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桜の情景
Sakura scenes, flower of Japan

Version May 11 2008

01北海道 02青森 03岩手 04宮城 05秋田 06山形 07福島
Hokkaido Aomori Iwate Miyagi Akita Yamagata Fukushima

08茨城 09栃木 10群馬 11埼玉 12千葉 13東京 14神奈川
Ibaraki Tochigi Gunma Saitama Chiba Tokyo Kanagawa

15新潟 16富山 17石川 18福井 19山梨 20長野 21岐阜 22静岡 23愛知 24三重
Niigata Toyama Ishikawa Fukui Yamanashi Nagano Gifu Shizuoka Aichi Mie

25滋賀 26京都 27大阪 28兵庫 29奈良 30和歌山
Shiga Kyoto Osaka Hyogo Nara Wakayama

31鳥取 32島根 33岡山 34広島 35山口 36徳島 37香川 38愛媛 39高知
Tottori Shimane Okayama Hiroshima Yamaguchi Tokushima Kagawa Ehime Kochi

40福岡 41佐賀 42長崎 43熊本 44大分 45宮崎 46鹿児島 47沖縄
Fukuoka Saga Nagasaki Kumamoto Oita Miyazaki Kagoshima Okinawa


■ 「桜」のまちづくり、まちおこし考

赤坂サカスの顔となる桜として、グランドオープンに合わせて植樹されたのは三春滝桜の子孫。
ご先祖滝桜の子や孫、親戚一同の「あぶくま高原の桜の名所」は毎年90万人に及ぶ観光客を吸引する。
サカスに限らず、六本木ミッドタウンの旧毛利家庭園の桜や赤坂アークヒルズの桜坂は街のシンボルとなっている。
日本人の遺伝子に組み込まれ、まちづくり、まちおこしにも有効な桜。
三大天然記念物桜、三大夜桜などの定番もさることながら、まちおこしに有効な桜はリゾート地でも大活躍。
伊豆での早咲き桜(河津桜)の命名合戦は「桜」から連想される「春」をオフシーズンの観光地に呼ぶ地域ブランド競争だ。

今は昔、神話に登場する木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)は、富士の頂上から種をまいて花を咲かせたとされ、この「サクヤ」が「サクラ」になったという説がある。
父のオオヤマツミは各地の山を統括する神で、父から富士山を譲られ、この山に鎮座して東日本一帯を守護することとなった。
富士浅間神社が祀る美神であるが、元は隼人の出身で、墳墓はニニギノミコトとともに宮崎県西都原にあるとされる。日本各地でサクラをあがめたということであろうか。
桜と月をこよなく愛した西行に限らず、万葉集以来多くの歌に詠まれ、芸能文学に登場する。
現代人にも桜は特別。福山雅治の「桜坂」や森山直太郎の「さくら」に心ときめく。
桜の名所は西日本には少ない。冬でも常緑樹が見られる西日本では、モノトーンの世界に忽然と桜が開花する感動が少ないのだろうか。

桜の時期も品種も生い立ちも、人々の思惑も様々。
その桜の情景と背景を探ってみよう。


まちづくり、まちおこしの仮説

最初に、桜によるまちづくり、まちおこしの仮説を提示し、それに沿って各地の特色ある桜を検証してみたい。

「年中桜戦略」 
広い敷地には、少量多品種の桜を植え、9月から6月までいつ訪問しても花を楽しめ、ピクチャースポットとなるようにする。

「オンリーワン戦略」 
狭い敷地には、天然記念物品種など、貴重で特徴的な一本桜または一種類の桜を植え、デスティネーション性を演出する。

「長生き擬人化物語戦略」
桜の老樹が擬人化され、数百年にわたり物語が生まれるように、短命なソメイヨシノではなく、エドヒガンなど長命な桜を植える。
桜守りが毎年の桜の記録を取り、子供が成長するようにアルバムを作る。

「早咲き桜戦略」 
冬桜、河津桜のような早咲き桜でマスコミ露出効果を。心理的には桜=春。競合に先駆けた集客も可能だ。

「桜の里親戦略」 
有名人や企業などがスポンサーとなり、木のメンテナンスと撮影会、ライブショーなどのイベント演出を競う。

「桜グッズと食戦略」 
桜にちなんだグッズ、食材を創出し、名物化する。

「桜命名戦略」 
伊豆での河津桜命名合戦のように、当地のアイデンティティを創出する名前を付ける。擬人化した名前であればなお良い。
例えば「宇宙桜」は毛利宇宙飛行士が2000年にスペースシャトルに積み込んだエゾザクラで、故郷の北海道余市から各地の科学博物館などに拡がった。
桜ではないが、ニュートンのリンゴの木の子孫は小石川植物園にある。アンネフランクのバラの子孫は高井戸中学校にある。

「紅しだれ、匂い桜戦略」
日本人の「ゆらぎ」を好むメンタリティに沿った枝垂れ桜、官能的な匂い桜、ソメイヨシノに比べ写真が映える紅桜、あるいは色白のシロザクラを植え、差別化を図る。

「夜桜戦略」
やはり、夜桜の風情は特別だ。照明デザイナーを起用するなど、ライトアップに工夫を凝らしたい。



■ 掲載基準
Listing policy

・国の文化財として指定された価値ある桜は、未調査を含め全てリストアップしている。(レーティングされていないものは未調査)
National cultural properties.

・実地調査した場所の中から、マスコミに取り上げられる名所ではなく、人知れず凛としてたたずむ抒情的な桜や芸術文化的要素のある桜を紹介する。
Sakura with good amvience,or associated with Japanese culture.

■ 掲載順序について
Listing order

1. 都道府県別
Prefecture

2. 国の史跡、名勝、天然記念物に指定されている桜 (桜が主となるもののみ。一部に桜を含む場合を除く)
Sakura registered as National cultural properties. (National Historic Sites, Places of Scenic Beauty, and Natural Monuments)

3. 文化財(国宝、重文、史跡、名勝)と組み合わされた桜
Sakura associated with other National cultural properties.

4. 無名だが静かに楽しめるなど風情のある桜、芸術文化歴史的由緒などのある桜、種まきなど生活文化に密着した桜。
Sakura in good amvience. Sakura associated with culture.

5.その他
Other sakuras such as public famous.


■ 三大天然記念物桜
3 best sakuras registered as national monuments.

三春滝ザクラ 福島県
Miharu Takizakura,Fukushima

山高神代ザクラ 山梨県
Yamataka Jindaizakura, Yamanashi

根尾谷薄墨ザクラ 岐阜県
Motosu Neodani Usuzumizakura, Gifu


■ 地域別一覧表
Prefecture list

01 北海道
Hokkaido

 雨竜沼湿原のチシマザクラ(6月中旬)
Uryunuma wetland

 




02青森
Aomori

 弘前城の桜 
Hirosaki castle
弘前市下白銀町

正徳5年(1715)藩士が京都から桜の苗木25本を持ち込み城内に植栽したことに始まる。明治以降大量の桜を植樹した。
雪をいただく霊山岩木山を見上げ、重文弘前城の周囲を飾る。

 

 十和田市の桜流鏑馬
Towada city sakura yabusame

 

 五所川原 芦野公園
Goshogawara Ashino park

 


03岩手
Iwate

 盛岡石割ザクラ 天然記念物
Morioka Ishiwarizakura
盛岡市内丸

エドヒガン(白彼岸)。 花崗岩の狭い隙間から発生し、岩を割って成長した桜。

 
資料:盛岡市

龍谷寺のモリオカシダレ 天然記念物
Ryukokuji no Morioka shidare
盛岡市名須川町

樹高5m、目通り周1.9m、東西6m、南北8,2m。
ガクはほとんど無毛で盛岡地方に特有の種。

 
資料:盛岡市

 北上展勝地の桜
Kitakami temsyochi
北上市立花

ソメイヨシノやベニヤマザクラなど約1万本も生育し、 弘前、 角館と並んで「みちのく三大桜名所」の一つに数えられる。
大正9年(1920)桜の権威三好学(東京帝大教授)の指導と井上清の設計のもと「和賀展勝地計画」を作成。各種の桜を植え、この地を空前の桜の名所にしようとしたのである。常緑の背景によって桜の美しさを際立たせるため、赤松なども計画的に育成した。
桜の古木がおりなすトンネルと北上川の清流を楽しめる。

 

04宮城
Miyagi


 塩釜神社のシオガマザクラ 天然記念物
Shiogama jinja Shiogamazakura
塩竃市一森山1-1

シオガマザクラ はサトザクラ系の八重で5月上旬の開花。淡紅色の大輪でごく短い花軸に密に群生する。花弁は35枚から50枚に及び、縦の皺がみられ、先端は数条の浅い切れ込みをもつ。2本の雌しべは緑色の小葉に変化しているなどの特徴を有する。
鹽竈桜の名は堀河天皇の御製にその名がみえることから、平安時代には存在していたと考えられる。井原西鶴の小説や近松門左衛門の戯曲にも登場するほど知名度の高いもの。重文塩釜神社の朱に負けない。

 


 岩出山有備館の桜
Iwadeyama Yuubikan
大崎市岩出山字上川原町6番地

庭園の池際の桜と茅葺屋根が美しい。
映画で有名な北海道開拓武士団の悲劇とあわせて歴史を味わいたい。

 


 松島 瑞巌寺の桜
Matsushima Zuiganji
松島町松島字町内91

伊達家ゆかりの寺。
国宝本堂裏手庭園にあるシダレザクラが絶景を構成する。

 


05秋田
Akita


 角館のシダレザクラ 天然記念物
Kakunodate Shidarezakura
仙北市角館町

都から嫁いだ姫君ゆかりの京を偲ぶ桜。
角館地区には、旧藩時代(1656年頃)武家屋敷の各戸ごとに植えられたシダレザクラが主なもので153本残っている。 目通り周最大のものは3mを越え、樹高は最高20mを越すものがある。
もと東勝楽丁梅津家にあったものを母樹(明治33年焼失)として広く町内に植えられたものといわれている。エドヒガンのシダレとなったもので花色は白系と淡紅系であり、花期にはこの城下町に伝統的な美観をもたらす。市街地内に古くから受けつがれたシダレザクラの群として他に類例をみないものである。
全国の重要伝統的建造物群保存地区の中でも特に桜の情景に優れる。

 


 角館檜木内川堤のサクラ 名勝
Hinokinaigawazutsumi sakura
仙北市角館町

角館地区の西を流れる檜木内川左岸堤防上の道路の両側にあるソメイヨシノの並木で、延長1850m、総本数367本である。
昭和9年に植栽されたものであり、樹勢はきわめて旺盛で枝張りも広く、花期にはソメイヨシノ特有の壮観を呈する。
サクラ並木のうち特に長大で景観のすぐれたものとして類例がない。

 
資料:仙北市


06山形
Yamagata

置賜さくら回廊について

長井盆地は、東を白鷹丘陵、西を朝日山地に挟まれた細長い盆地で、中央に最上川が北に流れ、南は米沢盆地と接している。
長井盆地を中心に、北は白鷹町から、長井市、南陽市にかけて、天然記念物を含め、桜の名所や古木が多く、置賜さくら回廊と呼ばれ著名である。
その中でも長井市北部から白鷹町にかけては古木が点在する。

 長井 草岡の大明神ザクラ天然記念物
Nagai Kusaoka Daimyoujinzakura
長井市草岡694

エドヒガン。目通り周10.9m、樹高18.8m、枝張り東西方向25m、南北方向23m。エドヒガンは比較的長命で、サクラの古木・巨木にはエドヒガンが多い。主幹は空洞化し、側幹が発達している。
草岡の大明神ザクラは最大級に成長したサクラとして学術的価値が高く、また、古くから地域のシンボルであり、種蒔桜として親しまれ大切にされている。
伝説では、坂上田村麻呂が蝦夷平定記念に植えた五本の桜のうちのひとつといわれている。
所有者宅に伝わる古文書には、伊達政宗が初陣に敗れ逃げる際、この木に身を潜め助かる。そのサクラを守るために家臣を残して庵を結ばせたことが、天正10年(1582)の記録として和歌とともに記されているとのこと。家臣の子孫が現所有者で、代々桜守をし、屋号が「桜の木」と呼ばれている。

 


 長井 伊佐沢の久保ザクラ 天然記念物
Nagai Isazawa Kubozakura
長井市上伊佐沢字峰屋敷

エドヒガン(白彼岸)。目通り周8.1m,枝張約14m、推定樹齢1200年、内部に空洞がある。
以下はこの桜の言い伝え。
「延歴16年、征夷大将軍坂上田村麻呂が蝦夷征討の軍に従事し、漸次陸奥出羽を巡撫してこの地来り、豪族久保氏の女お玉が厚くこれに侍す。将軍軍旅を収めて去るやお玉追慕恋の情に堪えず、翌年ついに病没す。将軍之の訃に接し一株の桜をお玉の墓に手植して、似て墓標とせり。」

 

鶴岡市 南谷のカスミザクラ 天然記念物
Minamidani Kasumizakura
鶴岡市羽黒町手向字羽黒山33の内

カスミザクラは東北地方のヤマザクラの一種。樹高28m、根回り4.4m、目通り周4.6m、地上2mの所で東西南に等分岐し、枝張は東に11.4m、西に9m、南に12m。
推定樹令300年ほど。カスミザクラの稀な巨樹である。

 


 白鷹 釜の越桜
Shirataka Kamanokoshi
白鷹町高玉3524-1 

エドヒガンで、推定樹齢約800年、樹高約20m、目通り周約6m。
雪残る朝日連峰を背景に桜を楽しむ。
北側の勝弥桜は樹齢70年で、この桜の子。
桜の満開の時期にあわせ、300年の歴史を誇る高玉芝居が、ライトアップされた桜の木の下で上演される。

 


07福島
Fukushima

 三春滝ザクラ 天然記念物
Miharu Takizakura
三春町大字滝字桜久保

山梨県の神代桜、岐阜県の薄墨桜とともに三大天然記念物桜としてあまりにも有名。
エドヒガン系のベニシダレザクラ。傾斜地に立ち、樹高13.5m、根回り11.3m、枝張りは幹から北へ5.5m、東へ11.0m、南へ14.5m、西へ14.0mの巨木。目通り周9.3m。推定樹齢1000年。
太い枝が四方に拡がり、長い垂枝に無数の花を着け、極めて美しい。
三春の各地のしだれ桜を代表する巨木。

 

 馬場ザクラ 天然記念物
Babazakura
大玉村玉井字石橋 福満虚空蔵尊境内

エドヒガンザクラ。樹高15m、目通り周7m 推定樹齢1000年。
白彼岸桜の巨樹として有数のもの。老樹のため幹枝が枯損する所がある。
源八幡太郎義家が軍馬の訓練をした馬場跡であったといわれ、義家の手にした桜のムチを土に指し、駒止めしたものが根付いたことから「駒止め桜」とも呼ばれている。


 

 紅しだれ地蔵ザクラ
Benishidare Zizouzakura
郡山市中田町木目沢字岡ノ内

樹高16m、推定樹齢400年。三春滝桜の子孫といわれる。木の根元に地蔵堂を持つ願掛けの桜。


 

 不動ザクラ
Fudozakura
郡山市中田町上石字舘

小高い丘に建つ不動堂の前にある。根周り4m、目通り周2.8m、樹高16mで、推定樹齢は約350年。
三春滝桜の子孫と言われる。
江戸末期にお堂が寺子屋として使われた。このお堂で学べるとは至福の喜び。

 

 水月観音堂のサクラ
Suigetsu kannondo no sakura
郡山市中田町駒坂

観音堂の門前を飾るシダレサクラ。訪問客が少なく静か。

 

 相馬城址の桜
Souma castle
相馬市中村

お堀周辺と重文中村神社境内にのんびりと咲く。

 


 磐梯町 種蒔桜
Bandai Tanemakizakura
磐梯町磐梯字本寺八幡

エドヒガンザクラ。推定樹齢800年、 樹高15m、目通り周5m。
種蒔桜は暦代わり。

 


 磐梯町 赤枝 八幡神社の桜
Bandai Akaeda Hachiman jinja
磐梯町赤枝

日本昔話に登場しそうな桜とお堂。誰もいないので素晴らしさを独り占めできる。

 

 会津若松 石部桜
Aizuwakamatsu Ishibezakura
会津若松市一箕町大字八幡字石部

樹高11m,枝張19m,目通り周0.5mから2.2mの八本の枝幹が伸びる。芦名の重臣石部治部大輔の屋敷跡といわれる。

 

 猪苗代 観音寺川の桜
Inawshiro Kannnonjigawa sakura
猪苗代町川桁

借景は磐梯山、清冽な水と緑の小川、その上流に観音寺。のどかな花見が堪能できる。

 

 喜多方勝福寺観音堂の桜
Kitakata Shouhukuji
喜多方市関柴町三津井字堂ノ前

重文の観音堂と調和する桜。

 

 
喜多方願成寺の桜
Kitakata Ganjouji
喜多方市上三宮町上三宮字籬山

会津大仏の楼門脇の白い桜、大仏横の春モミジと桜。浄土庭園の緑。極楽浄土的な桜を楽しむ。

 

 下郷町 戸赤のヤマザクラ
Shimogou Toaka Yamazakura
下郷町 戸赤

 

 下郷町 中ノ沢観音堂
Shimogou Nakanosawa kannondo
下郷町 中妻

山懐にひっそりとたたずむ重文の観音堂。背の高い桜がそれを覆い守っているように感じられる。足元の水田にはミズバショウ。
ここから下郷平野部の眺望が良い。


 

08茨城
Ibaraki

 桜川のサクラ 天然記念物 名勝
Sakuragawa no sakura
桜川市磯辺

目通り周5m、推定樹齢250年のものを筆頭に、総数577本に及ぶヤマザクラの群。青毛、薄毛、匂樺その他ヤマザクラの品種に富む。
西の吉野、東の桜川と言われ、古来より桜の景勝地として有名。
世阿弥の謡曲「桜川」はここ。子が、貧困ゆえに身を売り、身の代金と文を母に届ける。母は悲しみのあまり子を探し求めてさまよい歩き桜川にたどりつく、という悲劇の舞台だ。
紀貫之も歌に詠む。 「いつよりも 春べになれば 桜川 波の花こそ まなくよすらめ」 (後撰和歌集)

 

 茨城 大戸のサクラ 天然記念物
Ibaraki Oto no sakura

樹の下部から大小十数本の支幹を生じ、目通り周10m余に達するヤマザクラの巨樹として有数のもの。
以前は一反歩(1000m2)ほどの枝張りだった。

 


 桜川 富谷観音の桜
Sakuragawa Tomiya Kannon
桜川市富谷

山頂にある境内付近から周囲の山桜と富士の雄大な眺めが楽しめる。重文三重塔が桜の山の頂点に建つ。

 

09栃木
Tochigi

 金剛ザクラ 天然記念物
Kongouzakura
日光市山内

重文、日光輪王寺本堂(三仏堂)の前にあり、目通り5.7m、根元から三つの大枝幹に分れる。黄芽、白花、芳香がありヤマザクラとして著しい品種である。

 
資料:輪王寺


10群馬
Gunma

 三波川のサクラ 天然記念物 名勝
Sanbagawa no sakura
藤岡市鬼石 桜山

桜山の頂上にあり、樹種はフユザクラ及びソメイヨシノ。日露戦争の記念に明治41年(1908)頃植栽したという。
フユザクラは珍稀の種類で、この山上のように密生し、ことに冬期に開花する光景は桜の名勝として比類なく、さらに中花部の変異を呈するものも見られ、学術上有益である。
桜と紅葉を同時に楽しむことができる。

 


 小幡の桜
Obata
甘楽町小幡

織田家統治の伝統を今に伝える小さな城下町。
農業用水沿いの桜並木。
レトロな街並と借景の山並が桜を引き立てる。

 

 下仁田 清流荘の桜
Shimonita Seiryusou
下仁田町上吉崎

春のこの一瞬に谷間の全妖精が集結したかのような各種花の饗宴の中で威厳を保つ桜。

 


 下仁田 栗山の桜 
Shimonita Kuriyama
下仁田町栗山

なにげない山里、何もない山里だからこそ桜が主役。

 

 妙義山さくらの里 
Myougi Sakuranosato
下仁田町上小坂

険しい妙義山に映える桜。
約47haの園内には、45種5000本の桜がある。カンザン、フゲンゾウなどの八重桜も多く、4月中旬から5月中旬まで楽しめる。

 


11埼玉
Saitama


 北本 石戸 蒲桜 天然記念物
Kitamoto Ishito Kabazakura
北本市石戸宿

エドヒガンザクラとヤマザクラの交配種。日本五大天然記念物桜。
大正11年天然記念物指定当時は根回り11mと記録されているが、現在は株分けした2代目。
蒲冠者、源範頼にちなみ命名されたという言い伝え。

 

 長瀞 法善寺の桜
Nagatoro Houzenji
長瀞町大字井戸

秋の七草寺としても有名。

 


12 千葉
Chiba


13東京
Tokyo

小金井のサクラ 名勝
Koganei no sakura
小金井市小平市 武蔵野市 西東京市

東京都下の桜の名所として有名。玉川上水の両岸約6kmに及ぶ。
元文年間、幕府の命で武藏新田の世話役川崎平右衞門が植えた。吉野及び桜川のシロヤマザクラを移植したものだが、多数の天然変種があり、若葉の色、花の色、形、大きさ、花期の早晩等、ほとんど樹毎に異なるごとく、シロヤマザクラとして品種が多いこと、変化が多いこと、及び大木が多いことが小金井の桜の特徴となっており、屈指の景勝地である。

 
手彩色写真(明治後期) 資料:小金井市

大島のサクラ株 特別天然記念物
Oshima no sakurakabu
大島町泉津

主幹は折れ、基部のみ残存する。基部の周囲約7.9m。枝が長く伸び、芳香がある白花を開く。オオシマザクラの巨樹として稀有のもの。

 


 千鳥ケ淵の桜
Chidorigafuchi
千代田区三番町

明治31年(1898)、英国公使アーネスト・サトウが英国大使館周辺に植えさせたのがきっかけ。
都心の桜見物定番スポット。人ごみと騒音が少ない北の丸公園側からの鑑賞がおすすめ。

 


 谷中霊園の桜
Yanaka reien
台東区谷中

明治7年(1874)開設された公共墓地。
上野公園ほどの雑踏はなく、レトロな雰囲気の桜が楽しめる。
場所柄、楽器を持ち寄り即興を楽しむグループが散見される。

 

 播磨坂の桜 
Harimazaka
文京区小石川4,5丁目

環状三号線に伴う区画整理で誕生したが、この区間のみの開通であったため、通過交通は非常に少なく、落ち着いた花見が可能。
春日通りから小石川植物園に向かって緩やかな坂が続く。特に中央分離帯の遊歩道にかかる桜のトンネルが見事。


 


 六義園のシダレザクラ
Rikugien
文京区本駒込6丁目

柳沢吉保ゆかりの特別名勝庭園。そのシンボルと言える見事なしだれ桜。夜桜も美しい。

 


 千駄木 須藤公園の桜
Sendagi Sudou park
文京区千駄木3丁目

もと加賀支藩大聖寺藩の屋敷庭園。
高低差のある地形を生かした和風庭園のダイナミックな桜。比較的静かに花見が楽しめる。

 

 駒込 円通寺の桜
Komagome Entsuuji
文京区本駒込2丁目

駒込の寺町に静かに咲くソメイヨシノ。 この界隈は駒込片町といわれ、吉祥寺ほか古刹が多く、桜とのコントラストが美しい。

 

 小石川植物園の桜
Koishikawa botanical garden
文京区白山3丁目

桜の下は芝生で、子供を遊ばせるには最高。
植物の勉強にもなり、のんびりと一日過ごせる。
早咲きのオオシマカンヒザクラもあり、梅の季節に桜が楽しめる。

 

 飛鳥山の桜
Asukayama
北区西が原2丁目

8代将軍徳川吉宗が庶民にも花見ができるようにと開放した、江戸時代の庶民の憩いの場。
市民公園の元祖として歴史的に有名だが、庶民性を発揮して今日の喧噪も半端ではない。

 


 墨田川桜堤
Sumidagawa sakura tsutsumi
隅田公園(台東区、墨田区)

8代将軍徳川吉宗が開放した。吾妻橋から桜橋の約1kmに、ソメイヨシノ、シダレザクラ、サトザクラ、エドザクラなど300本あまりが咲く。屋形船や水上バスが風情を盛り上げる。

 


 日本橋の桜
Nihonbashi cultural properties
中央区日本橋2丁目

平成17年、日本橋地区まちおこしの一環として植樹。日銀、三井本館という洋の重文を和の桜が柔らかく修飾する。十二代目市川団十郎揮ごう「江戸桜通り」の道標がある。歌舞伎「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」にちなんで命名した。
 街路樹の選定は難しいが、うまく行けば名所となり、新しい物語も生まれる。
植えられたのはソメイヨシノ。二代目団十郎のヒットは1700年代初頭、ソメイヨシノは江戸末期以降に出回った交配種。江戸に好んで植栽された「エドザクラ」ならば歌舞伎にふさわしかった。エドザクラは八重桜で、花の外周が赤く、内部は白く、散り間際になると弁に赤い線が入り花芯が赤みを帯びる、風流な桜だ。
 ちなみに台東区馬道地区では、地元が中心となり、評判の悪かった柳に代わり、地元ゆかりの樋口一葉にちなんだ八重桜「一葉桜」を選定し、平成15年、区が江戸開府400年記念事業として植栽した。区としては管理が大変なので消極的だったとのことだが、地元が積極的に管理することで決着した。最初違う品種の八重桜を植えてしまい、全国から苗を捜し求めて植え直したという熱の入れようだ。地元の熱意が実り、通りの名前も「一葉桜・小松橋通り」に変えた。自分たちが選んだ愛着から、町会、商店会、小学校2校が台東区の「まちの美化里親制度」に団体登録し、「自分の家の前の桜は自分が守る」システムがうまく機能している。

 

 


 東京タワー
Tokyo tower

将来、産業遺産にふさわしい東京タワー、このイルミネーションと調和する夜桜。

 


 目黒川
Megurogawa

無機質な川もこの時ばかりは美しく覆われる。
問題は、四季折々の美しい修景手法が導入できるかどうか。

 


 板橋 前野原温泉 日帰り温泉の桜
Itabashi Maenohara onsen
板橋区前野町3丁目

桜の番外編。日帰り温泉施設の経営者が造った和風庭園。
手打ち蕎麦を食しながら桜吹雪を楽しむ、癒しのミニ宇宙で小さな幸せ。

 

14 神奈川
Kanagawa


15新潟
Niigata

極楽寺の野中ザクラ 天然記念物
Gokurakuji Nonakazakura
阿賀町両郷甲1101-1ほか

野生のベニヤマザクラが変形したもの。濃紅大輪の美しい花を咲かせる。花は径約6cm、花序ごとに2個から3個の花をつける。主幹は朽ち、二本の大支幹と六本の小支幹からなる。根回り4.4m。

 
資料:阿賀町

小山田ヒガンザクラ樹林
Oyamada higanzakura jurin
五泉市小山田

菅名岳西側の蟹沢山の中腹から山麓にかけて繁茂するサクラ樹林。
エドヒガンで、250本を超える。巨樹が多く、最大のものは目通り周3mに達する。
花は純白のものが多く、淡紅のものも見られ、4月中旬頃に開花する。
古くから知られており、桜並木は嘉永年間(1850年頃)に旧川東村の斎藤源左エ門が植樹したと伝えられる。

 
資料:五泉市

小木の御所ザクラ 天然記念物
Ogi Goshozakura
佐渡市小木町

海潮寺境内にあるサトザクラ。本堂前に左右二株が並んでいる。
ニオイザクラで、黄芽から一重と八重の白花が混り咲き、花弁の先端が不規則に細裂する珍種。
順徳上皇の御手植と云い伝えられている。


 塩釜神社の株


橡平サクラ樹林 天然記念物
Tochidaira sakurajurin
新発田市貝屋

櫛形山脈の一部にあって、海拔約400mの山頂から山腹一帯に、トチノキ、ケヤキ、ブナ、ミズナラ等に混じって多数の山桜が生育し、花容花色の変異に富み、老樹大木が多い。
ベニヤマザクラは山上部に、シロヤマザクラは中腹に多い。そのほか、チョウジザクラも山中に群落を形成する。種々の桜が生育する樹林として学術上有益である。

 
資料:新発田市

梅護寺の珠数掛ザクラ 天然記念物
Baigoji Juzukakezakura
阿賀野市大字小島

紅花、重弁、長花梗を有する菊咲サトザクラの一品種。
現在「ならたけ病」が進行したため樹勢回復が見込めず、開花は望めないため、子孫樹を育成中。



 塩釜神社の株

 高田の夜桜
Takada cherry blossom Niigata
上越市

京都円山公園、長崎丸山公園と並ぶ三大夜桜。古城の櫓と堀と桜がおりなす幻想景観を楽しむ。

 


 南魚沼、雪景色の桜
Minamiuonuma

雪深い越後の桜。銀世界に咲く桜は、昼の太陽光はもちろん、月明かりには非日常の極みの光景が楽しめる。

 

16 富山
Toyama

17石川
Ishikawa

松月寺のサクラ 天然記念物
Shogetsuji no sakura
金沢市寺町5-5-22

松月桜と称するヤマザクラの一変種。本幹は完全に枯死しているが根元から発生する大小十数本の幹から下がる根によって支えられ、目通り周7.6m、樹高約15mに達する巨樹。
通称「大桜」とも「御殿桜」ともいわれ、枝張りは東西約20m、南北約15m。 
藩政期にはこの桜を尊重し、藩主の行列でもこの木の下は槍を伏せて通行したといわれている。
江戸時代中期の儒者、室鳩巣の詠詩が知られている。

 資料:金沢市

18 福井
Fukui

19山梨
Yamanashi

 山高神代ザクラ 天然記念物
Yamataka Jindaizakura
北杜市武川町山高2763

シロヒガンの古木。推定樹齢2000年ともいわれる。三大天然記念物桜。根回り13.5mは日本一。
背景には南アルプス。暗い山容、尾根の雪、それに桜が映える

 

躑躅原レンゲツツジおよびフジザクラ群落 天然記念物
Tsutsujihara rengetsutsuji and Fujizakura gunraku
富士吉田市上吉田鈴原下5603

富士山吉田登山口の中野茶屋から大石茶屋にかけて、レンゲツツジとフジザクラの混生群落がある。指定地域は、面積約3.3haにわたる。
フジザクラは正名マメザクラと呼ばれ、低木性のもので、山梨県の県花として親しまれている。葉は卵形で複数の切れこみがあり、花は1〜3個をつけ、白色かわずかに赤味をもつ。
なお、レンゲツツジは純然たる野性種でありながら花の色は紅、紫、黄色をおびたものと変化に富んでいる。

 
資料:富士吉田市

 舞鶴松と桜
Maizurumatsu
北杜市武川町三吹

天然記念物の見事な松の緑に桜が映える、 純和風的な空間。

 


 身延山久遠寺のシダレザクラ
Minobusan Kuonji
身延町 身延 3567

樹齢400年のシダレザクラ。
訪問者が多く、混雑甚だしい。

 


 恵林寺庭園の桜 
Erinji temple, home of Shingen Takeda
甲州市塩山小屋敷

武田信玄ゆかりの寺。名勝庭園の孤高のしだれ桜を重文の本堂から眺める。水音と庭園の美しさに癒される。

 


 昇仙峡の桜
Shosenkyo

金桜神社の桜景観が立体的で美しい。

 

20長野
Nagano

素桜神社の神代ザクラ 天然記念物
Suzakurajinja Jindaizakura
長野市大字泉平

シロヒガンの巨樹として代表的。根回り9m、目通り周11.3mの幹の下方から三大枝幹に分かれ、枝が折損しているものが多いが、花は盛観を呈する。推定樹齢1200年。

 
資料:長野市


 佐久 新海三社の桜
Shinkai sanja
佐久市田口2394

頼朝ゆかりの山奥の神社。元は神仏混合であった。重文の三重塔越しに静かに楽しむ桜。

 

 佐久 龍岡城の桜
Saku Tatsuoka castle
佐久市田口

史跡五稜郭の幾何学遺構と桜の対比が面白い。

 

 佐久 旧中込学校の桜
Nakagomi school
佐久市大字中込1877

学校と桜は定番。 重文の擬洋館建築に地元の教育にかける想いを重ねる。

 


 中山道八幡宿の桜
Yawata
佐久市布施128

道祖神をやさしく包む桜。

 


 立科 津金寺の桜
Tateshina Tsuganeji
立科町山部279

寺の境内に咲き乱れるかたくり、水芭蕉、ニリンソウ等々、野の花と桜が楽しめる。

 


 立科 笠取峠の桜
Tateshina Kasatori pass
立科町芦田

アーネスト・サトウが絶賛した峠風景をさらに際立たせる桜。

 


 長和 笠取峠の桜
Nagawa Kasatori pass
長和町

峠の北側にたたずむシダレザクラと周囲の牧歌的景観を楽しむ。

 


 上田城の桜 
Ueda castle
上田市二の丸

史跡の城址全域を埋める桜。堀と櫓をバックに桜が引き立つ。

 

 上田 別所前山寺の桜
Ueda Zenzanji
上田市前山300

門を飾る桜と奥にそびえる重文三重塔の立体的構図を楽しむ。

 

 上田 別所中禅寺の桜
Ueda Cyuzenji
上田市前山1721

小さな重文薬師堂に降りしきる花びらのメロディを楽しむ。浄土に近い景色。

 


 上田 丸子虚空蔵堂の桜
Ueda Kokuzoudo
上田市東内4313

重文建築の入母屋のフォルムを桜が引き立てる。

 

 上田 霊泉寺温泉の桜
Reisenji onsen
上田市霊泉寺温泉

湯治温泉街の奥にたたずむ桜の大樹。根元に祠を持つ。人々が病気平癒を願った。

 


 沓掛温泉の桜
Kutsukake onsen
青木村沓掛

日本の原風景のような桜の情景。谷を渡る鯉のぼりの動きと桜が調和する。

 

 伊那 高遠
Ina Takato
伊那市高遠町

史跡の城址に咲き誇る見事な桜。混雑と騒音とトイレ問題の三重苦が待ち受けるが、中央アルプスを遠望し城下を俯瞰する光景は見事。

 

 山形村
Yamagatamura

道祖神と農村風景に溶け込む枝垂れ桜。

 

 松本 島々
松本市 島々
Shimashima

徳本峠に発する急流に沿って植えられた桜並木。水音をBGMに楽しむ。

 

21岐阜
Gifu


 本巣 根尾谷薄墨ザクラ 天然記念物
Motosu Neodani Usuzumizakura
本巣市根尾板所字上段995

三大天然記念物桜。シロヒガン。エドヒガンの代表的巨樹。
樹勢が衰えたので、昭和24年山桜の若根238本を根継ぎするなど保護回復を図った。
樹高17.2m,目通り周約9.1m,枝張り東西23.9m,南北21.2m。

 


 岐阜 中将姫請願ザクラ 天然記念物
Gifu Chujohime Seiganzakura
岐阜市大洞1-21-2 願成寺

ヤマザクラから突然変異した珍しい桜。花の色は白で、花径は約3.6cm。
現在、幹が朽ち根元から枝が成長している。樹高8.1m。
中将姫が願成寺の観音を慕い当麻寺から来て、病気や難産を救うため植えたとか、中将姫が逃げのびてこの地で病気となり、その平癒を観音に願って植えたとか伝えられている。

 

 高山 臥竜の桜天然記念物
Takayama Garyu no sakura
高山市一之宮町226-2

大幢寺の境内、南斜面にあるエドヒガンの老大木で、樹高15m、目通り周7.3m。推定樹齢1100年。
4本の太い支幹の先に東西20m、南北29mの枝が張っている。南にのびる支幹は一旦ほふくしてから立上り、臥竜のサクラの名のおこりである特有の樹容を生み出している。
エドヒガンの名木老樹として有数のもの。

 

 高山 荘川桜
Takayama Shokawazakura
高山市荘川町

ダムの湖底に沈む予定だった老桜を湖畔に移植したもの

 


 池田 霞間ヶ渓(かまがたに)のサクラ 名勝・天然記念物
Ikeda Kamagatani no sakura
池田町藤代

大垣北部、池田山の一角にある渓谷。
樹種はヤマザクラを主としてヒガンザクラを交え、多数の天然変種を有する点が学術上有益である。
江戸時代、入会地の乱伐により洪水を引き起こしたため、たびたび鎌留という伐採禁止が行われた。
植生の変化によりヤマザクラが多く育つようになる。
明治14年(1881)山裾にソメイヨシノなどを移植し、名所となった。
大正2年の近鉄揖斐線開通によりさらに名声が高まった。
桜と経済活動、環境保全との良い教材。

 


 大野 揖斐二度ザクラ 天然記念物
Ono Ibi Nidozakura
大野町南方

非常に珍奇なサクラ。
一本の樹から多くの枝を出し、枝ごとに一重のものと八重のものがある。さらに、八重咲きの中には二段咲きになる花もある。八重咲きの花にも早咲きと遅咲きがあり、早咲きが盛りの頃に花芯に新しいつぼみを持ち、早咲きの花が散る頃に小さめの花が開く。
現在は3代目。

 


 高山祭りの桜
Takayama
高山市

重要伝統的建造物群保存地区に指定された渋い街並みもこの日は人であふれかえる。
日暮れとともに高山祭の山車が宮川を渡り、川沿いの夜桜との幻想交響曲。
団体客一色だが一見の価値あり。

 

 高山 万石 円空しだれ桜
Takayama Yorozuishi Enku shidarezakura
高山市万石

 


 海津の桜
Kaizu
海津市南濃町吉田

山の緑と桜のコントラストが美しい。
海津市、養老町一帯の山裾には、養老公園を含め多くの桜の名所がある。
近所には「月見の里」と呼ばれる月の名所があり、夜桜越しに月を愛で、眼下に濃尾平野を見下ろすことができる。


 


22静岡
Shizuoka


 狩宿の下馬ザクラ 特別天然記念物
Kariyado no Gebazakura
富士宮市狩宿

日本五大天然記念物桜。
シロヤマザクラの一変形に属する代表的巨木で、若葉は赤色、花は初め淡紅色、後白色となる。
地上1mにおける幹囲8.5m、枝張東西21.8m、南北16.3m。
頼朝下馬桜、駒止桜、駒繋桜などの別名がある。

 

 富士山本宮浅間大社 
Fujisan Hongu Sengentaisha
富士宮市宮町1-1

木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)を祭る重文建築。
隣接する特別天然記念物、湧玉池の湧水とともに清浄な神域を形成する。

 


 伊豆高原の桜
Izukougen,Ito
伊東市八幡野

伊豆高原駅から約3kmにわたって続く桜並木は約1500本のソメイヨシノが主だが、河津桜の人気に刺激され、平成16年、河津桜と同種の早咲きの桜で、3月中旬に開花するオオカンザクラ(早咲きのオオシマザクラとカンヒザクラとの交配種)を200本植樹し、将来の桜の名所を祈念して「伊豆高原桜」と命名した。

 


 伊東さくらの里 
Ito sakuranosato cherry park
伊東市富戸

大室山の山すそ4haに35種3000本の桜が植えられている。9月中旬から桜が咲き始め、寒桜、ソメイヨシノから5月の佐野菊桜へと、8ヶ月にわたり桜を楽しむことができる。
1種類の桜の集積を短期間楽しめるのも良いが、このように多種類を少しづつ植栽し、いつ訪問しても桜が見られるという戦略も重要だ。

 


 河津桜 
Kawazu cherry blossoms 
河津町

昭和30年頃、河津川沿い豊泉橋上流で発見される。花が咲いたのは昭和41年1月下旬。
その後の調査で新種の桜と判明し、昭和49年に河津で生まれた桜にちなんで「河津桜」と命名された。
早咲きのオオシマザクラとカンヒザクラとの自然交配種。ソメイヨシノに比べ、咲き始めから終わりまでが1ヶ月以上と長い。

 

 南伊豆 下賀茂のみなみ桜 
Minami Izu Shimogamo
南伊豆町下賀茂

下賀茂温泉に本州で一番早く咲く。「みなみの桜」と命名された桜は、河津桜と同種の早咲きの桜。2月上旬から3月中旬まで青野川の川沿い2Kmに咲く。桜並木と菜の花のコントラストが美しい。

 


 下田 稲梓の桜
Shimoda, Inazusa
下田市逆川

小高い丘の農家の屋敷に咲くピンク色の早咲きの桜。なんということもないが、農村景観と調和し美しい。

 


 松崎の桜
Matsuzaki
松崎町

2月中旬から様々な種類の桜が開花する。3月下旬頃から那賀川沿いの6kmに約1500本のソメイヨシノが一斉に開花し、4月上旬まで楽しめる。
大沢温泉付近の田は一面のお花畑となり、桜と菜の花とのコントラストが美しい。
桜餅用の葉桜収穫は日本一。

 


23愛知
Aichi

木曽川提のサクラ 名勝 天然記念物
Kisogawa tsutsumi no sakura
江南市、一宮市

明治18年堤防の両側に植栽したもの。ヒガンザクラ、シダレザクラを中心に少数のヤマザクラを交えた。
紅白の花色、花形の大小種々あり変化に富み、この種類の桜を多数植栽した名勝として有名。

 
資料:江南市


 豊川 三明寺
Toyokawa Sanmyouji
豊川市豊川町

駅に近いけれど閑静。重文の古刹の黒と淡白な桜の白のコントラストを味わう。

 


24三重
Mie


三多気のサクラ 名勝
Mitake no sakura
津市三杉町三多気

アサヒザクラ(旭桜)を主とする。
標高約986mの大洞山南麓に近く県境丘陵にある真福院門前から南方1.5km、参道の両側に400本程献木列植されたもの。
種類ごとに微妙な差ができ長期に花が楽しめる。真福院は真言宗の寺で、約1100年前に醍醐寺を開き、修験道中興の祖として大峯や吉野に関わる理源大師が開いたとされる。師が桜を植樹したのが始まりと言われ、特に伊勢国司初代北畠顕能は、一族の祈願所と定めて、上多気の北畠氏館から飼坂を越えて真福院山門まで8kmあまりの旧伊勢本街道沿いに桜を植えたと伝えられている。
開花時には花のトンネルができ、棚田と桜の調和する立体的景観もすばらしい。

 (5月初旬)

白子不断ザクラ 天然記念物
Shirako Fudanzakura
鈴鹿市寺家

一年中断えず開花結実する桜で、厳寒の頃でも緑の葉を持つ。不断桜と称するものは他にもあるが、四季花葉を生じるものは稀。

 


25滋賀
Shiga


 北琵琶湖
Biwako

濃い八重桜と青い湖、周囲の緑と白いダイコンの花。桜の先に竹生島を遠望する。
集落の街並も古風で、なつかしい光景が展開する。

 


26京都
Kyoto

御室のサクラ 天然記念物 
Omuro no sakura
右京区御室大内


優美なサトザクラで数百株ある。矮生で、根元から数十の枝を生じ、ツツジのような状態を呈する。 矮生の理由は、土質が良くないからと言われている。


 塩釜神社の株


常照寺の九重ザクラ 天然記念物
Joshoji no Kokonoezakura
京都市右京区京北井戸町

目通り周3.6m、枝張11mに逹する。枝條が長く垂れ樹形が美しい。
ベニシダレザクラの名木。

 
資料:京都府

 醍醐寺の桜
Daigoji
伏見区醍醐東大路町

国宝の寺院建築群と特別名勝三宝院庭園を持つ寺に咲く秀吉ゆかりの桜。
人ごみを避け雨の日の訪問も良い。

 

 円山公園
Maruyama park
京都市東山区

与謝野晶子の歌のとおり、情緒豊かなしだれ桜は夜が秀逸。

 


 栂尾
Toganoo
京都市右京区梅ケ畑

国宝高山寺から重文の神護寺にかけて、山の斜面を彩るツツジと川沿いの桜。
周囲のモノトーンに花が映える。

 

27大阪
Osaka

28兵庫
Hyogo

樽見の大ザクラ 天然記念物
Tarumi no Ozakura
養父市

高さ約20m、目通り周5.1m、根廻り約8m、地上約2mのところで数個の枝にわかれ、また樹幹に凹凸が甚しい。すでに枯損の個所が多く樹勢はやや衰えているが、ヒガンザクラの巨樹として有数のもの。推定樹齢1000年以上

 
資料:養父市

29奈良
Nara

 吉野山 史跡 名勝
Yoshinoyama
吉野町

吉野は斉明天皇以来天武持統文武天正聖武等歴代御幸の地であり金峰の信仰で山上隆盛を極めたが、元弘建武より吉野朝との関係が特に深く史跡として世に知られるに至った。
吉野はまた桜の名所として来歴の古いことと樹数の多いことで全国に冠たるもの。
シロヤマザクラの純系統で十万本に達する。
全山中の樹種で桜が最も多く、一目千本と、花期には全山が桜で覆われる。中千本上千本奧千本等、標高によって花期が異なり、国宝重文建築に映える桜、晴雨に従い変化する桜の景観の幽玄さ、壮大さは他に類を見ない。

 


知足院ナラノヤエザクラ 天然記念物
Chisokuin Naranoyaezakura
奈良市雑司町

花冠は中輪で重弁、淡紅色、花梗に毛がある。
同種の桜は稀に他にもあるが、知足院にあるものは原樹と認められる。
「いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重に にほひぬるかな」(伊勢大輔)と古歌に詠まれた八重桜

 
資料:奈良市

 宇陀 片岡家
Uda Kataokake
宇陀市大宇陀区田原

重文民家のシンボルとなっている。茅葺屋根に桜が映える。

 

 宇陀 仏隆寺
Uda Butsuryuji
宇陀市榛原区赤埴1684

県天然記念物の千年桜。
 

30 和歌山
Wakayama

31 鳥取
Tottori

32島根
Shimane

三隅大平ザクラ 天然記念物
Misumi Obirazakura
浜田市三隅町矢原

ヒガンザクラに似た一種で根周り5.4m、地上2mで六大支幹に分かれる。
高さ17m、枝の広がり27mにも及び桜の巨樹として有数のもの。推定樹齢約660年。

 資料:浜田市


33岡山
Okayama

34 広島
Hiroshima

35 山口
Yamaguchi

36 徳島
Tokushima

37 香川
Kagawa

38愛媛
Ehime


千疋のサクラ 名勝
Senbiki no sakura
今治市

高縄半島のほぼ中央部、標高1042mの楢原山頂にある奈良原神社の参道にあたる千疋峠、仏峠に群生したヤマザクラを総称したもの。
南朝方の兵一千騎の馬をつなぐにあまりあるほどの桜があったことに由来するといわれ、南北朝ゆかりの桜の名所として知られている。
吉井勇が訪れ「大君の桜咲きけりかしこみて千疋峠の花をおろがむ」の歌を詠んだ。古くは「四国の吉野」と形容された千疋のサクラだが、近年では老樹のため次第に枯死し、昔日の面影は失われてきた。

 


39 高知
Kochi

40 福岡
Fukuoka

41 佐賀
Saga

42長崎
Nagasaki


大村神社のオオムラザクラ 天然記念物
Omurajinja no Omurazakura
大村市玖島1丁目

花は2段咲きで、外花と内花が1本のめしべで串ざしをしたようになっており、がく片と花弁の数が多いことが特徴。がく片は10枚あり、花弁も少なくとも60枚、多いもので200枚にも及ぶ。花色はつぼみの時はえび茶、満開時はピンクとなり、極めて優美でサトザクラの逸品と言われている。
大村神社を中心に約300本植えられている。

 会津松平氏庭園の株

43 熊本
Kumamoto

44 大分
Oita

45 宮崎
Miyazaki

46鹿児島
Kagoshima

ヒガンザクラ自生南限地 天然記念物
Higanzakura southmost area
湧水町川添 栗野岳

栗野岳の山腹で、多数のヒガンザクラが自生する。

 資料:林野庁


47沖縄
Okinawa


荒川のカンヒザクラ自生地 天然記念物
Arakawa Kanhizakura jiseichi
石垣市字荒川

カンヒザクラ(緋寒桜)は、国内で最も早く開花する桜のひとつで、沖縄では1月から2月。
高さ6m、目通り周60cmほどのものおよそ300本のカンヒザクラが自生している。
石垣島のカンヒザクラは花の色が沖縄本島や奄美大島のものに比べると淡い。
石垣市荒川林道の起点から約560mの石垣公有林内にある。
沖縄本島では沖縄市知花に昭和のはじめまで自生地があったが、今は失われており、荒川の自生地は唯一のもので学術上貴重である。

 


参考資料:文化庁、各自治体ほか

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