Japan Geographic

看板考 柚原君子


 

 

「株式会社もりぞう」


 

所在地:長野県木曽郡南木曾辺り

中山道木曽11宿のなかにある三留野宿(馬籠宿の一つ前)に行く為に中央本線「十二兼」駅を下車して国道を歩くと、右側に木曽川が流れ、川岸から垂直にそびえている山、森林が続きます。10月ですが檜の山は濃い青緑で規則正しい間隔で空にまっすぐに伸びています。気持ちの良い景色です。その中にあった看板「株式会社もりぞう」。
景色と看板が見事にマッチしていて小さくうなづいてしまいました。

「株式会社もりぞう」とは。……森の中にもりぞう……平仮名ですが頭の中で漢字変換が進みます。「森造」「森増」「森蔵」etc。森林を造って増やして貯めていく、うーん、どの字も合います。
「モリゾー」とカタカナにすれば2005年の愛・地球博の「モリゾーとピッコロ」のキャラクターも浮かびます。

帰宅して調べたHPに「株式会社もりぞう」は家を造る会社。木曽の檜を使って暖かい家を造ると、ありました。

森林の役割は孫の小学生の社会科の授業にもあって、「洪水を緩和する」「水質の保全と浄化」「貴重な生物の保護」「夏の気温を下げてくれる」「二酸化炭素の吸収」など、いろいろ調べる孫の横で私も一緒にネット検索した記憶があります。

ついでながら一番興味のある地球の温暖化を防ぐ二酸化炭素の吸収はどうなっているのかと調べたら、若い木が一番吸収をしてくれると明記されていました。

木は収穫までに多くの年月がかかります。
苗を植えて若木が成長する時には間伐や下草刈り、枝落としなど林業として多大な努力があるようです。そして→伐採→植林。伐採できる木は切り、植林で山をいっぱいにすれば、若木が二酸化炭素を吸収してくれて地球温暖化に少しは役立つサイクルとなります。

山を維持できなくて林業が成り行かなくなっているというニュースも時々あります。その隙間に入り込んで外国企業が良質な水源地の山林を買い占めている、とも。日本人は何事も平和に穏便に片付けてしまうタイプが多いので、将来に水を奪い合う時がやってくると、自国の美しい山林の側にいながら他国の権利者から水を買わねばならない……そんな日がこないことも限らない。
「株式会社もりぞう」の看板。漢字で「守るぞー」という字も当てはめて、山の持ち主も看板見る人も何かを意識してくれたらと思いながら、過ぎました。

蛇足ですが訪れた三留野宿はあっけないくらい何もなく、跡碑が三つあったくらい。里人には一人二人しか会わなかった。

 


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