MONTHLY WEB MAGAZINE Feb.2012

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■■■■■ 雪の風景 川村由幸

1月23日に関東ではまとまった雪が降りました。

朝、目が覚めると庭も道路も真っ白、交通機関のマヒを心配しながら出かける用意をし、

バス停に行ってみると目の前をバスが通り過ぎて行きました。

これは普通に動いているのかと早合点しバス停で30分ほど待ちましたが、バス待ちの列が延びるばかりで

その後バスの到着する気配はなく、目の前の道路に車の渋滞が拡がってゆきました。

これは遅刻確実と認識したところで、携帯電話を忘れていたことに気が付き自宅に舞い戻り

携帯とカメラを持って徒歩で最寄りの駅に向かいました。

もちろん、カメラを持ったのはこのweb-magazineのネタ仕込みが目的でした。

こんな雪の日は普段見ることができない景色に出会えるのではと期待しながら、駅までの路を歩くことにしました。

道路はすでに轍や人の足跡で無残な姿、手つかずに残っているのは樹木に降り積もった雪ばかりでした。

冷たい雪の朝、雲一つなく晴れを渡った青空に真っ白な枝の樹木はよく映えます。

常緑樹は綿帽子という言葉がぴったりの風情です。

細かい枝の樹木は枝の間にたくさんの雪をため込み、他とは違った姿をしています。

公園の桜はまるで花が咲いたように見えないこともありません。

枝に近づいてみると、雪ではなく氷がついているようです。寒さが雪を氷に変えたのでしょう。

雪の重みに枝をしならせて耐えている樹木もありました。

駅までの40分、滑る足元に気を遣いながらでしたが雪の日の景色を探してチョッピリ楽しい40分でした。

もっと不思議な景色に出会えることを期待していたのですが、樹木以外目に留まるものはありませんでした。

特に日本海側では、今年は豪雪で大きな被害が出ています。

雪を楽しむなどという状況にはありません。自然は厳しかったり、やさしかったりです。

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