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京都府京都市東山区 瀧尾神社

Takiojinja,Higashiyamaku,Kyoto city,Kyoto

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July 2012 中山辰夫

京都市東山区本町

祭神:大国主命 弁財天・毘沙門天

京都市指定文化財

JR奈良線東福寺駅で下車。伏見街道沿い駅より徒歩5分

本町通りはかつての伏見街道で、豊臣秀吉により京都と伏見を結ぶ街道として造られた。伏見稲荷大社も近い。

今の地に移ったのは天正14年(1586)豊臣秀吉の方広寺大仏殿建立の時と伝える。

本殿は木舟神社奥院旧殿を移築したもので、その前に幣殿・東西廊が並ぶ。これらが屋根を錯綜させながら

独特の社殿景観を形成している。豊富な彫刻装飾は京都市内では珍しい。(京都市HP)

江戸中期に行商から大呉服商に成り、今の大丸百貨店の基礎を築いた下村彦右衛門が熱心に参ったことが縁で

下村家の援助で修復を繰り返してきた。今の社殿は江戸後期の天保9年(1838)から同11年(1840)の完成

鳥居は二つ。街道に面して建つのは石鳥居

境内

拝殿

京都市指定文化財 天保11年(1840)建造

全景

桁裄一間、梁間一間、入母屋造、桧皮葺

天井に長さ8mという巨大な雲龍の彫刻がある。

全身をくねらせ今にも天井から飛び出しそうな迫力である。

リアルな木彫りの雲竜で、「夜な夜な今熊野川へ水を飲みに行く」という噂が流れた。

夜な夜な水を飲みに行かないように、金網で取囲んだという。金属製の枠は金網の名残。

木彫り彫刻の極彩色は色あせているが、それがため、精巧な彫りの細部と木目まで見えて格別の味を引き出している。

本殿

一間社流造 桧皮葺

本殿は、貴船神社奥院旧殿を移築したもので、その前方に切妻造、妻入りの幣殿を建て、屋根を一続きにつくる。

幣殿の前方には屋根を一段低くして唐破風造、妻入りの拝所を持続する。又、左右には入母屋造の回廊を置く。

これらが屋根を錯綜させながら、独特の社殿景観を形成している。

京都市内に見られる御霊造(ごりょうづくり)と呼ばれる形式の複合社殿である。 

大工:千切屋夘兵衛、大和屋杢右衛門

本殿廻り細部

本殿前の獅子と珍しい木彫りの猿

拝所

桁裄一間 梁間一間 唐破風造 桧皮葺 

拝所周りの装飾と彫刻

幣殿:桁裄一間 梁間一間 切妻造 桧皮葺と回廊:桁裄二間 梁間一間 一端入母屋造 他端幣殿に接続 瓦葺

欄間に彫られた見事な彫刻

江戸末期天保年間(1830〜44)に九山新太郎の手によるもの。東本願寺・善光寺・その他有名な寺院建築に

彫刻を施した。

十二支のほか、鳳凰・獅子・麒麟といった神獣もある。

彩色は施されていないが、日光東照宮を彷彿させる。日光東照宮の近くにも瀧尾神社があるようだ。

どれも木目が鮮やか、繊細に、丁寧に彫られている。

唐破風造にズラリと並んだ干支の彫刻はみごとである。

手水舎 

桁裄一間、梁間一間、入母屋造、桟瓦葺 天保11年(1840)建立

彫刻が秀でている

絵馬舎

桁裄二間 梁間一間 切妻造 桟瓦葺 天保11年(1840)建立

絵馬舎には、大丸の呉服屋時代の店頭の様子が巨大な絵馬として奉納されている。

大丸創業家の下村家は伏見から京都へ行商に行く際、必ずこの神社に参拝したことから現在でも崇敬されている。

三嶋神社

境内社 鰻(うなぎ)の絵馬が並ぶ。安産・子授けの神様とか。秋篠宮殿下も参拝されたとか。

境内社

参考資料≪京都市HP、他≫

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