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京都府宇治田原町 猿丸神社
Sarumarujinja, Ujitawara town, Kyoto pref

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Oct.6.2017 中山辰夫

京都府綴喜郡宇治田原町禅定寺棕谷44

猿丸神社は大津市の大石の集落を過ぎて、県境から宇治田原に入ったすぐの地点にある。祭神は猿丸大夫である。
  

歌碑と石柱が目に飛び込む。
  
歌碑には
「奥山に紅葉ふみ分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋はかなしき」という猿丸大夫が詠んだ百人一首の歌が刻まれている。
石柱には
「この歌は藤原定家が小倉百人一首に撰んだ猿丸大夫の秀作であります。三十六歌仙の一人として知られる猿丸大夫は京滋境界のこの一帯に隠れ住んだ貴人であったと伝えられ、鎌倉期に鴨長明がその墓を訪ねたことが「方丈記」に見え、また江戸期には日蓮宗高僧の元政上人がその跡を慕って訪ねており、今も奥山の趣を残しています。」と記されている。

猿丸大夫は平安初期の伝説の歌人で、三十六歌仙の一人に数えられること以外は全く不明な人とか。
歌碑にある歌は「古今集」には「よみ人知らず」とある。

鳥居〜表参道―石段を挟む左右のスギの大木は鳥居代わりか。朝日が二本スギの間を昇ってゆく光景が素晴らしいと聞く。
     

夫婦猿が迎える
 
他に「うら参道」がある。
    

階段をのぼると境内となるが広くない。左側が社務所、本堂、猿丸大夫碑、右側に茶所がある。
   

中央右寄りにある「猿丸大夫碑」の前には大きな水がめがある。毎月13日の次月祭に、この大がめに一杯入った清めの水を頂く。
    

狛犬でなく狛猿さん
    

本殿外観−猿丸大夫の霊廟とされる
    

本殿内部
    
この神は瘤(こぶ)などのできものに霊験があり、癌封じに京阪神をはじめ各地から多くの参詣者がある。
本殿に供えられている木のコブは、瘤を取って癒していただいた人や種々の病気の悩みが治った人が御礼の意味で奉納したもの。

茶所―参拝者を接待する場所 室内の壁面はススで真っ黒で時代経過を感じる。
    
訪れた日は小雨が降り気温が低い日でした。神主さんから接待をお受けした。

絵馬
   

紅葉のシーズンがたのしみ
    

参考
猿丸大夫については、鴨長明の『方丈記 1212年著』第9章に、墓を訪ねた記述がある。
9章以降は長明が日野山での草庵の閑居生活と心境を叙するくだりである。
「・・・・歩み煩ひなく、心遠く至る時は、これより峰続き、炭山越え、笠取を過ぎて、或は、石間に詣で、或は、石山を拝む.もしはまた、粟津の原を分けつつ、蝉歌の翁が跡を訪ひ、田上河を渡りて、猿丸大夫が墓を尋ぬ。帰るさには、折につけつつ、桜を借り、紅葉を求め、蕨を折り、木の実を拾ひて、かつは、仏に奉り、かつは、家苞にす。・・・・」
「大夫 まうちきみ」は、マヘツギミの音便で、天皇の御前に伺候する、高位の臣下の総称。平安時代以降は、とくに、五位を中心とした殿上人をいう場合が多い→( 安良岡康作「方丈記」より抜粋 )

梅原猛氏が著書「水底の歌」に、柿本人麻呂=猿丸大夫の新説を著されているとも聞く→未確認

猿丸大夫の「墓」については
『無名抄』(1211〜16年までに著)
「或人云わく、田上の下に、そつかといふ所あり。そこに猿丸大夫があり。庄のさかひにて、そこの券にかきのせたれば、みな知る所なり」とある。

『大日本地名辞書』吉田東伍著「1873(明治6年)後期に出版」
「淡海志云、勢田川に沿て・・・大石村に至る。怪岩奇石、布置はなはだ巧妙なり。巳にして鹿跳に至るべし。曾束村といふ。其嶺に猿丸祠あり。又隔岸の地に、猿丸の宅址あり。宅址は岩窟にして、青山に囲まれ、碧水に臨み、佳景なり。是より一嶺を越揺れば、石山寺に達す」とある。「引用は安良岡康作「方丈記」より )

猿丸大夫同様に、神社の創建年も不明である。江戸時代、氏子たちにより現在の場所に移されたようで、その時社殿も再建されたと聞く。

毎月13日には地元の特産品を販売する猿丸市が開催され賑わっていると聞く。
今も地元の人達や参拝者から「猿丸さん」の呼称で篤く信仰されている様子からもうかがえる。


May 1,2016 大野木康夫  movie

所在地 京都府綴喜郡宇治田原町禅定寺粽谷44

猿丸神社は宇治田原町北部の滋賀県境に近いところに鎮座しています。
猿丸大夫が晩年隠棲した場所と伝えられていますが、猿丸大夫は実態がわからない謎の歌人なのでよくわかりません。
瘤取りの御利益があるとされ、多くの人が参詣します。

                     

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