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滋賀県高島市 

Takashima city,Shiga

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Mar.2012 中山辰夫

高島市概説

高島市

琵琶湖の北西部に位置し、平成17年(2005)に高島郡の5町1村が対等合併した。その面積は、長浜市に次ぐ第二で

湖を含めた面積は県下一である。

市の中心は旧高島町で、その中心は勝野である。

大津札の辻を起点とする西近江路は古代の北陸道と合流し、湖岸に沿って北上し、敦賀まで通じている。高島を横切り

敦賀の松原に至る道で、都と北陸地方を結ぶ最短路として重要な要路であった。

道沿いには駅家が置かれた。高島にあった「三尾」駅家からは、若狭の小浜に通じる重要な要路若狭路が分かれた。

この一帯、いわゆる湖西地域は、比良山系が湖に迫っているため、陸路と航路の交通が密接な関連にあった。

北陸地方から都への物資の運送や交易、旅人の往き来も多くは航路が利用された。

高島の勝野津は有名で、大津−塩津の中継点にあり、越前からの物資の輸送は敦賀津から山越えで塩津に集積され

ここから船出して勝野津へ向かった。勝野津は、風待ちや波浪を避けるための要港として栄えた。

古代概要

町内には古代人が築造した古墳が西の山麓に多く残されている。鵜川・白鬚・音羽・拝戸等の古墳群である。

最近では、古墳時代中期(五世紀頃)の打下(うちおろし)古墳が発見され、石棺の内容からかなりの人が生活していたこと

が推定された。また、平野部からは鴨稲荷山古墳が明治35年(1902)に発掘された。規模の大きさや副葬品から被葬者は

大きな勢力を持った人物とされる。

打下古墳箱型石棺と鴨稲荷山古墳

戦乱の舞台

古代において北陸道筋を中心に二つの戦乱が発生している。

ここ戦乱は、古代の北陸道の機能を知る上では多くの要素を含んでいる。

壬申の乱 天智6年(667)

中大兄皇子(のちの天智天皇)と実弟の大海人皇子との皇位継承の争い

乱発生後、湖東から越前へまわった大海人軍の羽田矢国が、越前から北陸道を近江に入り南下し、近江軍の最後の砦

ともなった三尾城(みおき)で激戦、三尾城は落城した。まさに北陸路が戦乱の生命線であったことを示している。

三尾城陥落の記事は「日本書紀」天武の条に、「是の日に羽田公矢国・出雲臣狛会ひて共に三尾城を攻めて降しつ」

と記載されている。三尾城の所在は1300年経過した今も判明していない。

恵美押勝の乱 天平17年(764)

近江国司となった藤原仲麻呂が、勢力の増大を図る孝謙天皇・道鏡側の排斥に立ち向かったことで起こった。

しかし、逆に仲麻呂は都を追われ、息子の辛加知が越前国国司をつとめている縁で越前に向かうべく近江に入った。

が、最後は近くの勝野鬼江で壊滅させられ、鬼江で59歳の生涯を終えた。

「続日本書紀」に、「押勝は勝野の鬼江で精鋭の兵力を尽くして防戦したが官軍はこれを攻撃し、押勝の軍勢を敗った。

押勝は妻子三、四人と舟に乗り、鬼江に逃れたが石村村主石楯に捕えられ、その妻子と従者三十四人とともにみな鬼江

の畔で斬られた(以下略)と記されている。

中世

中世に入って武家政権が確立すると共に近江の守護職は佐々木秀義より定綱・広綱に引継がれ、承久の乱後は広綱の

弟信綱にわたり、以後は中世期を通じて世襲される。

高島郡は高信に分封される、西佐々木高島氏を名乗るが、鎌倉時代末期までに七家(七頭)に分家し、高島郡の新旭町

以南を支配する。室町期は直接幕府と結びつき、足利将軍の傍近くに仕え、外様衆に組織されていた。

高島荘を得た高信の長男泰信は高島氏を継ぎ、次男の頼綱は朽木氏を称し、その子の代には横山氏や田中氏が分家

した。三男の胤信(たねのぶ)は永田氏と称した。これらの国人七家を「高島七頭」という。

戦国期に入って六角氏の支配下に組み入れられるも、「観音寺騒動」を機に六角氏の勢力が衰えると、浅井氏が急騰し

高島七頭らの在地勢力もその支配下に入る。

鎌倉以来長年にわたり同族的結合を保ってきた高島七頭は、永禄11年(1568)の織田信長による近江侵攻と「元亀争乱」

と呼ばれる織田と浅井・朝倉氏と対立の渦中に巻き込まれ、永田・朽木・田中氏らを残して離散した。

元亀2年(1571)頃前後に織田信長の支配下に入った。

近世

大溝城と城主織田信澄 『別掲』

分部氏の江州大溝入封 『別掲』

近代

現代

参考資料≪高島町の歴史、高島郡史、西近江路、他≫


Nov 2008 撮影:瀧山幸伸 source movie

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