MONTHLY WEB MAGAZINE Dec.2011

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■■■■■ 霜月の色 川村由幸

 

今年も残すところ一か月、毎年思うことですが月日の流れの速いこと。

過ぎた一か月を振り返ると何も出来ずに時間だけが猛スピードで経過してしまったような

むなしさを覚えたりします。

今月のweb-magazineは冬が近づき、味覚も感覚も研ぎ澄まされる晩秋霜月の色を探してみました。

なんと言っても、この晩秋の高く真っ青な空に残った柿の実や咲き残りのコスモスの色は

霜月を代表する色です。

構図がおなじで、左側を重たくするクセが私にはあるようです。

青い空をくっきりとオレンジやピンク色が切る取る様はとても気持ちの良い風景です。

毎年11月末に家内とシクラメンを求めに栽培している園芸農家を訪れます。

いつも同じ園芸農家に行き、二鉢のシクラメンを買い求めます。

そのシクラメンは年を越して4〜5月まで花を楽しませてくれていて、我が家にはなくてはならないものです。

私にとってはシクラメンの赤・白・ピンクも霜月の色です。

この千両は我が家の庭にあります。いつも11月にこのように身が赤く色づきます。

お正月の飾りに使用するため、家内は少し早めに枝を切り花瓶に挿して保管しています。

理由は、これから冬がやってくると小鳥たちの餌が不足し、この千両は小鳥たちの格好の餌食となり、

実は下に落ちる間もなく食べ尽くされるのが例年だからです。

残すはやはり紅葉でしょうか。我が家の近くにある大洞院という寺にある大イチョウです。

イチョウの紅葉の黄色は落葉してからも地面を黄色に染め、二度楽しめます。

でも紅葉から落葉までがとても早く、紅葉するとすでに落葉が始まっているのがイチョウです。

色とは関係ありませんが、これも霜月の風景です。

左の画像の中央部分を拡大したのが右の画像です。

もう朱色と言ってもよい熟れた柿の実をすずめがついばんでいます。静かな晩秋の風景です。

これ以外にも、道端の満天星の赤や畑の端に咲く白い小菊も霜月の色でしょう。

晩秋も春ほどではないにしろ、彩の豊かな季節と言えるようです。


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