JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Aug. 2019

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■ 若鳥が面白い季節  田中康平

もう20年位野鳥を見ることが楽しみの一つとなっているが、勉強不足で未だに学ぶことが多い。今は若鳥のしぐさを学んでいる。

5月は鳥のさえずりが賑やかで山に鳥があふれるが6月を過ぎるとめっきり静かになって鳥の姿もやや目につきにくくなる。

この福岡の地は南から渡ってくる野鳥の通過地点になっているだけに通り過ぎてしまうと静かになってしまうのはしょうがない。

ここに居付く鳥も静かになるのはペアリングがうまくいって子育ての季節となるためだ。こちらはしばらくして雛が飛べるようになると鳥の数が一気に増えてにぎやかになる。

それが今のシーズンだ。スズメやカラスやムクドリなどが中心で珍しい鳥でもないので洒落たバードウオッチングにはならないが若鳥のしぐさが一々面白い。

若鳥の判別は鳥によって違うが、例えばスズメは「くちばしの黄色いのが・・」のいいぐさどおり、くちばしの根元に黄色いところが残り体の模様もすこしぼやけたところがあって慣れればすぐわかる。

しぐさも如何にも世慣れしていなくて無駄と思われる遊びをする。例えば細い草にのってぶらぶらして遊んだり砂浴びも覚えると嬉々としてやっている。

ムクドリの若鳥も似たように色がやや薄く体の模様がはっきりしないところがあって若鳥と分かるが、それより動きに無駄が多くもたもたしているところがあってそれとわかる。

むくつけきムクドリもそんな仕草をする若鳥を見つけるとかわいい。

カラスも面白い。ハシブトガラスの幼鳥はオデコが出ていなくて小さめのハシボソガラスのようだけれども近くに親らしいハシブトガラスがいたりするので若鳥と解る。

こちらもやみくもにガアガア鳴いたり動きがぎこちなくて若鳥とすぐわかる。カラスは親が面倒みているような光景に遭遇するのも面白い。

バンは年に何回か雛を孵すが若鳥がうまく育つ確率は低いように見える。近くの池では一つのつがいからもう10羽近く今年雛が生まれたがすぐに見えなくなってしまった。

外敵にやられているようだ、猫かもしれないしカラスかもしれない或いは亀かもしれない。若鳥料理というのがあるくらいだから、それぞれの生き物にとって雛はごちそうに見えることは間違いない。

バンにはちょっときついようだが他の鳥は都会の中で野生のサイクルがとにかく回しえていて、珍しい鳥を探さなくとも普通にいる鳥がこの季節十分面白い。都会の自然が面白い。

もう立秋だ。

(写真は順に 1.草に乗って遊ぶスズメ若鳥 2.砂浴びするスズメ若鳥、3.幼さが目立つスズメ若鳥、4.ムクドリ若鳥、5.ガアガアと騒ぎたがるハシブトガラス若鳥、6.バン親子)

      

 

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