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京都府京都市左京区 旧三井家下鴨別邸

Old Mitsui Family Shimogamo Villa, Sakyoku, Kyoto city

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Nov.23,2022 柚原君子

                                                                                                                                                                  


December 10,2016 大野木康夫 source movie

出町駐車場からアプローチ

         

家庭裁判所との間の紅葉と主屋

    

糺の森の続きで色づきが遅い庭園の紅葉を中心に撮影

寒いのでガラス戸は締め切り

                                                                

帰路

やはり家裁近くの紅葉は鮮やか

            

糺の森に行ってから駐車場に戻るときに撮影

         


Nov.29,2016 中山辰夫

2015(平成23)年に重要文化財に指定され公開された。二階〜三階は紅葉期に特別公開された。この期間、一日1000人もの来訪者が連日あったと聞く。

晴れ間がのぞく一日。葵橋上から前方に虹をみて幸先良い気分になり別邸を目指した。覚悟はしていたが大変な人、人

          

入門すると左手には望楼をいただく別邸が並ぶ。やはり望楼が目に付く。前方の大きな木立が輝いて美しい。

団体用、一般用のテントが2張、待ち時間90分といわれビックリ。でも実際には15分程度の待ちだった。

    

別邸全景

  

別邸は、南庭を望むように、望楼のある主屋を中心に、西に玄関棟、東に茶室を配する。

1925(大正15)年に三井家の木屋町別邸が主屋として移築された。近代京都の初期に建設された主屋を中心に、大正期までに整えられた大規模な屋敷構えが良好に保存されている。

三井という豪商の印象とはかけ離れた質素な・簡素な建物であるが、内部はそれらしい意匠が施されているとの説明があった。

案内順に、外観、庭から見た外観、内部の順に並べる。

玄関棟 

移築した主屋の玄関部分として増築された。内部は書院造を基調としているが、洋式居室として使われた。

1925(大正15)年竣工 木造、入母屋造、袖塀付、浅瓦葺、車寄を構えた式台付の表玄関、主屋とは廊下で繋ぐ。一般用の入口に使われていた。

ヒノキ、角柱、ガラス戸、格天井、舞良戸、漆喰壁、鬼瓦は三井家の四ツ目紋、内部は絨毯(当初と同じ色合い)を用いた椅子座式など近代的な趣をもつ。

                      

主屋と玄関棟とは中庭を挟んで廊下でつながっている。

      

主屋 1880明治13)年に建築、三階建、入母屋造、宝形造、桟瓦葺、銅板葺 現在の地に移築された。

前庭より見た外観 

          

庭園側みた外観

         

主屋一階

南庭に面して、八畳の主座敷と六畳、四畳、三畳の間を配し、周囲に縁をめぐらす。主座敷は、床棚・書院を構え、棹縁天井を張り、化粧屋根裏とする。

                      

主屋二階 通常は非公開

一階から二階へは階段をのぼる。三階公開時の際は控室として使われ、10人単位で狭い階段をのぼってゆく。

       

二階外観

南面して十四畳の座敷を構える。床・棚を構え棹縁天井を張る。庭に面する縁には特徴ある手摺を廻し、天井は化粧屋根裏とする。

            

主屋三階—望楼 通常は非公開 

五畳の一室 通りから庭園の間に見える外観である。見学は1分間、四面の景色は良好。撮影は禁止。大文字・妙法がくっきり見える。

           

主屋の勝手口と内玄関 隣り合っている。

 

勝手口周辺 勝手口は団体用の入口に使われていた。

       

内玄関と中庭、坪庭付近 客用の洗面所、浴室、トイレを配す。

               

意匠 一見簡素な作りの邸宅に感じられるが工夫された意匠も見られる

           

茶室 

移築前から当地にあった建物 木造、入母屋造、桟瓦葺、銅板葺、渡廊下で主屋と繋がる。

庭園に面して三畳次の間が付いた四畳半の開放的な広間がある。裏側に極少空間の小間をおく。丸窓を穿った奇層の構想、黒石を敷き並べた沓脱石

                

庭園

苔地の庭が拡がる。南にある泉川から水を取り入れた滝流れを持つひょうたん型の池。石橋が架けられた南には有る築山には灯籠や巨大な鞍馬石が置かれる。周囲は園路が巡る。

                       


November 27, 2016 野崎順次 source movie

京都府京都市左京区下鴨宮河町58番2

旧三井家下鴨別邸

下鴨神社の南、木立に包まれて建つ豪商・旧三井家の別邸。大正十四年に三井家木屋町別邸にあった明治期の主屋を移築し、玄関棟などを増築して完成しました。

明治から大正期までに整えれた大規模別邸の屋敷構えがよく保存されており、高い歴史的価値を有していることから、平成二十三年に重要文化財に指定されました。

(京都市観光協会ウェブサイトより)

秋季特別公開の雨の日に訪れた。

パンフレットと現地説明板

    

玄関から入ると目の前に主屋3階の望楼が目立つ。

       

その右には玄関棟

     

庭に回り、主屋と玄関棟を見る。

                            

茶室

     

庭の奥

       

主屋1階座敷

           

そこから庭を見る。

                    

主屋1階その他

                   

2階への階段

      

主屋2階と眺め

             


October 1,2016, 大野木康夫 source movie

所在地 京都府京都市左京区下鴨宮河町58-2

旧三井家下鴨別邸は、下鴨神社の社叢・糺の森の南端、高野川と鴨川の合流地点の北岸に所在する。この地一帯は、明治31年(1898)、三井家が購入し、同42年、同家の祖霊社である顕名霊社を遷座した、三井家にとって格別意味のある土地であった。

旧三井家下鴨別邸は、大正11年(1922)の本祖霊社造替ののち、その南方に、鴨川下流の木屋町別邸の主屋を移築し、これに増築を加えて、同14年竣工した。戦後は、昭和24年(1949)に国有化され、京都家庭裁判所の所長宿舎として使用された。

旧三井家下鴨別邸は、南庭を望むように、望楼を有する主屋を中心に、西に玄関棟、東に茶室を配する。

主屋は、明治13年(1880)木屋町三条の地に木屋町別邸として、鴨川に東面して建築されたもので、大正14年(1925)現在の地に移築された。

木造、建築面積230.02㎡、三階建、入母屋造及び宝形造、桟瓦葺及び銅板葺である。一階平面は、南庭に面して、八畳の主座敷と六畳の次の間を東西に並べ、両室の北側に四畳と三畳をそれぞれ配し、これらの室の周囲に縁を廻らす。三畳北の茶の間を挟んで北半は内向きの八畳、炊事場、便所等を配する。庭に面した八畳の主座敷東面縁の北東に接して、客用の洗面所、浴室及び便所と二階への階段を設ける。主座敷は、床・棚・書院を構え、次の間とともに棹縁天井を張る。庭に面する南面と西面の縁は化粧屋根裏とする。二階は、南面して一四畳の座敷を構え、北側の東西両側に各三畳を配し、周囲に縁を廻らす。北東には、中三階への木製シャッターを有する?階段室を接続する。また、北に廊下を延ばし西半に内向きの四畳と八畳を南北に並べて配する。主室の一四畳は、床・棚を構え、棹縁天井を張る。庭に面する南面と西面の縁には、特徴ある手摺りを廻し、天井は化粧屋根裏とする。中三階は、五畳の一室で、さらに矩折れに階段を上って三階の物見台へ通ずる。中三階の五畳は、西妻の屋根勾配に合わせて北面半間分に掛込天井を張り、西面に段違いの開口を穿つ。北面に押入、東面に中敷居付押入を備え、主人の書斎の様相を呈する。物見台は、一間半四方で、四面にガラス戸を建て、雨戸を二段に腰壁内に納める。天井は合板を用いた格天井を張る。外観は、鼠漆喰仕上とし、一、二階の南面、西面は眺望のため開け放つ。軸部を檜材とし、内外とも簡素な意匠でまとめた主屋は、古写真によりほぼ木屋町別邸の姿のまま移されたことが判る。

玄関棟は、主屋西側に接続し、大正14年(1925)に竣工した。木造、建築面積105.89㎡、入母屋造、西面車寄入母屋造、西南隅袖塀付、桟瓦葺である。平面は、西面中央に車寄を構えた式台付の表玄関、その南北にそれぞれ広間、応接室を配し、背後に廊下を通し、主屋との間を中庭を挟んで南北二棟の廊下で繋ぐ。南側は主屋主座敷に繋がり、北側は主屋内玄関に接する。軸部には、良質の米国産檜を用い、表玄関と応接室では内法長押、広間では内法長押と蟻壁長押で角柱を固め、開口にはガラス戸を建てる。広間は格天井、応接室は棹縁天井を張る。表玄関正面に舞良戸を建て、車寄の天井は格天井を張るなど書院風につくる。外観は、真壁造の漆喰仕上とするが、建ちが高く、腰を竪羽目板張とし、鬼瓦には三井家の四ツ目紋をみせる。内外とも和風の意匠を基調として主屋との調和をはかるが、天井高を高くとり、椅子坐式の構えとするなど洋風の要素を取入れた近代的な趣をもつ。

茶室は、建築年代は詳らかではないが、主屋の現在地への移築前にこの地にあった建物で、木造、建築面積35.59㎡、入母屋造、桟瓦葺及び銅板葺で、西南の渡廊下を介して、やや軸を振って主屋と繋ぐ。平面は、南庭に面して三畳次の間付きの四畳半、その北側に一畳台目の小間、一畳大の水屋を並べ、北方に便所を延ばす。四畳半は、北面の床構えを踏込床のみとする簡素なつくりとしながら、三畳次の間は、北面に梅鉢形窓、対面に丸窓を穿つ奇想の構成になる。一畳台目小間は、北面に躙口を開き、大節の床板、皮付きの赤松を床柱とする。西面廊下を化粧屋根裏とするほかは、各室に棹縁天井を張る。茶室周囲の軒下には、黒石を敷き並べ沓脱石を配る。

敷地内には、門柱、築地塀風に仕上げた煉瓦塀及び石積、ひょうたん形の池、滝口、石橋、石灯籠などが保存されている。

旧三井家下鴨別邸は、望楼が特徴的な主屋をはじめ、和洋の各要素をもつ接客空間や独創的な意匠の茶室からなり、近代京都における貴顕(きけん)の別邸建築を知ることのできるものとして、貴重である。建築年代が明治初期に遡る主屋は、これらの中で最古に属するものであり、歴史的に価値が高い。主屋からの眺望を意識した南庭には、池、石橋などの工作物も良く残り、鴨川の周辺環境に馴染んだ良好な風致を創出しており、土地と併せて保存を図る。

(国指定文化財等データベース詳細解説より)

旧三井家下鴨別邸は重文指定とともに京都市の管理となり、保存修理事業が行われていましたが、このほど修理が終了し、10月1日から一般公開されました。

管理は京都市観光協会、賀茂御祖神社、(株)曽根造園、三井不動産レジデンシャルサービス関西(株)からなるコンソーシアムに委託されており、水曜日(祝休日の場合は翌日)と年末3日以外は9時から17時まで公開されています。

  

公開初日の訪問です。

市バスで河原町今出川(東詰東行)で降りると徒歩で5分ほどです。

京阪出町柳駅からも同じくらいの距離です。

       

開門前、入り口付近には10名ほどが並んでいました。

駐車場はありませんが駐輪場は敷地内にあります。

          

9時開門、受付は玄関棟を上がったところです。

   

入ってすぐ、玄関棟の南側の部屋で施設の概要の説明がありましたが、先に庭園から建物を撮影することにしました。

重文指定の建物は3棟です。

主屋

明治13(1880)年の建築

木造、建築面積230.02㎡、3階建、入母屋造及び宝形造、北面及び東面塀付、桟瓦葺及び銅板葺

もともと三条木屋町上るに建てられ、座敷からは鴨川が見えていたようです。

玄関棟

大正14(1925)4年の建築

木造、建築面積105.89㎡、入母屋造、南西隅袖塀付、桟瓦葺

下鴨に主屋を移築してから増築されたようです。

茶室

大正頃の建築

木造、建築面積35.59㎡、切妻造、西面渡廊下付、桟瓦葺及び銅板葺

                                                                                               

主屋内部

                                

もう一度庭園から

                      

主屋内部、玄関棟内部

                                                      

玄関棟前

                            

建物北側

                                       

帰路、京阪出町柳駅へ

       

地下鉄の中吊広告

 

October 9,2016

午後、晴れてきたので再訪

                                                                                                                                                                  


Dec.14,2015 瀧山幸伸 source movie

復元改修工事中の様子

                                                                                                                                                        


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