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滋賀県愛荘町 旧田中住宅(近江商人亭)
Kyu Tanaka residence(Omi shonintei),Aisho town,Shiga

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Jan.2011 撮影/文:中山辰夫

愛荘町中宿字通町46-1他
中山道に面して建つ。竹中楼にも近い。
旧田中家住宅(近江商人亭)は、近江鉄道愛知川駅の南東約300mに位置し、旧中山道に面する西側に奥行きの深い敷地に建っている。
現在は、平成6年に開業した料亭、「近江商人亭」として活用されているが、昔は、麻織物商を営んでいた田中家の別邸であった。
明治25年(1892)に建てられていた南土蔵を再利用しながら、大正8年(1919)に主屋を新築し、続いて茶室、北蔵、大広間を建設、庭園を整備し、現在の屋敷構えが完成したとされる。建屋は全て国登録文化財である。

近江商人といえば全国的にその名を知られた存在であり、豪商を数多く輩出したことで有名である。
代表的な近江商人としては、八幡商人、高島商人、日野商人、湖東商人があるが、これらの多くは江戸時代に発展したのに対し、愛知川の商人は明治以降の「近代」にピークを迎えた。
愛知川の豪商の一人として田中家の「田源」がある。
初代・田中源治(1791-1864)は、現在の秦荘(はたしょう)町の生まれで、愛知川に移住したのち、蚊帳の行商を行い、京都、江戸へと商いを広げた。
続く2代目(源蔵、1821-1892)の時代に、東京日本橋に店を構えるようになり、本宅を愛知川、本店は京都、支店を東京に持つことになった。
「田源」はその後、3代目(竹次郎、1860-1918)の時代に、東京方面を中心に売上を伸ばして今なお発展を続けている。

主屋


国登録文化財
建築:大正8年(1919)頃
構造:木造2階一部平屋建、瓦葺、建築面積181u
敷地中央に西面して建つ。切妻造桟瓦葺で南面に下屋庇を設ける。木造2階建一部平屋建、上・下階とも田の字型に座敷を配する。
下階では南側を玄関とし、北側の座敷部は差物で柱を固める。また東・西面に縁を付け、庭側を開放的とするなど、上質なつくりの住宅。

茶室

国登録文化財
主屋西北に雁行形に配し、西面を北土蔵と接続。桁行5.8m梁間6.0mの平屋建、入母屋造桟瓦葺。東妻を庭側に見せ、落縁をつけて落ち着いた佇まいとする。内部は八畳間の北面を3分し、丸竹や松の落掛など多彩な銘木を用いて、トコまわりの意匠を凝らす。

大広間

国登録文化財
主屋の東方に、庭を挟んで建つ。木造平屋建、入母屋造桟瓦葺で、東・北・西面に下屋庇をまわし、南面に入母屋造の突出部を付ける。十畳座敷2室の三方に縁をまわし、周囲にガラス戸を建て、庭と一体的な空間をもつ。内部も良材を用いて丁寧なつくりとする。

北土蔵

国登録有形文化財
建築:大正8年(1919)頃
構造:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積27u、1棟

解説:
敷地の北隅、茶室の西面に接続する。桁行6.1m梁間4.4m、土蔵造2階建、切妻造桟瓦葺。外壁は漆喰仕上げで、腰の水切り下を竪板張とし、屋根は置屋根形式である。鉢巻に特徴的な欠眉をつけるなど、屋敷の西北隅にあって歴史的な街路景観を形成する。

南土蔵

主屋と大広間を繋ぐ廊下の南に接する蔵。桁行8.1m梁間4.7m、土蔵造2階建、切妻造妻入桟瓦葺。西面の出入口は漆喰塗の扉枠に植物紋の渦や家紋の「一升」を象り、東面妻壁では丸窓の上に唐破風状の漆喰塗庇を付けるなど、技巧的な左官仕事が特徴。

追加

参考資料《」文化遺産オンライン、、愛知川町の歴史、ほか》





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