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滋賀県高島市 鴨稲荷古墳 

Kamoinarikofun,Takashima city,Shiga

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Mar.2012 中山辰夫

鴨稲荷古墳≪含む 高島市歴史民俗資料館≫

高島市鴨

滋賀県指定史跡

田んぼの中に掲示があって、展示用プレハブがその近くに建っている。

昭和61年(1986)撮影の現地と現在

案内

石棺はガラス窓越しに見る。

鴨川中流右岸に立地する古墳時代後期初頭の前方後円墳

現在墳丘は完全に消失し凝灰岩製の家形石棺のみが残存する。本来は南に前方部をもった全長約50mの規模

を有していたとされる。

明治35年(1902)付近の県道改修工事に伴う採土によって後円部より家形石棺が露呈し、初めて蓋を開いた。

大正12年(1923)本格的な学術調査が京大の手で実施された。

家形石棺は奈良県二上山産出の白色系凝灰岩で出来ており、その棺内からは金銅製冠や金銅製沓(くつ)

金製垂飾付耳飾・金銅製魚佩(ぎょはい)、武器など、棺外からは多数の馬具類須恵器類などが出土した。

33種120点あまりの副葬品のうち、金製耳飾や冠・魚佩(ぎょはい)・環頭太刀などは朝鮮半島からの輸入品

とされており、この時期、この地域に大陸との交渉に明るい、大和とも緊密な豪族が存在したことを示している。

被葬者は一説には継体天皇の父・彦主人王といわれているが、現在は安曇川以南に君臨した豪族三尾君の

首長と考えられている。

副葬品一覧

金銅製双鳳環頭太刀柄頭(東京国立博物館蔵)

金銅製沓の復元(滋賀県立安土考古博物館提供)

金銅製広帯二山式冠の復元(滋賀県立安土考古博物館提供)

金製垂飾付耳飾(東京国立博物館提供)

鴨稲荷山古墳被葬者の復元(滋賀県立安土考古博物館提供)

鴨稲荷山古墳石棺内遺物配置推定復元図(森浩一著「古墳から伽藍へ」『図説日本の古代』第五巻に加筆)

『注』 副葬品一覧は≪高島町の歴史より引用

高島市歴史民俗資料館

高島市鴨2239

鴨稲荷山古墳から南に100mの所に資料館が建っており、、さらに南へ400mほど行くと鴨遺跡がある。

この地の水田から昭和19年(1944)に、木製下駄(平安時代)が出土、鴨遺跡からも縄文時代から弥生後期

古墳前期に及ぶ土器や石器が出土した。

高島市内には鴨稲荷山古墳をはじめとして多くの古代・中世の遺跡が点在し、壬申の乱や恵美押勝の乱で

伝承のある勝野周辺は「万葉集」の歌枕になったところである。

高島歴史民俗資料館には、鴨遺跡からの出土品をはじめ、市内の考古・歴史・民俗の資料が集められ展示

されている。

展示品の一部

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