JAPAN GEOGRAPHIC

Monthly Web Magazine Dec. 2022


■おばちゃんカメラマンが行く 湯島@上天草   事務局

早いもので今年も師走。年をとるにつれて一年が短く感じるようだ。
感動や驚きも鈍くなったのか薄まって来たように思う。そんな中、今年のベストは大雪山黒岳か下北半島の恐山かな?  コロナにも負けずこの3年よく撮影に出かけたものだ。

今回のシメは九州。上天草市江樋戸港から船で30分の離島、湯島に向かった。
「住民300人猫200匹」で有名になった猫の島だ。
猫離島はたくさんあるが、どの島も過疎化が進み、住民より猫の数が増えたり、人手が足りず衛生状態が悪かったり、経済的にも苦しく、ごはん代も大変なようだ。
この島も例外ではなく猫問題が山積しており、猫は一時100匹ぐらいまで減ったという。
しかし、この湯島は他の島と少し違ってとてもホッコリしていて、再訪したいと思わせてくれるのだ。住んでいる方も、猫を観に来るお金を落とさない観光客に対して、邪魔扱いせず、とてもウェルカムなのだ。
6匹の猫を養っている住民のお爺ちゃんは、餌代が高くなって年金生活者にはこたえるね、とあっけらかんと話しながら、大量のキャットフードを惜しみなく与えていた。
街おこし協力隊が入って時々猫ちゃんの管理や指導をしているようだが、とても自然に猫たちが溶け込んでいる。各々の家で猫を間接的に飼っているようなもので、いろんな家からチョロチョロ猫たちが出入りしている。一応縄張なのか、寝る時は自分のねぐらがあるらしい。猫小屋、食事場、トイレまで各所に完備している。他の島の廃墟に住んでいる地域猫よりも住民と共生しているようだ。

この島の猫たちはとにかく人懐っこい。撮影しようと思っても足元に寄って来てすりすりするので、撮影どころではなくついつい一緒に遊んでしまう。カワイイの一言に尽きる。
島で昼ごはんでも食べようかと思ったが予約のみ。商売気が無いのもこの島の雰囲気に繋がっているのかもしれない。
言っちゃいけないと言いながら、今日は某有名猫写真家が来ていたと教えてくれる人が数人いた。同時間に島にいたのにニアミスしたらしい。
無人販売所的なところに島名物の大根とカスミ草が置いてあった。つくづく良い島だな〜と癒される。
ありがとう。いつまでも優しい住民と猫達が幸せに暮らしてほしいと心から思った。

■今月のにゃんこ 

湯島のネコ小屋

 

生活と一体化しているネコ

  

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