れる。昔の人の感性とデザインセンスに驚く。
・軒下の朝顔。朝顔は白壁にも黒塗りの板壁にも調和し、手軽に和風を演出することができる江戸を象徴する花だ。
・中山道宿場のフィーチャリング。例えば但馬屋。荷車と看板と暖簾がかつての中山道の旅情を演出する。中山道の道標と石畳、宿場の峠側入り口ある高札場も同様だ。都市の街角にある行政掲示板もこのような意匠を考えてほしい。江戸時代のほうがよほどデザインセンスが高いように感じる。馬籠峠の句碑も街道にふさわしい。
・馬籠から馬籠峠への途中にある水車小屋。屋根の形状まで含め復元の効果が考えられている。

  
  
  
 

  

 


馬籠のまとめ アセスメント 合計 20点

周辺の自然と景観 +2
石畳 +2
歩行者専用道路+2
電柱なし +2
宿場町の街並と建築物 +3
看板のデザイン +1
公共設備(消火栓)などのストリートファニチャ +1
植栽 +1
水路、水車 +2
中山道フィーチャリング+2
島崎藤村フィーチャリング +2


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