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大阪府大阪市中央区 大丸心斎橋店本館
(Daimaru Shinsaibashi Department Store, Chuo-ku, Osaka City, Osaka Pref. )

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Jan 2016 中山辰夫

大丸 心斎橋本館
大阪市中央区心斎橋筋1−7−1

撮影 Oct.4,2015

日本を代表する老舗百貨店である大丸の心斎橋本店。心斎橋筋側は1922(大正11)年に、御堂筋側は1933(昭和8)年に建てられた鉄筋コンクリート造7階建である。(後に8階 増築) 施工:竹中工務店
外観
    
ヴォーリズによる百貨店建築の名作とされ、商都大阪を象徴する存在である。心斎橋側は格式を感じさせるデザイン、御堂筋側は当時流行のアールデコの要素を取り入れており、アラベスク文様のモザイクが縦横に見られ、イソップ物語を基にした装飾が施されており華やかである。

1717(享保2)年に京都・伏見に創業した大丸が、現在の心斎橋本館の場所に店舗を開いた時期は1726( )に遡る。
木造建築の店舗から鉄筋コンクリート造の大店舗への転換が発展を物語る。
その経緯を見守ってきた・・・
   

館内における細部意匠は訪れる人々を夢心地にした。何度も訪れたくなる空間のドラマが人を魅了し続けてきた。
その心斎橋本館が、2015(平成27)年12月30日を終りとして建替え工事に入ることになった。惜しむ人々の声を尊重して御堂筋側の外壁を残す計画で、2019(平成31)年再開予定で工事が進められる。

ここでは最終日に公開された素晴らしい内部装飾を除き、御堂筋側のネオ・ゴシック様式とアールデコ様式を取り入れた重厚な外装のみを並べる。
細部の写し漏れはお許し願う。

本館正面附近(1階部から順に上階部に移る)
正面玄関口部
   

玄関ドアー付近の意匠
      
大丸ノマークの横にはウサギとカメ―滋賀の旧豊郷小学校の階段の手すりにもウサギとカメが置かれていた。

その上部
          
幾何学模様のオンパレード

その上部
    
心斎橋筋のアーチにすっぽり納められたピーコックに呼応して、御堂筋側入り口上部に止まり木にとまる六羽のピーコックがデザインされ、鷹もレリーフされている。

屋上まで
  
外壁は下から白色、茶色、白色の3層になっている。1階部分の外装は花崗岩、最上階はテラコッタ、大正当時の雰囲気を漂わせるレリーフで彩られている。中層階に使われる茶色のスクラッチタイルは建物全体に重厚感を与えており、上下の白とのコントラストが外観を引き締めている。

南側のレリーフ
                  

北側のレリーフ
        
水晶塔と称される塔屋 ライトアップ時に映える姿が素晴らしい。
             

建直し後のイメージ
  
生まれ変わった姿を見るのが待ち遠しい。


December 6, 2015 野崎順次 movie


大阪府大阪市中央区心斎橋筋1−7
大丸心斎橋店本館


大丸の再起をかけ、耐火耐震の鉄筋コンクリートで再建されたものが現在の建物。第1期が竣工した1922年から1933年まで10年以上かけて、4期に分けて建てられた。まず心斎橋筋側から南半分、北半分と順番に建てた時点で一度オープンしたが、拡幅されつつあった御堂筋に面して西側ブロックの増築が続けて計画され、御堂筋側の南半分、そして残りの北半分を1933年に完成させた。大丸全館が完成した年には地下鉄御堂筋線の梅田〜心斎橋間が開通、建築家・武田五一によってデザインされた華麗なゼツェッション様式の駅舎と百貨店が地下で結ばれた。ちなみに、大丸の構造設計は通天閣を設計した、内藤多仲が担当している。
 全体に落ち着いた印象のクラシックな心斎橋筋側と、ネオ・ゴシック様式に基づくアール・デコ調の華麗な御堂筋側のコントラストが面白いが、全体を統一する3層構成と、中間階のシックなスクラッチタイルのおかげで、それほど違和感は感じない。心斎橋筋側の正面玄関アーチには、テラコッタでつくられた大丸のシンボルであるピーコック(孔雀)が飾られているが、当初の設計では旧館焼失からの再起を象徴してフェニックス(不死鳥)を指示していたのに、なぜかニューヨークのメーカーが勝手にピーコックにして送ってきたという逸話が残っている。御堂筋側の幾何学的なパターンを幾重にも重ねた装飾は通りを行く人の目を楽しませる。特に雪の結晶のような正面玄関廻りのデザインは圧巻だ。日本を代表するアール・デコ建築といっていいだろう。
 商業建築の常として、内部空間は大きく改変されてしまっているが、それでもオリジナルの華麗な装飾を残す部分は多い。特に1階のEVホールとその周辺、階段廻りは息を呑むほどの美しさだ。買い物に訪れた人は商品にばかり目を取られていないで、是非天井を見上げてみてほしい。天井の高い1階にはメザニンと呼ばれる中2階が設けられ、現在はカフェになっていて優雅なときを楽しむことができるが、かつてはここでオーケストラが生演奏を披露していたという。2階のEVホールは1階と全くデザインが異なり、マシンエイジのニューヨークそのままの、インジケーターや照明を見ることができる。掛け値なしにかっこいい。
(大阪名所図解ウェブサイト「大丸心斎橋本館」より)

近代日本の経済を牽引(けんいん)していた往時の大阪をしのばせる建物が岐路に立っている。築100年前後で老朽化し、耐震性の確保が課題になっているのだ。昭和8(1933)年完成の大丸心斎橋店本館(大阪市中央区)も例外ではなく、建て替えが決まった。御堂筋側の外観は保存されるが、価値が高いとされるレリーフやステンドグラスなどの内装がどこまで残るのか、今後の建物保存や利活用の試金石になりそうだ。(牛島要平)
(産経WEST 2015.10.27. 05:00より)

建物外部、御堂筋側

                        

御堂筋側正面玄関回り

                          

南側

         

北側

  

心斎橋筋側正面玄関アーチ

                           

屋上。昭和20年(1945)の戦火で5階以上は焼失し、戦後に修復復旧されている。従って、屋上はヴォーリズ作品とは言えないだろうが、コリドール(回廊)などはなかなか良い雰囲気である。

         

7階催場 大丸回顧展

                    

参考資料
2014年5月20日付け日本建築学会「大丸心斎橋店本館についての見解」



June 2010 撮影 柴田由紀江


大阪市中央区心斎橋筋1-7-1
竣工:昭和8年(1933年)
設計:ヴォーリス建築事務所
施工:竹中工務店
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造8階建て、地下2階

この大丸百貨店本館は大正14年に心斎橋筋側が完成し、 御堂筋側は地下鉄の開通に合わせて昭和8年に増築されました。
昭和20年の空襲により5階より上を焼失しましたが、竣工当時の意匠を尊重し復元されました
                            


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