MONTHLY WEB MAGAZINE Aug. 2012

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■■■■■ 古い写真 川村由幸

6〜7前に実家の古いアルバムを借り出し、古い写真をスキャナーで保存したことがありました。

ウェブマガのネタに詰まり、HDDの中の画像を見歩いていてその画像を再発見しました。

昭和の初め頃から40年代後半までの約50年間の私の家族の肖像がそこにありました。

中には、戦争の画像も、若い父と母、そして親類。二歳にはならないだろう自分自身の画像。

カラー写真はちょっぴりでほとんどがセピア色の写真ばかりでした。

その中に、私の生まれ故郷のお祭りの画像がありました。

この二つの画像には私自身が写っていて、それからすると昭和27〜30年ぐらいの写真のようです。

半世紀を超える時間の経過を噛締めてしまいました。

このお祭りのことは今でも鮮明に記憶に残っています。

私の生まれた町はいくつかの集落に分かれていて、その集落毎に画像のような屋台を保有しており、

夏のはじめにこのような祇園まつりを開催していました。

まつり衣装の大人と子供たちが屋台を曳き、町を練り歩いたことを覚えています。

屋台の一階部分にはお囃子衆が乗り、移動の間も笛・鼓・太鼓・鉦でお囃子を鳴らしていました。

二階には、芸人が乗っていて屋台が止まっている時に観客に何か芸を披露していたと思います。

画像には記憶に残っている顔顔顔。

記憶にある人の家がどこにあったかをなぜか記憶しています。

氏名は全く覚えておりませんが、顔と屋号が結びついて記憶しています。

子供の頃の生まれ故郷では、ほとんどの家が屋号で呼ばれていました。

このお祭りは、まだ私がこの町に居た頃に一度途絶えたと記憶していますが、今は復活しているようです。

屋台が5基、もっとたくさんの屋台が出ていたような気がしています。

千葉の田舎町のことですから御多分に漏れず、若い人は都会で暮らし、老人ばかりの町になっています。

屋台の数が減っていても当然のこと、復活しているだけでも僥倖なのでしょう。

2枚のセピア色の画像のおかげで、幼い頃の時間を思い出しました。

それは懐かしく、とても優しい気持ちになれる時間でした。

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