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大阪府大阪市中央区 御堂筋

Midosuji Street, Chuo-ku, Osaka City, Osaka Pref.

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大阪一の目ぬき通りに彫刻が並ぶ
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世界的にも一級品の彫刻群
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御堂筋に面してお洒落なレストランがいくつか


February 4, 2017  野崎順次  source movie

大阪府大阪市中央区御堂筋彫刻ストリート

(Sculptures on Midosuji Street, Chuo-ku, Osaka City, Osaka Pref.)

以下の説明は大阪市ウェブサイトよりの抜粋引用である。現在、淀屋橋、心斎橋間の御堂筋東側歩道に15作品、西側歩道に14作品が設置されている。東側は北から南へ、続いて西側を南から北へ撮影した。

大阪市では、大阪のメインストリートである御堂筋を市民や国内外からの来訪者に親しまれるアメニティ豊かな芸術文化軸としていくために、沿道企業等からの基部により、世界的にも一級品である彫刻を設置していく「御堂筋彫刻ストリート」の整備を進めています。

東−1. 「みどりのリズム」清水多嘉示

手を組んでダンスをする2人の少女の一瞬のポーズを捉えている。往々にしてダイナミックになりすぎそうな題材を、清水多嘉示は、感情を抑え、厳格な構成による構築的手法で、軽快なリズムに満ちた彫刻に仕上げてみせた。それまでの近代日本彫刻が重要視しなかった構築的彫刻の代表作としても高く評価されている。

        

東−2. 「休息する女流彫刻家」アントワーヌ・ブールデル

アントワーヌ・ブールデルは、力強く男性的なモニュメント性の強い作風で知られるが、この作品のような叙情あふれる女性像も数多く手がけている。モデルは、当時の彼の助手で、後に妻となったクレオパトールであり、彼の彼女に対する暖かな視線が作品のいたる所から感じとれる。

      

東−3. 「座る婦人像」エミリオ・グレコ

エミリオ・グレコは、現代イタリア具象彫刻界の代表的な巨匠である。作品の形態上の特徴は、独特のポーズにある。この作品は彼の主要なテーマである「座せる像」シリーズ中の1点であるが、一見不自然とも思われるポーズをとることによって、緊張感と生命力を与えることに成功している。

          

東−4. 「姉妹」中村晋也

中村晋也は、このような古典的様式の女性像を得意とする作家である。すぐ後ろにいる妹に優しい視線を投げかける姉と、姉に頼るように身を寄せる妹。身体のバランスも肉付きも酷似した2人の裸婦が寄り添い、親密で暖かな雰囲気を醸し出す。姉妹の心の絆の強さが伝わってくるような作品である。

       

東−5. 「みちのく」高村光太郎

高村光太郎の晩年の代表作である。十和田湖の自然の偉大さ、深遠さを表現した彫刻であるとともに、彼の心の中に生きていた妻・智恵子の残像を具現した裸婦像でもある。2人の女性からなるこの作品は、よく見ると全く同一の裸婦像を向い合せに置くという極めて異例の構成となっている。

            

東−6. 「陽光(ひかり)の中で」佐藤敬助

人は心満たされるとき、豊かな暖かさを醸し出すと同時に、私たちに安らぎを与えてくれるという佐藤敬助の思いが表現された作品である。

           

東−7. 「ジル」朝倉響子

日本に数少ない第一線で活躍する女性彫刻家である朝倉響子がつくりあげる、日常生活の中のワンシーンを見るかのような現代的で都会的に洗練された女性像である。この作品は、朝倉芸術の大きな魅力である、今日に生きる女性のあるがままの姿が美しく、かつ格調高く表現されている、ファッショナブルでエレガントな女性像である。

                

東−8. 「火の王No.1」フィリップ・キング

フィリップ・キングは、イギリス現代彫刻の代表的作家の1人である。彼の作品の大きな特徴は、まるで舞台劇のような雄弁で激情的な動きと構成にある。この作品でも、彼の持ち味が十分に発揮されている。量感のある幾何学的立体の使用、荒削りな材質感が、「火」という主題を明確にし、作品により一層の力強さと緊張感を与えている。

          

東−9. 「若い女」桜井祐一

はつらつとした、若く健康的な肢体から、初々しさとほのかな色香が感じられる。Tシャツをお腹のあたりで持っているポーズがユニークで、オーソドックスなモチーフが魅力的なものになっている。桜井祐一の長年にわたる美への探究心が帰結した作品である。

          

東−10. 「腕を上げる大きな女」アントワーヌ・ブールデル

丸太のような太い腕、球形に近い小さな頭部、円筒形のしっかりした首、そしてギリシャ式の壷形の堂々たる体躯、それらが絶妙のバランスの中で一体となって、この作品を構成する。腕を頭の上で組む以外は、身体にほとんど動きはない。アントワーヌ・ブールデルにはめずらしい静的なポーズが、この女性像に更なる生命感を与えている。

        

東−11. 「渚」淀井敏夫

淀井敏夫は、昭和の具象彫刻界の大家の1人である。彼には、動物をモチーフにした作が多く、それらは、まるでジャコメッティ彫刻のような繊細な構成によって、生き物の命のはかなさを感じさせる。この作品は、海辺の椅子でくつろぐ若い女性の姿を表したものであるが、彼ならではの叙情が漂っている。

        

東−12. 「道東の四季‐春」舟越保武

北海道釧路市にある弊舞橋に設置されている4作家競作による「道東の四季」のうちの1点「春」のエスキースである。実際に釧路に設置されている像は薄衣をまとっているが、この作品は、裸体である。舟越保武は、清楚で優美な女性像を得意としており、無理のない自然体で立つ純潔な乙女の姿は、いかにも「春」というテーマにふさわしい。

             

東−13. 「ブレンタのヴィーナス」フランチェスコ・メッシーナ

1947年の「アリーチェ」を基に、1987年に再制作された作品である。北イタリアを流れるブレンタ川で遊ぶ少女の姿をヴィーナスに見立てている。この作品がもつ平和で気負いのない雰囲気は、あまりに技量が目立ち、怖いほどの緊張感に満ちた1940年前後のフランチェスコ・メッシーナの作品には見られなかったものであり、老境の味わい深い作品である。

         

旧大谷仏教会館外壁の一部

       

松尾芭蕉終焉の地の碑

   

東−14. 「ヴェールを持つヴィーナス」オーギュスト・ルノワール

印象派の巨匠オーギュスト・ルノワールの豊満な裸婦を描いた晩年の絵画からそのまま抜け出してきたような作品である。1912年に疾病してからは、絵筆を持つのも不自由となり、彼のデッサンを忠実に三次元に置換えたリシャール・ギノーの協力を得て、以前にも増して積極的に彫刻に取組むようになった。この作品は、その時期の制作である。

           

東−15. 「少年と少女」リン・チャドウィック

鋭い線と面で構成された個性的で大胆なフォルム。足らしきものの存在から、かろうじて人物と判る。荒削りの仕上げが、少年と少女の素朴で純真な印象を表現しているかのようだ。具象でも抽象でもあるユニークな造作が、リン・チャドウィックの特徴であり、現代彫刻界でも特異かつ重要な存在である。

         

西側の歩道へ

西−14. 「布」佐藤忠良

さりげない仕草でスッと立つ裸婦。左手に持った布が絶妙のアクセントになっている。この作品は、佐藤忠良の比較的最近のものであるが、彼の到達した円熟したスタイルがよく表れたた秀作である。動きも肉付けも極端に抑制され作品には、静かで確かな存在感と豊かな詩情が漂い、見る者にさわやかな印象を与える。

          

ここらの街並み

        

西−13. 「二つに分断された人体」ヘンリー・ムーア

イギリスが誇る巨匠ヘンリー・ムーアは、20世紀を代表する彫刻家の1人である。彼の作品を抽象と呼ぶか具象と見るかはさておき、彼が執拗にこだわり続けた主題が、「横たわる人体」を始めとする具体的なものであったのは確かである。この作品も、一連の人体像の1つであり、単純化された凸面と凹面の構成によって格調高いハーモニーを奏でている。

               

西−12. 「髪をとく娘」バルタサール・ロボ

太い縄のような豊かな髪、豊満な肉体が目をひく大胆な作品であり、原始彫刻とキュビスムが融合して発展したものである。空を見上げてゆったりと髪をとく姿は、穏やかで温かな印象を受け、バルタサール・ロボの理想である女性の豊満で優美な部分が象徴化されている。

           

西−11. 「アコーディオン弾き」オシップ・ザツキン

オシップ・ザツキンは、ロシア出身で主にフランスで活躍したキュビスムの彫刻家であり、アフリカなどの土着美術に影響を受けた。この作品は、1924年に制作された同名の彫刻を1962年にリメイクしたものであり、自己の造形を生み出そうとして模索していた時期の前作に対し、穏やかで物静かな雰囲気を漂わせている。

         

街並み

    

西−10. 「レイ」佐藤忠良

佐藤忠良は、現代女性の身体の線やプロポーションの美しさを自然なポーズの中に漂わせた作品で知られ、わが国具象彫刻界の代表的な作家である。この作品も、「モデルの素朴で健康な姿態にひかれ、この身体にことさらの演技的ポーズをさせずに彫刻してみたかった」と彼自身が語るように、人間の自然な身体をみずみずしく表現している。

                 

西−9. 「女のトルソ」オシップ・ザツキン

力強く簡潔な線とヴォリューム感。この「女のトルソ」は、平面の集まりとして再構築されたキュビスムの特徴を示しつつも、厳格なフォルムから解放された自由な表現がみられる。抽象と人間の内面表現を融合させたザツキンの特色がよく現れた、彼の最盛期の作品である。

          

西−8. 「踊り子」フェルナンド・ボテロ

モナ・リザも、アダムとイヴも、精悍な騎士も、フェルナンド・ボテロが描くと、太っちょのまんまるに変身してしまう。戦後の具象画家の中でも彼ほど際立ったスタイルをもつ美術家は珍しい。この作品は、他の彫刻家の裸婦像よりも肉付きがよく、ユーモラスで温かい。まさに彼の絵画の延長線上の造形である。

           

西−7. 「イヴ」オーギュスト・ロダン

オーギュスト・ロダンは、「考える人」「カレーの市民」「バルザック」「地獄の門」などの彫刻で知られる近代彫刻の父である。この作品は、彼の最も充実した創作活動時期のもので、その身をよじるポーズといい、量感ある肉付けといい、いかにも彼らしい骨太で存在感のある力作である。

             

西−6. 「大空に」桑原巨守

流れるような体の動きが美しく、見る者の視線は、自然に空へと向けられる。高く上げた少女の手には、今にも飛び立ちそうな鳩がいて、その手の先に希望が見えるようである。

         

西−5. 「啓示」日高正法

この作品は、天から落ちてくる「神の声」と、それを受けとめる人間を表現しており、作品では、直線と曲線、鋭角と穏やかなカーブ、天を指す手と地に向かう紡錘形の物体、密と粗など、背反する要素の組合せによって、人間を超える不可視な存在を暗喩し、「神の啓示」という宗教的なテーマを見事に具現している。

               

西—4. 「ヘクテルとアンドロマケ」ジョルジオ・デ・キリコ

ジョルジオ・デ・キリコは、形而上絵画の創始者で、後のシュールレアリスム運動にも大きな影響を与えた。彼の作品を貫くのは、卵型の頭、紡錘形の脚、螺旋になった腕をもった人体である。この作品も、そのような彼のスタイルが表れた作品であり、主題であるギリシャ神話も、ギリシャに生れ育った彼が得意とした題材である。

          

街並み

   

西−3. 「水浴者」マルチェルロ・マスケリーニ

すらりと伸びた脚、布の線の動きによって暗示される両腕、はちきれそうな胸、愛くるしい顔。水浴を終え、水から上がったばかりの少女の一瞬のすがすがしい姿態が見事にとらえられている。作品の骨格が基礎的な立体で構成されているにも係らず、具象的な印象を与えるのは、マルチェルロ・マスケリーニのロマンティストとしての資質ゆえであろう。

         

西−2.「ボジョレーの娘」富永直樹

ワインで有名なボジョレー地方の若い女性を、頭にブドウを載せたさっそうとした姿で表現している。この作品は、華やかで親しみやすい作風で知られた富永直樹の特色のよく表れた晩年の小品である。

            

西−1. 「ダンサー」ヴェナンツォ・クロチェッティ

胸の前で腕を組み、静かにたたずむ若い踊り子。うっすらと微笑を浮かべた口もと、横を向いて何かを見つめる優しい眼差し、細く伸びた足。この作品には、叙情がみずみずしく漂っている。ヴェナンツォ・クロチェッティは、現代イタリアを代表する具象彫刻の大家であり、「踊り子」シリーズは、彼が長年にわたって制作し続けるテーマでもある。

             

御堂筋中之島あたり

         

 

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