JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Oct. 2022


■ 糸島に流れる時間と野鳥  田中康平

コロナもあっていつもは近くの溜池2-3を巡って野鳥を見たりしているが、時々少し出かけて鳥を見たりもする。3か月くらい前になるが福岡市西区今宿(糸島地方にもなる)の八雲神社にアオバヅクが渡ってきているという情報があって出かけてみた。初夏に東南アジアより渡ってきて産卵子育てをしてまた南に帰っていくフクロウの仲間の鳥だ。大抵は古い神社のクスノキなどの巨木にできる木の穴(うろ、洞))を巣穴として利用し、一旦わたって来始めると代々渡るようになるといわれている。野鳥の子育ては繁殖情報なのであまりおおっぴらに場所が紹介されないがここはテレビでも時折紹介されており子育てが終わって南に帰った今の時期には紹介してもいいかなと思っている。
八雲神社というのはそう大きくはない神社で糸島地方の怡土と志摩の境目あたりにあり、この辺りの青木、上の原地区の産土神であったとされる。説明版に元和2年(1616年)焼失後再建とあるがそれより相当古くから存在し続けていたものと思われる。境内には樹高19m幹回り5mの大きなクスノキがありここに毎年アオバズクが渡ってくるようだ。
訪れると3羽のヒナと2羽の親鳥がクスノキの枝にとまってこちらを見ている。糸島に流れる古くからの人と野生が共存してきた時間が今に引き継がれているその現場を見るようで、心安らぐものがあった。

写真は順に1-4:八雲神社社殿・境内、5-6:拝殿内の絵馬、7-8:説明版、9-11:アオバズク(おなかの羽がぼさぼさのがヒナ)
            




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