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埼玉県春日部市 倉松落大口逆除(くらまつおとしおおぐちさかよけ・通称:めがね橋)
Kuramatsu Otoshi Oguchi Sakayoke,Kauskabe city ,Saitama

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Feb,2015 柚原君子

所在地:八丁目709番地2
土木学会選奨 土木遺産:平成17(2005)年
近代化産業遺産:平成19(2007)年度 経済産業省
春日部市指定有形文化財

東武伊勢崎線の春日部駅東口から、途中春日部宿の面影のあるとおりを通り過ぎて、直線で徒歩15分ほど歩くと八丁目の交差点に出ます。「八丁目」は地名です。その先の信号を右折してさらに7分ほど歩いて行くと幸松川にかかる煉瓦色の橋が見えてきます。4連のアーチを持つレンガ造りの樋門(ひもん)です。もとは「倉松落大口逆除(くらまつおとしおおぐちさかよけ)」といいましたが、現在は「めがね橋」という名称になっています。
明治24(1891)年6月に建設。当初は、大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)からの幸手領(さってりょう)悪水路(あくすいろ)倉松落への逆流を防止するため、樋門としての機能を有していましたが、倉松落が昭和8〜15年(1933年〜1940年)の付替えにより中川へ落とされるようになると樋門(治水のためのもの。用水の取水や内水の排除を目的とする)の役割を終え、「めがね橋」の名称として道路橋として利用されています。
使用煉瓦は約9万個。面壁や翼壁などの壁構造はイギリス積み(注1)。橋の規模は、長さ(川幅)約10メートル、幅(川流方向の長さ)約5メートル、アーチ径約1.9メートル、翼壁(よくへき)(下流部のみ残存)3.5メートル。欄干など上部は改変されていますが、下部構造は建設時のままだそうです。左岸の壁面(翼壁)の上部はレンガの角の部分をのこぎり状に装飾した「角出し(かくだし)」と呼ばれる装飾が施されていますが、きれいに残っています。建設の経緯を記す石碑「倉松落大口逆除之碑」も橋の袂に残されています。全体に保存状態がよく貴重な近代化遺産・土木遺産です。交通量が多く通行中の橋が煉瓦造りの歴史的なものであることはあまり解りません。反対側からものぞいて見ましたが、とてもきれいな形で、水はきれいとはいえませんがくっきりとした陰影が歴史を感じさせてくれます。4連がきれいに撮れる場所は金網塀が高くあってかぎも掛けられていて入れません。しばし思案。川の袂の個人のお宅の脇から側道(らしきもの)に入り込めるかもしれません。このお宅の好意なのでしょうか、川に通じる鉄の通用門がそっと開けてありましたので、橋に近づいて撮影することが出来ました。
注1
煉瓦のイギリス積み……煉瓦の長手の段と小口の段と一段ごと交互に積む。煉瓦のフランス積み……同じ段に長手の煉瓦と小口の煉瓦を並べる積み方。小口積み(ドイツ積み)……煉瓦の小口のみをジグザグに積む(東京駅など)。アメリカ積み……長手積み4〜5段に小口積みを一段入れる。長手積み……煉瓦の長手のみをジグザグに積む。

 

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