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広島県広島市中区 世界平和記念聖堂

Memorial Cathedral for World Peace

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広島市中区幟町4-29 世界平和記念聖堂 重文 近代/宗教 昭和 昭和29(1954) "三廊式教会堂、鉄筋コンクリート造、建築面積1,227.67㎡、三階建、地下一階、鐘楼付、銅板葺 附・正門 1基" 20060705


Apr.2014 酒井英樹

 世界平和記念聖堂は、広島城の東南東の京橋川左岸近くに位置し、四方を道路に囲まれた東西約130m、南北約100mの敷地のほぼ中央に西面して建つ。

 昭和20年(1945)8月6日の原爆犠牲者を弔い、世界平和の実現を祈念する場として企画された教会である。

 昭和23年(1948)に設計が公募されたが、当選の該当がなく審査員の一人であった村野藤吾が設計して、昭和25年(1950)8月6日定礎、昭和29年(1954)8月6日に献堂された。

 正面20m、東西方向の全長57m、軒高20.5mとし、東端に花弁形平面のドラムを立ち上げ、北側西寄りに高さ45mの塔屋を建てる。

 平面は東方を内陣とした三廊式パシリカ会堂で、鐘塔基部の東西両面に楕円花弁形平面の小聖堂を配し、鐘塔に対応した位置の南面に同様の楕円花弁形平面の洗礼室を突き出す。

 内陣と外陣との境付近には南北両面に脇玄関が設けられ、平面形状をラテン十字形に見せる。玄関ポーチ部は吹き放ちとした構えをとる。

 構造は、鉄筋コンクリート造で、内部は鉄筋コンクリート壁体を蛭石入りモルタル?き落とし仕上げ・色モルタル吹き付けとして壁面の多いロマネスク風聖堂空間をつくりあげる。

 外部は、柱梁の鉄筋コンクリート骨組を見せて日本的階調を醸し出すとともに、骨組内のセメントモルタル煉瓦の変化をつけた積み方やラフな目地仕上げにより微妙な陰影を外観に付与している。

 小屋組は鉄骨トラスで、銅板葺の寄棟屋根を架け、内陣ドラムや小聖堂などは花弁状の鉄筋コンクリート造シェルの屋根を載せ銅板で葺く。内陣ドラム屋根の頂部には地球に載った鳳凰が置かれている。

 世界平和記念聖堂は被爆都市広島における、世界平和の実現を祈念する戦後復興建築の先駆的建築であり、日本的性格と記念建築としての荘厳さを持たせつつ、戦後という新しい時代に適応した宗教建築を実現したここと、及び村野藤吾の代表的作品として貴重であることから平成18年(2006)に重要文化財に指定された。

 三廊式教会堂、鉄筋コンクリート造、建築面積1,227.67㎡、三階建、地下一階、鐘楼付、銅板葺

 昭和時代[昭和29年(1954)]

        

《彫刻》

        

《扉》

   


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