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京都府京都市上京区 葵祭
Aoi Matsuri, Kamigyoku,Kyoto city,Kyoto

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牛車の車輪の響き、牛馬のいななき
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Flower
 
Culture
生きた王朝絵巻、衣装や調度は京都の伝統工芸の粋を集める。
Facility

 
Food
 

May 2011 大野木康夫 HD video

路頭の儀

2011.5.15 

5月15日、京都御苑に日曜日の葵祭を見に行きました。
必然的に祇園祭山鉾巡行(7/17)は日曜日、時代祭(鞍馬の火祭)(10/22)は土曜日になるので、今年は多くの人が訪れると思います。
少し人出が少なくなっている京都の観光もこれで賑わってくれればよいのですが。

葵祭は賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例祭で、平安時代から宮廷が深くかかわった形で行われています。
かつては単に「まつり」とか「賀茂祭」と呼ばれていましたが、江戸時代に再興されて以来、「葵祭」と呼ばれるようになりました。
「葵祭」の呼称は、祭礼当日、すべての参加者、牛馬、乗り物などをフタバアオイの葉で飾ることにちなんでいます。

5月3日の流鏑馬神事(下鴨神社)、4日の斎王代御禊の儀(両神社隔年)、5日の歩射神事(下鴨神社)、12日の御蔭祭(下鴨神社)など、多くの前儀が行われた後、15日は路頭の儀(行列)、社頭の儀(両神社)が行われます。

路頭の儀は、京都御所を10時30分に出発し、堺町御門から丸太町通、河原町通を経て下鴨神社で社頭の儀を行った後、下鴨本通、北大路通、賀茂街道から御薗橋を通って上賀茂神社で社頭の儀を行い、終了は16時ごろになります。(社頭の儀の際、上賀茂神社では二の鳥居から立入禁止になります。)

写真撮影だけなら比較的すいている賀茂街道や上賀茂神社がよいのですが、当日は午後に用事があったので、京都御苑で見ることにしました。
満員の地下鉄に乗って丸太町駅に9時30分に着くと、団体客などが多く見物に来ており、丸太町通の北側の歩道はごったがえしていました。
やむなく九条邸跡から建礼門を目指して歩いて行きました。
御苑内のマンホール(防火用水)は宮内庁の「宮」の字が入っていますが、御苑に入ってすぐのところに「厚」の字が入ったマンホールがありました。
これは、国民公園である京都御苑(環境省所管)が、かつて厚生省所管であった名残だそうです。

九条邸の池や茶室は新緑に覆われていました。

建礼門から続く広い通りには、観光協会の招待席、一般有料観覧席が設けられていますが、ロープが張られただけのところからは自由に見ることができます。
ただし、一番人気がある建礼門の真南の場所は、朝早くから多くの人が場所を取っており、特大の脚立まで登場しますが。

12時ごろに行われる上賀茂やすらいを見るため、建礼門のすぐ西側で見ることにしました。
先導を務めるのは、京都府警平安騎馬隊の婦人警官2騎です。

建礼門の西側には行列中ほどに入る勅使用の牛車が準備をしていました。


牛車には藤の花が飾られています。

赤い水干姿の童が綱を引きます。

牛車には替牛が用意されています。
牛の扱いは、行列の牛馬をとりしきる「明馬会」の人が行います

出発の時刻も迫り、先頭を行く乗尻(競馬会の騎手)や素襖(先払い)が京都御所西南角の清水谷家の椋の前に出てきました。

行列が動き出しました。
実は出発地点は建礼門前なので、私が見ているのは出発直前の行列です。

素襖(すおう)は2人で行列の先払いを務めます。

乗尻(のりじり)は行列の先導で、上賀茂神社の競馬会(くらべうまえ)の騎手です。
茶色の騎服の左方(さかた)と朱色の騎服の右方(うかた)各3騎、合計6騎です。

検非違使庁の行列が続きます。
縹色の袍が検非違使志(けびいしのさかん)、橙色の袍が行列の警護責任者である検非違使尉(けびいしのじょう)です。

次は山城使(やましろつかい)すなわち山城国の次官である山城介が続きます。
両神社は平安京の外にありますので、警護のため行列に入っているそうです。

両神社に納められる御幣物を納めた御幣櫃と、担当する内蔵寮史生(くらりょうのししょう)が続きます。

両神社で行われる走馬の儀(そうめのぎ)に使う走馬2頭と、担当する馬寮使(めりょうつかい)すなわち左馬允が続きます。

長い間建礼門脇で控えていた牛車が出発しました。

続いて東游(あずまあそび)を舞う舞人(まいびと)が行きます。
緋色の袍を着ています。

勅使は毎年実際に宮内庁掌典が使わされていますが、行列には参加せず、代理である近衛使(このえつかさ)が行列に加わります。
馬にはきらびやかな装飾が施されています。
帰路に乗り換える牽馬(ひきうま)を連れています。

続いて風流傘、楽人装束の陪従、御祭文を持つ内蔵使が通ります。
以上が本列です。

以降は斎王代列になり、女性が主役になります。

花傘をさしているのは、女別当(おんなべっとう)、内侍(ないし)、命婦(みょうぶ)で、さしていないのは内侍司(ないしづかさ)の女嬬(にょじゅ)です。

斎王代を乗せた腰輿(およよ)が見えてきました。

腰輿の前には、袴を付けた童女(わらわめ)が従います。

斎王代は十二単、おすべらかしの髪で檜扇を持ちます。

腰輿の後にも童女が従い、命婦、采女(うねめ)が続きます。

騎女(むなのりおんな)が続きます。
斎王に従う巫子(みかんこ)が騎馬で行列に参加するもので、汗衫(かざみ)を着ています。

命婦、女嬬とともに、雅楽を奏する蔵人所陪従(くらうどところべいじゅう)が楽器を持って続きます。

最後尾は、斎王の牛車(女房車)です。
付けている飾り(風流)は、桜が中心となっています。

見ている場所では行列が通り終わるまであっという間の約30分間でした。
日曜日ということもあり、人出は多いですが、立つのを覚悟して1時間前に着けば楽に見られます。
下鴨神社参道では新緑の中を行く行列か見られるようです。
残念ながら、14日に市内で多く見かけた修学旅行生の姿が見られませんでした。
生きた日本史に触れるチャンスなのにもったいないと思いました。

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