JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Oct. 2017

Back number


■ おばちゃんカメラマンが行く @東雲湖   事務局

紅葉真っ只中であろう東雲湖に再度訪れた。

前回は6年前の夏だったので、秋はさぞかし美しいだろうと想像しながら歩く。

然別湖のヘリをぐるりと回り東雲湖に到着するのだが、気分的には前にもまして単調で、未整備の道をひたすら1時間半ほど歩く。

途中キツネやヤマゲラ風の鳥にも出会うことができ、少しずつ気分は上がるのだが、なんせ遠い。

東雲湖についたころには昼を周り空腹と冷たい風でテンション下がりまくりだ。

昨年の台風のせいか倒木が多いことと自分が年取ったこと以外は、岩の位置や鳥の鳴き声や木のざわめきなどは6年前とほとんど変わらない。

静かで時間が止まった感じがする。ここの紅葉は、ほとんどがカバ系の黄葉だ。赤や黄色のお祭りのような紅葉とは違い、場所柄か神秘的な気がする。

ここでもう一つの目的のナキウサギに再会したいところだが、鳴き声は時々聞こえるのだが、姿は見えない。

前回は、あきらめかけたところでひょっこり出てきたので、期待はしていたのだが、さっぱりだめで、結局4時過ぎまで目や耳を凝らしながらナキウサギとの再会を待っていたのだが、どうもだめらしい。

・・・・とやっぱりこのパターンで最後の最後、出てきてくれました。ほんの一瞬。

お義理で出てきてくれたのか目が合うと一瞬固まって、きびすを返して穴に潜り込んでしまった。

カメラを構えていたのだが、わずかに残っていた反射神経を使い果たしても、シャッターは一回しかきれなかった。

確認してみると、なんじゃこれ?トホホのピンボケ。普通の人なら消去するのだが、ここはおばさん、トータルで8時間かけてやっと撮れた、可愛かっただろうナキウサギの雰囲気を消去する気にはなれず、未練たっぷりに温存している。

釣り人が逃した魚は大きいと言っているが、その気持ちが今回はよーくわかった。

今回

 

前回

 

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