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京都府和束町 茶源郷
Chagenkyo, Wazuka town, Kyoto

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Nov.13,2016 中山辰夫

和束町茶源郷

石寺地区散策

京都府の南部に位置する和束町は別名「茶源郷」とも呼ばれ、日本のお茶文化を発信 する数少ない町
    
今回は「石寺地区」を散策する
和束には、8百年前の鎌倉時代から、先人の手で開墾されてきた茶畑が続く。その中でも一番有名で、京都府景観資産地登録第一号となったのは「石手」地区。この地域は「早場」と呼ばれ、4月下旬には茶摘みが始まる。山裾には茶農家や茶工場が密集もし、茶場と一体化した素晴らしい景観を呈している。
   
スタートは「和束茶カフエ」 茶農家直送のお茶が飲める直売所。お茶の佃煮・スイーツも販売している
   
途中にあった「活動公園」の美しい紅葉
    
茶畑
        
茶工場や茶農家
        
茶畑
    
    

景観資産ビュースポット
       

茶畑や集落を通り、和束川を渡ると和束高橋のバス停 加茂駅へ向かう
      



Sep.12,2016 瀧山幸伸

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原山の茶畑
                                                              

                                       

和束茶カフェ
                              
            

金胎寺への途中
          
              



April 26,2015 大野木康夫 movie

山城地域南部に位置する和束町は山がちな地形で、町の中央を木津川の支流である和束川が丘陵を刻むように流れています。
和束町を特徴付ける産業は茶生産で、町内各所に山裾から山頂近くまで丘陵の起伏に沿って茶畑が広がっています。
生産されているお茶は、「玉露(ぎょくろ)・かぶせ茶・煎茶(せんちゃ)・碾茶(てんちゃ)・番茶」など、日本茶のほとんどの種類に及んでいます。
府内でも有数の宇治茶の生産地として知られ、煎茶の生産量は府内第1位です。
茶畑は起伏に富んだ地形を巧みに利用し、大きな改変をすることなく営まれています。
丘陵頂部から裾に至る良好な茶畑景観の中に、古墳や古道、さらには石仏、摩崖仏(まがいぶつ)など当地のもつ文化財を含み込んで、南山城を印象深く特徴付ける文化的景観となっています。
(京都府教育委員会HPより)

○ 景観資産の魅力
・ 宇治茶の郷和束の茶畑は、宇治茶を代表する風景として古くから京都南部山城地方に広がる景観で、宇治茶の歴史とともにこの地で育まれてきたもので、その広がりは空との稜線まで広がり、朝日が当たり紺碧の空と茶園の緑のマッチング、朝霧に包まれる山間地の山腹を切れることなく続くように見えるうね筋と、その時々に顔姿を変え私たちの目に飛び込む風景であり、
生業の景観として日本茶を代表する宇治茶の主産地、お茶の郷和束の景観といえます。
○ 自然的特性
・ 山城地方で唯一主要幹線道路の車窓から茶畑家風景を満喫できる和束町は、東西に流れる和束川の流域に山裾から山頂まで所狭しと茶畑が広がります。この地は、寒暖の差が大きいことや、低地を流れる和束川の影響で朝霧が立ちこめる地で、その自然的特性から、香り高いこくのあるお茶が生産される地として、古くから宇治茶の主産地としてお茶が生産されてきました。
○ 歴史・文化的特性
・ 和束町は、京都府宇治市の南東に位置し、奈良時代から都に関わりがあり、聖武天皇により造営された「恭仁京」と「紫香楽離宮」を結ぶ街道として開け、禁裏御料地として奈良東大寺の寺社建築用材の用達地として栄えていました。
倉時代初期、日本にお茶の栽培が伝えられたとされる時代、海住山寺にいた高僧「慈心上人」が、茶業興隆の祖といわれる「栂ノ尾の明恵上人」よりお茶の種子の分与を受け、鷲峯山麓に栽培したのが始まりと伝えられています。
・ 日本茶の産地やブランドは、全国各地にありますが、近代技術により効率的に栽培される産地と違い、宇治茶の歴史は古く府内の約 40%を生産する茶栽培は、古来とほとんど変わらない風土と環境の中で今も栽培されています。栽培量だけでなく、味・香りの良さは定評で高価格で取引され、茶師の卓越された栽培技術と茶商のブレンド技術が相まって商品化される宇治茶のコアとなっているのが和束で生産されるお茶です。
○ 周辺環境との関係
・ 和束町の中心を流れる和束川を軸に市街地、その背後の山々に茶畑が広がっており、茶畑の中に村があるかのような風景が広がる。
・ 緩やかな起伏のある地形と山の頂上まで茶畑として開墾されているのが特徴で、集落と一体となった景観や、山の谷間に開ける景観など、周辺環境と調和した景観が形成されている。
[茶統計]
町 面 積:648,700ha
茶園面積: 570ha
茶生産農家: 380 戸
共同製茶工場:煎茶工場8 工場、てん茶工場 26 機
生産量: 863t(府内生産量の約 45%)
販売額: 20 億円(府内荒茶販売額の約 50%)
(京都府景観資産登録地区保存活用計画書より)

平成20(2008)年に「京都府景観資産登録地区」及び「京都府選定文化的景観」に登録されるとともに、平成27(2015)年度の「日本遺産(Japan Heritage)」に認定された「日本茶800年の歴史散歩」の構成要素となっています。

京都府内から和束町に入る主な道は4本、木津川市の旧加茂町から和束川沿いに北上する府道5号、宇治田原から犬打峠を越える府道62号、同じく府道62号を木津川沿いの町内木屋地区から峠越えで北上するルート、そして井手町玉川沿いから峠越えで町内に入るルートです。
今回は、早朝に盆地を俯瞰で撮影したかったので、井手町ルートを選択しました。
地蔵禅院の南から玉川沿いに上る道が府道321号で、和束町の中心白栖橋まで続いています。
狭い峠道を進むと、ほどなく展望が開けます。道のすぐ下の斜面に茶畑が広がっており、和束の盆地が遠望できます。
ちょうどオレンジ色の朝日が昇ってきました。

        

少し下ると山側に茶畑が見えたので一時停止して車窓から撮影しました。

 

もう少し下って、神社の下あたりの大きなカーブから、早朝の俯瞰撮影を行いました。

                         

盆地に下りたあたりが白栖地区です。
道路脇のスペースに駐車して茶畑を撮影しました。
林立する扇風機は新芽が晩霜で凍らないように上の暖かい空気を地表近くに送るもので、「防霜扇」と呼ばれています。
この日は6時過ぎまで回っていました。
茶畑の舗装された道だけを移動して撮影しました。

             

茶畑の脇で八重桜が一本咲いていました。

     

京都府の文化的景観に選ばれた4箇所の茶畑の一つ「撰原の茶畑」が見えるまで畑の舗装道を登っていきました。

    

登った茶畑から和束川、府道5号を隔てた向こう側の山の斜面の茶畑が「撰原(松尾)の茶畑」です。
この時期はまだ、一部の茶畑に「寒冷紗」と呼ばれる黒い覆いがかぶっていますが、まずまず見ごたえがあります。

                                      

車道への帰路

   

そこから徒歩で「石寺の茶畑」を目指しました。

途中の農家の軒先にいた猫

  

「撰原(松尾)の茶畑」の正式な俯瞰地点

          

石寺地区への道

      

石寺の茶畑が見えてきました。

        

「石寺の茶畑」(京都府選定文化的景観)

石寺の茶畑の写真が景観の代表例とされることが多いようです。
この時期は下部の大半が寒冷紗に覆われています。
一面緑の風景を撮影できるのは7月以降ということです。

                             

お茶農家の方に、今日はお茶刈り(機械摘み)をすると教えていただいたので、撮影することにしました。
手摘みは一部の高級茶用の覆いがある茶畑でしか行われていないのが現状です。
石寺の茶畑は煎茶用で、和束でもお茶刈りが始まるのが早いようです。
寒冷紗を外し、お茶刈りの袋を並べておいてから、二人組でお茶を刈っていきます。
畝を上下半分ずつ刈るようです。
機械は可搬型摘採機といい、手摘みの300倍以上の能力があります。

                                                                     

駐車場までの帰路

     

日が高くなったのでもう一度撰原の茶畑を撮影

    

帰路

  

白栖橋近くの運動公園の駐車場に駐車して周囲を撮影

白栖橋の北側に、聖武天皇の第二皇子で恭仁京で病没した安積親王の墓があります。
墓がある丘の斜面も茶畑となっており、撮影スポットとなっています。

                 

安積親王陵墓から、「釜塚の茶畑」(京都府選定文化的景観)が遠望できます。

            

府道5号に出て、和束川の下流にある弥勒磨崖仏を目指して西に向かいました。

  

弥勒磨崖仏

正安2(1300)年の銘があり、高さは330cm、和束川右岸の花崗岩に彫られています。
鷲峯山の参道であったことが関係しているかもしれません。
白栖地区から付近まで歩いて行けますが、撮影は府道5号から和束川越しがいいようです。

              

帰路、石寺・白栖方面の眺め

  

白栖橋を過ぎて、和束町役場東側から「釜塚の茶畑」を撮影しました。

         

最後の目的地「原山の茶畑」はここから「和束天満宮(本殿が重要文化財)」を越えたところなので、車で移動しました。
原山地区は自動車の乗り入れができませんので、入り口の府道5号沿いの空き地に駐車して徒歩で坂道を上ります。
この坂道は鷲峯山金胎寺(多宝塔、宝篋印塔が重要文化財、修験道の行場)の表参道で、のぼり口に碑が立っています。

 

道中の景観

         

「原山の茶畑」は範囲が広く、どこを撮影するかどうか迷いますが、おおむね、集落の東側、北側が絵になりやすいと思います。

東側の茶畑

    

北側の茶畑の全景

  

東奥、永田茶園さんの茶畑

  

再び北側全景

 

北側の坂道(鷲峯山参道)を登って行って、茶畑の説明板を越えたあたりの東奥に、「原山の茶畑」の代表写真になる「円形の茶畑」があります。
もうすでにお茶刈りが終わっていました。

               

帰路

   

京都府選定文化景観の茶畑のビュースポットは道が狭いので、運動公園の駐車場が推奨されていますが、原山は少し遠いので、集落入口に駐車させていただきました。
牧之原や八女のような茶畑の広がりはないですが、山がちな盆地にパッチワークのように茶畑が広がる様子は貴重かと思います。
特に早朝風景はよかったと思いました。

 


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