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奈良県奈良市 喜多家住宅

(Kita Residence, Nara City, Nara) 

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July 2011 撮影/文 野崎順次

奈良県奈良市芝辻町543-1

撮影日: 2011年7月17日

昭和初期に建てられた良質な造作の和洋折衷住宅で、登録有形文化財に指定されている。

東大寺境内の西側に東七坊大路(現国道336号線)が南北に通っている。転害門のひとつ南の信号(今小路)」を東に入ると道の両側は礎石が並び、100m足らずで、オーガニック素材にこだわる洋品店 NATIVE WORKS がある。以前にこの店に来た時、その直ぐ奥にちょっと気になる住宅を見つけた。それが喜多家である。

主屋は大正14年(1925)頃の建築である。東大寺の西方に建つ木造2階建で、2階に大仏殿を望むサンルームがある。屋根は切妻と半切妻を組合せ、フランス瓦、スレート、銅板と葺材で変化をつけている。外壁は下見板形鉄板張である。

主屋の隣に蔵があるそうだが、外側から見てもよく分からない。とりあえず、説明だけ引用しておく。蔵は、主屋の北面西寄りに接続する土蔵造2階建で、伝統的な形態に近代的な材料を用いている。桁行2間半、梁間2間規模の東西棟で、切妻造の置屋根をフランス瓦葺としている。基礎はモルタル洗出し仕上げである。南面の戸口は双折鉄扉を吊り込み、2階窓は両開鉄扉となっている。

離れは、主屋の北面東端から北に延びる渡廊下に接続する木造平屋建(昭和初期)の東西棟である。切妻屋根をスレート葺とし、南面に鉄板葺庇をつけて縁としている。数寄屋風座敷6畳には出窓風の書院を設け、次の間6畳と板間を介して8畳間が並んでいる。元は奈良食品工学研究所であった。

東側に大仏池と大仏殿の屋根、南側には戒壇院への階段がある。

参考資料

奈良の名所・遺跡HP

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