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良い坂とは?坂を評価する手法は?

How to assess a good saka(slope)?

2007年7月 瀧山幸伸


【方法論】
「良い坂の感じ方や価値観は人それぞれだから」 「坂の評価は論理的科学的には扱えない」 本当にそうだろうか?
「坂」を総合科学的に評価する手法を検討する。
未だ方法論は確立していないので、仮説を提示し、実際にそれを使って多くの目で評価実証し、そのフィードバックを行って改善して行くという方法に挑戦してみたい。
坂に関する大まかな5段階評価表はこちら。これでは旅行ガイドと同様で、あまり科学的とは言えない。そこで、より詳細なアセスメント手法を考えた。 基礎とした方法論は、環境アセスメントの手法であり、それでは足りていない部分を応用拡大している。

坂の詳細アセスメント表の書式はこちら

詳細アセスメント表の解説 
Saka assessment table

対象案件となる坂 _______ 


総合得点__点 

「自然環境」 自然地理的(自然科学的)要素


項目
解説
坂の借景となる景観 特異な山岳景観、高原、湿原、火山(カルデラなど)、峠、地学分野の地質、断層線(フォッサマグナなど)、土壌、
坂に関連する水要素と水質。河川、峡谷、河岸段丘、瀞、湖沼、湧水、名水(水質は重要な要素。日本の水百選など)、海岸、砂丘、温泉、噴気
坂に関連する音要素。プラス要素として自然の音効果、マイナス要素として自動車、店などの騒音(水の音は心理的なやすらぎ要素として重要)
大気 坂に関連する大気質要素。風、香りなど
その他自然 坂に関連するその他自然要素。四季の変化、気象、天文(日の出日の入り)など
動物  哺乳動物、鳥、昆虫など(犬猫などの人工飼育動物を含む)天然は評価が高く、人工飼育は評価が低い
植物 借景となる森や林など。天然度が高いもの。人工度が高いものは人文環境のランドスケープ・造園の項目で評価


「人文環境」 人文地理的(人文科学的)要素
考古学、歴史学、文化人類学、民俗学的要素が重要。 何をどのように評価するかは、評価者の知識、経験、年齢などによって興味も異なり、評価基準も異なる。文化財等の登録は判断の尺度として絶対ではない。地域の文化、生活を反映するので、世界中で評価は多種多様。 あまりにも身近なので、異文化の人に価値を発見してもらうことが多い。

項目
解説
遺跡 考古学対象物  文献に現れない考古学時代の遺跡、古代生活(風土記の丘、古墳など)

都市計画、土木建築、景観要素
道路舗装電柱等インフラ、横丁 
建築物、住宅
詳細 (デザイン、素材) 

歴史的な坂並から都市開発の坂まで。
坂の景観要素の詳細
ランドスケープ・造園

人工的な造園。植栽修景、並木、庭園、花壇、人工公園、ビオトープ、桜祭り、各種花の祭りなど

政治、宗教、芸能文化背景

門前町、城下町、城、寺社仏閣およびその行事、教義、祭、伝統芸能、史跡、札所め巡礼、山岳信仰、宗教目的の修行、土俗信仰、映画、絵画、音・音楽、音楽祭
経済産業

商人町、市場、商店街、地場産業産物と商人町の関係、産業祭り、伝統工芸、農業、農村、フルーツ狩り、林業、山村、段々畑・千枚田、醸造、養蚕、漁村、製塩、鉱業、近代・現代産業遺産

交通 宿場町、 関所、港町、地域内交通、交通規制(騒音は自然環境の音項目で評価する)
教育、教育施設 現代の施設と歴史的な施設(藩校、寺子屋、文明開化)、教育運動・教育者
医療健康 湯治保養温泉、癒し、健康目的の修行
宿泊・飲食 各種施設、料理文化、自然食、古代食、醸造、調理指導・体験 居心地の良い施設があるかどうか、通過者の立場、施設利用者の立場双方で評価する
悲劇のメモリアル 戦争、環境問題などを風化させないための対策と施設
時代フィーチャリング 縄文村、江戸村、明治村、対象村、昭和村など
異文化フィーチャリング 異国情緒(チャイナタウン、異人の町、ドイツ村など)
イベント 伝統的なもの以外(展示、ショー、花火など)
文芸、人物フィーチャリング 人物、物語、映画ゆかりの施設など
スポーツレジャー
各種競技、散策、ウォーキング、キャンプ、自然観察、環境学習、天体観察、スタンプラリー、オリエンテーリング、つり、各種レジャー、テーマパーク、歓楽(遊郭遺産、歓楽温泉)

地域の人と社会活動(社会科学的)要素
好きなまちには素敵な人が暮らしている。「人」は「まち」の一番重要な要素である。

項目
解説
地域の活力  坂に関する 人の活力、ムーブメント(推進運動など)
地域の気質 ホスピタリティ(親切か排他的か。自宅庭園などの開放度。ボランティアが多いか、儲け優先か)
地域の世代構成 若者の坂、年寄りの坂など
地域経済活性化の試み 坂に関するクーポン、通貨など
国際交流、地域間交流 坂に関する 情報、コミュニティとコミュニケーション。連携して運動を推進しているか?坂の里親、坂のふるさと制度。
案内情報 全体情報板、施設別情報板、ネットでの情報、情報のマルチメディア度、双方向度
地域内広報放送、時報 ほとんどの時報や広報放送はワンパターンで音量が過大、雑音が多くしかも歪んでいる。緊急放送と平常放送が同じ。
スケール 坂が大きなスケール(あるいは坂群)で広がっているか。坂がだだっ広いか、こじんまりと狭くヒューマンスケールで落ち着く坂か。
評点について 
+2 はるかに優れている
+1 優れている
0 普通
-1 改善が必用
-2 大きな改善が必要
数値は目安であり、マグニチュードの大きさによりこの範囲をはみ出してもかまわない。


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