JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Oct. 2017

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■ 防水カメラに縁がない 田中康平

夏場になると1回は南の島に遊びに行く。海で遊ぶというとまずはシュノ—ケリングということになる。もう10数年位前になるがハワイに初めて遊びに行ってハナウマベイでシュノーケリングをしたのがとても楽で面白かったのに味をしめて毎年夏になるとどこか海へ出かけたくなる。

水中で魚を見ていると何とか写真に撮れないかと思う。勿論水族館で似たような写真は取れるのだがそれでは面白くない。数年前水中撮影可能というカメラを買ってはみたものの魚を狙って写すのはなかなか難しい。水中で数枚写したところで陸でカメラをコンクリートに落としてしまいカバーガラスが割れてとても水中では使えなくしてしまった。

普通のカメラとしては使えるのでカバーガラスの破片を取り除いて使っていたがやはり悔しくてカバーガラスの代わりにアクリル板をカットして耐水の接着剤で貼り付け固めてヨット等で使っていた。一応水を浴びても問題なく使えていて多分水中でも使えそうだった。

去年は渡嘉敷島に行こうとしたが台風で行けず沖縄本島内で軽く水浴びした位に終わった、今年は小笠原に行くということになってやっと水中写真が撮れるかなと思っていた。小笠原での当日イルカと泳ぐドルフィンスイムに持参して水中に入れてみるがうまくシャッターが切れない、船に上がって調べるとバッテリーのところに水が入っている、とても使い物にならない、カメラ自体が完全に壊れてしまった。後で取扱説明書を読み直してみると、購入後1年以上経つと防水が全体に劣化するような書き方をしてある。そもそもがその位のものだったんだ、と諦めるほかない。水中写真にはどうも相性が悪いのかもしれない。

ドルフィンスイムのその後は海中のイルカを潜って目で見るだけだったが、イルカにそばを追い抜かれたり群れになって自分の下を泳いでいるのを見たり、潜りの上手い人がイルカに巧みに絡む有様を水中で見たりするのが圧倒的に面白い。船の上からのイルカウォッチとは比較にならない。

いまや来年の夏までには何とか水中写真の撮れる仕掛けを用意しなくてはと思っている。何でも便利になる世界だから数年もすれば今より数倍も楽に当たり前に水中写真なぞ出来るようになるだろう。スマホが流行りだしたあたりからは便利さの進化の速度に大いに期待が出来るようになってきたように思う。

しかしそもそもボケる前にどこまで泳いだり遊んだり出来るのだろうか、結局はそれが問題のような気がしている。

写真は順に ハワイ・ハナウマベイ、ハワイの水族館にて(こんな風に水中で撮りたい)、西表島の海にて(魚が撮れてない)、修理してもやっぱり壊れたカメラ、イルカの群れ(船上より)

    

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