MONTHLY WEB MAGAZINE Sep. 2013

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■■■■■ 忘れられた北信の霊場 小菅神社 瀧山幸伸

先月に続き霊場を取り上げる。暑い季節には修験者の霊場を訪問したい。

そこでは人を寄せ付けない険山、巨木と巨岩、そして清浄な水と冷気が深い霧に包まれている。

かつての北信の三霊場は、戸隠飯縄小菅神社だが、明治の神仏分離令と修験道の禁止で、霊場としての繁栄はほぼ失われてしまった。

戸隠飯縄は観光地と化し車と人の騒音に悩まされ、かつての霊場感は薄い。

それに比べ小菅神社は観光とは縁遠い。そもそも存在を知っている人も少ない。

飯山と野沢温泉との境、映画「阿弥陀堂だより」のロケ地の近くにこのような聖地が残っている。

修験道が廃れてからは文化財を維持する財源も乏しく、村人の負担で維持されており、頭が下がる。

今回は大雨の中で麓の小菅神社中社や講堂ほかを訪問した。

飯山藩の庇護を受け修験道が盛んだった頃の面影が色濃く残っている割に人の気配が無いことが嬉しい。

特に奥の院参道の杉並木は壮麗で、護摩堂庭園の荒れ果てた姿にも心打たれる。

奥の院は重要文化財に指定されている懸け造りであり、荘厳な雰囲気に包まれている。

半端な気持ちで訪問すると怪我をしたり毒蛇に咬まれたりするのでお勧めしないが、修験道本来の目的で登拝するには相応しい霊地だ。

春先の雪中に咲く桜、あるいは秋の風情もまた格別である。

■■■■■ 滝壺撮影の悲劇 瀧山幸伸

仙台の秋保姉滝は滝壺付近の川床が平らに削られていて興味深い。

また、滝の上にも行かれ、滝壺を俯瞰できるのだが、ここで大失態を演じてしまった。

滝壺に水が流れ落ちる情景を動画に収めようとして三脚を張り出したのだが、それが苔で滑ってカメラが岩に落下し、大切なあおりレンズが壊れてしまった。

その動画には落下の瞬間が収録されている。自分の身には怪我はなかったが、無茶な撮影の戒めとしたい。

滝は危険に満ちている。

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