Monthly Web Magazine August 2014

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■■■■■ スーパームーン 田中康平

   

台風も過ぎ去って梅雨のような重い雲ののしかかる空模様になってきた。

毎日のように送られてくるSpaceNewsに今夜はSupermoonの文字があって、これは見なければと思っていたが満月は雲の中で見損ねてしまった、しかし次の日の夜はかろうじて雲の切れ間から見ることが出来た。

スーパームーンは満月が月の軌道の近地点(ペリジ点)に来た時の状態で、月と地球の距離が近くいつもよりかなり大きく月が見える現象だ。満月の翌日でもペリジ点からは17時間位過ぎている位で月との距離はまだそれ程広がってはいないはずだ。

見た目十分大きいように見える、大きいはずと思ってみるからもあるかもしれないがなんだか大きい。

スーパームーンとなる満月とペリジ点が一致する位置関係は1年におよそ1回はあることになるようだが月の楕円軌道の形そのものが8.8年周期で回転しているため細かくは1年と48日で次のスーパームーン状態が出現するとされる。2013年は6月13日、2012年は5月6日、2011年は3月19日だった、今年は8月10日(10日夜から11日早朝)で来年は9月28日ということになる。

現実には満月の時の近づき方がペリジ点に満月が来た時の近づき方の90%まではスーパームーンと称することになっていることから、前後1月くらいはスーパームーンと呼べることが多く、今年であれば7月12日と9月9日の満月もスーパームーンとなっている。

2011年のスーパームーンは東日本大震災の引き金となったとの説がネットを巡っているが、本当のところはどうなんだろうか。今回も青森沖でマグニチュード6.1の地震が起こっていて確かに起こりやすくなる要素の一つではあるような気もしている。

スーパームーンという言い方はほんの30年前にはじまったという。こんなことは太古の昔から繰り返しおこっていたはずだが、日本の古典にも月の見かけの大きさが変わるとした表現を見たことがない。月の大きさが変わるなどとはおよそ考えられなかったのだろう。

しかし不気味に大きな月を感じる時は何度かあった。多分心理的に大きく見えているのだろうと思っていた。

物理的に本当に大きく見えるとなるともっとほかにもそんなことがあるのではないかと思ってしまう。

時々、時間の進みがやけに遅く感じる時がある。心理的なものと思っているがもしかしたら時間が局所的に伸び縮みしているのかもしれない、本当にそんなことが起こっているのではないか、そう思うと面白い。

人の感じることは大体が現実そのものである、そうなのだろう。

暇つぶしのように考えをめぐらしていると時はすぐに過ぎていく、もう8月も半ばだ。

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