Ver.2010 7/7 瀧山幸伸

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グローバル新時代の都市開発 〜持続可能都市(サステイナブルシティ)に関する研究〜

タウンマネジメントとPPP 行政民営化への戦略


持続可能都市であるためには、その都市が財政的にもサステイナブルでなければならない。今の日本では多くの地方自治体が借金に苦しんでおり、都市インフラの老朽化が進んでいるのに資金が回らない。行政サービスの費用対効果が問われているが、当の行政組織にはインセンティブが働かないため改革は遅々として進まない。PPP(Public Private Partnership)による民間活力の導入が叫ばれ続けてはいるが民間主導では何もできない。では、新しい町を開発するデベロッパーがひきつづきその町の行政サービスを受託し、設備更新にも関与する形態の「行政民営化」ならばどうか。日本には事例が無いが、アメリカには先進事例がある。行政事務を含め、地方自治体のほぼ全ての行政サービスを民間が受託するシステム、及び民間主導の理想的なPPPを普及促進させる新法の制定について、アメリカの事例を参考にしながら、デベロッパーが主導するサステイナブルで包括的なタウンマネジメント(行政民営化)の可能性と戦略を述べる。


1. 警察消防を除く全ての行政サービスを民間委託 〜米国 サンディスプリング市(ジョージア)

サンディスプリング市はジョージア州アトランタ北郊の丘陵地にある都市で、2005年の住民投票で新しく独立した。(資料21)
この地域はフロリダの北にあり気候が温暖であるとともにアパラチア山脈の南縁部でなだらかな丘陵地に森林が広がり、自然が豊かで四季の変化も享受できる。それに加えてアトランタは交通便がよく南部地域の中心都市でもあるので、全米からの企業移転と労働者及び退職者の移住が多く、世帯あたりの収入が高い。

 

世界で最初に行政サービスを民間委託した当市の設立と行政民営化の内容を追ってみよう。この地区の住民と行政を管轄するフルトン郡との間では、税金の使い方に端を発して1970年代から市の設立に関する立法闘争があった。市の設立以前、同地区では郡から警察、消防、公園、道路・交通のサービスを受けていた。サービス相当分として地区住民が支払った固定資産税が年55億円であったにもかかわらず、実際に使われた額は25億円で、生活水準、教育水準の高い住民は郡のサービスに不満を持ち、新市の設立を望んでいたのだが、州法がそれを妨げていた。
2005年に州法が改正され、住民投票で市の設立が可能となった。これを受けて住民投票を実施し、94%の賛成で市が設立されることになったのである。市政の準備委員会は、行政サービスの実務を行う方式として4つの候補の中から費用対効果を検討した。旧来の郡に委託するか、周辺の自治体に委託するか、自ら職員を雇用するか、民間委託するか、である。結果的に民間委託方式が採用された。委託先となったのが、CH2M HILL OMI (CH2M HILLの子会社)である。(CH2M HILLについてはマスダールシティで紹介) ちなみに、サンディスプリングス市の職員はシティマネジャー(市経営の最高責任者)含め4人であるが、警察が130人、消防が100人、CH2M HILL OMI社が135人という体制であり、隣のロズウェル市は同じ都市規模で市の職員が1200人だ。結果的に、サンディスプリングス市の固定資産税は0.47%であるのに対し、周辺自治体では0.6%から1.6%と、はるかに高い税率となっている。
サンディスプリングス市の成功モデルに影響され、周辺地区の住民も続々と5つの市として独立した。それらの規模は2500人から100,000人まで幅広いが、複数の自治体がサンディスプリングス市のモデルに準じてCH2M HILL OMIに行政サービスを委託することとなったため、住民も事業者もwin winの関係となった。行政のコストが下がっただけではない。サービスも向上している。安全、交通、都市計画、公園の4業務が主な行政サービスだが、サービス別に各事業者に委託するのではなく、1社のターンキーシステム(一括請負)なので、人員配置も柔軟で業務効率が高まる。例えば、米国の自治体には珍しい「24時間の人による電話応対」が始まり、即答できたり処理時間が短縮されたりしたため、住民の満足度が格段に向上した。また、建築確認においては、処理時間が短縮され、書類の数が減り、警察消防との協議期間が短縮されたりと、具体的で目に見える効果が現れたため、「サンディスプリングス市は仕事が早い」と評判が立ち、企業誘致に貢献することにもつながった。道路補修用の機材を各市が別々に持つ必要が無い点もメリットだ。エンジニアリング・ゼネコン系のCH2M HILLならではの特技を活かしたものだろう。もちろん危惧もある。委託先が倒産したり契約義務を果たさなかったりしたらどうなるのか。倒産の場合には委託先の職員を一括で市が引き取り継続的な運営を担保する契約となっているし、委託先を監督する立場のシティマネジャーがそのサービス水準に納得できない場合、無条件に委託解除したり、幹部を交代させたりできるように契約で担保されている。

サンディスプリングス市の設立と 「行政民営化」に携わった張本人、オリバー・ポーター氏が新しい試みの経緯を詳しく説明していて興味深い。(資料22,23,24) また、ジョージア工科大学がサンディスプリングス市のPPPシステムのコスト検証を行っており、サンディスプリングス市は旧型都市のモデルに比べ住民一人当たりのコストが20%削減されたと分析している。日本でサンディスプリングスモデルの導入を研究しているのは東洋大学の根元祐二教授のグループで、ポーター氏の著書を翻訳したり、日本の四街道市とサンディスプリングス市を比較しながら日本での導入提言を行ったり、彼を招聘してセミナーを開いたりと、積極的に活動しているが、当の日本政府や地方自治体での実践は遅々としている。

受託側のCH2M HILL OMIはジョージア州以外にコロラド州のセンテニアル市やキャスルパインノース市などでも行政サービスを受託している。グローバルに展開するエンジニアリング会社の戦略と成功例は、デベロッパーの付加価値及び事業領域拡大の参考となると思われる。規模ははるかに小さいが、日本で注目すべき受託者の例として、ファーマーズ・フォレストを挙げたい。宇都宮市が百億円以上かけて開発したにもかかわらず経営破たんした農業公園「ろまんちっく村」の運営を受託し、一年で黒字化した。日産を脱サラしてベンチャー経営者となり、既存システムを破壊しながら再構成する力量が今後の事業拡大を予見させ、注目に値する。(資料25)



2. 米国の先進的PPP法制 〜ヴァージニア州のPPEA法

行政主導のPPTA(1995)法から民間主導の提案型PPEA(2002)法への進化 

公共施設の有効利用を提案しても無視されたり、コンペの提案内容(知的所有権)が行政に盗まれたり競合他社に漏れてしまったり、設計や仕様書に無駄があったりと、日本のPPP制度は「官主導」であるため不完全なものである。同様に、米国でも以前は行政主導の不完全なPPP制度であった。ヴァージニア州においてもオリジナルのPPTA法(Public Private Transportation ifrastructure Act)は不完全であった。その問題点を改正し、民間主導のPPPが可能となる法律が2002年に州法として制定された。このPPEA法(Public Private Education facilities and infrastructure Act(資料26、資料27))は考え方が先進的であり実務的でもあるため、150以上の学校、病院、庁舎など多種多様な施設でPPP事例が実施されている。日本での導入の手本となる制度であり、この法律の制定と関連法制の改定により、各省庁ばらばら、地方公共団体でもばらばらであったPPPへの取り組みが一元的に体系化されることが可能となる。例えば、学校敷地や公立病院、あるいは道路や河川の余剰地を利用して、あるいは立体化して住宅や老人向け施設を設置することが原則として可能となる。現在は行政財産一般財産ともに担当部局が所管する目的以外の併用や転用、そのための権利設定は原則として禁止であるが、180度の価値観転換が図られ、遊休資産の活用や老朽資産の更新などにより、地域の活性化にも貢献するであろう。

この制度の骨子は以下のとおり非常に優れているので、結果的に最初に提案した民間事業者が事業機会を得る場合が非常に多い。

・運用ガイドラインが明確(資料28,29)
ガイドラインが詳細かつ明文化しており、「行政指導」のように行政組織が恣意的に解釈運用することができないため、提案者側と行政組織との間に信頼関係が構築できる。

・VFM(Value for money)が価値判断の基準
税金を節約し最大限の効用をもたらすために公共の資産を有効利用し民間の知恵と資金を導入する。民間の提案であれば市場化テストをするまでもない。日本の行政組織がよく主張する、建前だけの公平公益性、永続性、担保性、民間は信用できず行政組織は完全無誤謬、というような偏った価値基準ではない。

・民間主導 
民間(法人個人を問わない)が自由に事業対象、事業方式、コンセプトや仕様などを提案できる。この法律においてはあらゆる施設が対象となるが、日本ではどの施設をPPPの対象とするか、どういう仕様や方式で行うかは行政組織の判断である。日本でも我孫子市では「提案型公共サービス民営化制度」(資料30 )により、全ての「事務サービス」を対象に民間からの提案が認められている。この方式は事務サービスだけが対象だが、それをPRE(公共不動産)の有効利用に発展させればPPEAに近いシステムが見えてくる。

・知的所有権の保護
コンセプトなど、アイデアの核心部分は秘密扱いにできる。コンペ向けの提案内容が漏れるということはない。

・合理的な審査
提案者から一定の審査料(5万ドル)が支払われ、行政組織はその審査料の範囲で必要に応じて専門家に委託して提案を審査し、残額は返金する。このようなシステムにより、行政組織や御用委員会による恣意的な審査は排除される。

・文書による回答と透明性
行政組織が提案を拒否する場合、その理由を明示して文書で回答しなければならない。もちろんその情報は公開されるので、透明性が担保される。

・入札以外にネゴ方式(競争的交渉)が可能
提案が行政組織から拒否されない場合、入札以外の方法として1対1のネゴシエーションによる内容変更等が可能である。一見画期的に見えるが、ネゴシエーションは民間では普通に行われていることであり、PPPの価値基準が「市民にとって良いことは、行政組織も民間も問わない。市民へのVFMが重要」との理念から、この方式が導入された。

・厳重な監査と徹底した情報公開
厳重な監査と徹底した情報公開が行われるため、入札やネゴシエーションによる手続きの不透明さが排除される。


3. デベロッパーがタウンマネジメント(行政サービス)を行うことの意義

「歳出の無駄」を著した東大の井堀教授によれば、地方公務員のみを取り上げても、事務職員の人件費は民間に比べて一割から二割高く、現業部門の公務員においては二倍から三倍高い。地方公務員の人件費総額を二十兆円として、民間に委託すれば18%、3兆6千億円の削減が可能としている。(資料31) 
さらに、ITの活用により現業部門まで含めた統合管理と複数の地方自治体からの一括受託がもたらす効率化を加味すれば、包括的な民間委託により現在のコストの三分の二から半額で行政サービスが運営できると考えられる。この削減部分の付加価値を「主権者たる住民」と民間が分かち合うことがPPPの理想だ。「民間」といっても幅が広い。このような大規模で総合的な行政サービスを受託できる民間はそう多くない。社会性ある業務なので信用が重視され、都市開発や運営の総合ノウハウが問われる。小さなNPOでは無理だし、大企業であっても商社やゼネコンなど個人サービスが苦手な民間は難しいだろう。幅広い施設とサービスのノウハウを持つ総合デベロッパーがこの分野に進出するのは必然性があるのではなかろうか。

理想的には都市開発の責任者が継続的に都市運営を行うほうが、円滑かつ合理的で責任ある運営と施設の更新が行われるはずである。それを実現したのが、百年前にハワードが提唱した「田園都市」の第一号レッチワースである。ロンドン郊外のこの町の開発も運営も、ハワードの理念に賛同しその町に住みたいと希望した人々が組成した会社により行われた。田園都市以外では、海外における総合リゾートや鉱山町は、それ自体が小宇宙として自律型の地方自治体を形成している場合も多く、開発と運営が一体化した良い例だ。鉱山都市は企業による都市開発、都市運営があたりまえである。日本でも大資本が手掛けた鉱山町はこの形に近い。例えば「日本一住みやすい町」と言われていた長崎の軍艦島は三菱による開発と都市運営である。自治都市の堺などもこの形態であった。これらの都市開発と運営については別途詳述するが、このような特殊ケースを除き、通常の日本の都市開発は、開発段階での主体であるデベロッパー(公団公社民間を問わず)と、運営段階での主体である行政組織とで実務の主体が異なっていた。デベロッパーは行政組織から許可を得て開発し、行政組織に道路などのインフラを「上地」する。明治維新後、官主導で行政組織(市民が創った公共団体ではなく上意下達の統治機構)が設立され、その行政権力のもとに都市計画と開発が行われてきたため、「お上」の統治が当然のことと認識されてきた。日本でのPPPがうまくいかない一因として、行政組織と民間は対等ではなく民間は地位が低いもの、という間違った価値観(発注者と請負者の「甲乙関係」)があることは否めない。

そこで、デベロッパーがタウンマネジメント(行政サービス)を行うことの現実性を検証するため、新規に一つの町を創り自ら運営するモデルを仮定してみよう。既存市街地から地理的に隔絶されたまっさらな土地に、デベロッパーが新規に都市(わかりやすくするため、デベロッパーが開発してきた規模の5000人,2000世帯程度の町モデル)を開発し、新住民が住み始める。新都市の住民は既存自治体から独立する。その新自治体において、デベロッパーが「タウンマネジメント(行政サービス)の一括受託(民営化)」を行うというシナリオが現実的なのかどうか。机上の空論とならないよう、上記田園都市や鉱山都市、自治都市の事例を紹介した後にそれらと比較しながら詳述するが、このシナリオを検証することは、財務体質が悪化している日本の地方自治体を救うのはもちろんのこと、デベロッパーとしても新しいビジネスチャンスあるいは既存ビジネスへのシナジー効果が期待され、意義があると思われる。このシステムがモデル都市で成功すれば、複数自治体からの受託により、集約多機能化、運営費用の削減を図ることが可能となり、規模のメリットも享受できるであろう。 ゆくゆくはグローバル展開し、海外都市(例えば中国の新都市)の運営も受託できるのではなかろうか。日本の民間企業のマネジメント(戦略的なマネジメントではなく、行政のようなハウスキーピング型のマネジメント)とサービスは秀逸であるから、グローバルでの競争力があるのではなかろうか。


4. 地方自治のあるべき姿とデベロッパーの役割

行政民営化の理念を、民主主義の根本に戻り整理しておきたい。真の自治とは、法規制で与えられるものではなく 「住民の総意でゼロから創る」ものであろう。デベロッパー(公共民間を問わず)の役割とは、「住民と共有する理念に基いて都市を開発し、そのまま都市運営者となり責任を持って市民生活を支える」ことであろう。地方自治体の問題を解決するには、以下の理念と戦略を再確認する必要がある。

・「団地自治会、地域協議会の拡大版」 
大川端リバーシティのような複数賃貸マンションを束ねた団地自治会が町として独立するという発想、あるいはサービスアパートメント、ホテル、リゾートクラブなど、サービスに優れた住居系サービスの拡大発展版としての行政サービスという発想であれば、考え方の飛躍が少ない。自治会=行政組織, 自治会長=町長(デベロッパー出身)という例えがわかりやすい。 

・「デベロッパーが既にやってきたこと」
保有と運営の一元化により、利用効率の最大化と新陳代謝の円滑化を図る。田園都市のレッチワースのように、土地建物は原則としてデベロッパーが保有し、会員制クラブに近い形で運営することにより、住民、利用者の権限をコントロールしやすいため、理念に沿ったタウンマネジメントを行うことができる。行政サービスを受託する会社におけるバックオフィス業務は、集合住宅・ビル・商業施設の運営ノウハウとほぼ同じであり、住民への窓口業務はホテル運営のノウハウと同じだ。欧米では「ホテルは24時間サービスのミニ都市」と言われている所以である。住宅、ビル、商業施設などの複合サービスを統合する総合デベロッパーは、既に実質的な都市運営を行っていると言える。問題は、サービスの原資(税金)が全て行政組織に吸い上げられてしまい無駄使いされるという現在の制度だ。例えば、マンションやビルの前の道路にゴミが落ちていても、SCに入る車が渋滞していても、そこが行政の道路である限りデベロッパーが関与することはできないが、都市全体を一元的に運営することができれば、住民へのサービスが向上し、無駄なコストが削減できることは容易に推察できる。

・「官民の規制ギャップにビジネスの芽」
官でしかできない事業、民でしかできない事業が、当モデルの行政民営化(官民形式分離実質一体)のシステムで可能となる。例えば、民間が公共インフラの開発や運営に関与することへの規制、民間が教育や医療や農業などに関与することへの規制、行政組織がプライベートサービスや宗教へ関与することへの規制が回避されるメリットがある。

・「創生型の自治」 
与えられた自治ではなく、「人民の、人民による、人民のための、最大幸福をもたらす町」の理念に賛同し、それを実現するために住民が集った、創生型の地方自治体が理想的である。新しく町を創る、あるいは町を再生させるという、デベロッパーの役割は、このような創生型の自治に向いている。このモデルがパイロット事業などで評価されれば、既存自治体の変容も容易となろう。

・「ミニマムコストでマキシマムバリューを」 
他の町と同じ税金であれば、クオリティオブライフが最も高い町、最も幸せに暮らせる町に住みたいという自己実現欲が満たされる町が理想的である。地方税が同じだったら最も幸せに暮らせること、財政収入規模は他と同じ、支出規模も同じだが、効率の良い案件に支出することができる町、集約多機能化により初期公共投資、運営費用の削減が可能な町とも言える。

・「郵政民営化に比べれば」 
郵政、NTT、JRが民営化できるならば、地方行政サービスの民営化は画一的で難しくないし、賛同者も多いのではなかろうか。会計などのアカウンタビリティや財務戦略、情報管理も今や民間のほうが厳格かつ優れている。例えば旧住宅公団や住宅公社は、デベロッパーとしての機能もオペレーターとしての機能も、量から質への転換が求められる今日のニーズにマッチしていないので、このギャップにもビジネスチャンスはある。

・「IT活用」 
IT活用も民間のほうが進んでいる。コールセンターなどのシステムを整備している民間が、ITを活用して統合的かつ高度なサービスを行えば、コスト削減が図れると同時にサービスの付加価値も向上する。例えば、広報活動一つとってみても民間のほうがVFMが高いのではなかろうか。


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補足 既存公共団体から分離独立する場合の法規制

新規開発された町が既存公共団体から分離独立(分立)するための法的根拠は、地方自治体の廃置分合に関する規定として地方自治法で決められている。

地方自治法第七条
市町村の廃置分合又は市町村の境界変更は、関係市町村の申請に基づき、都道府県知事が当該都道府県の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。
前項の規定により市の廃置分合をしようとするときは、都道府県知事は、あらかじめ総務大臣に協議し、その同意を得なければならない。

分立とは、1個の市町村を存続させたまま一部の区域を新しい市町村として分離する分割方法であり、分離前の市町村の首長と議員は当然には失職せず、新設市町村の区域に住所がある議員は被選挙権を失うので地方自治法127条による議会の資格決定の議決によって失職する。首長の被選挙権資格には住所要件がないので新設市町村に住所があっても失職しない。分離されて設置された新市町村で首長と議員の選挙が行われる。分離、または俗に「分市(町・村)」ともいう。 いずれも、地理歴史や交通体系、住民の生活圏が異なる複数の地域を併せ持っている市町村で実施されることが一般的である。 第二次世界大戦中に国策で合併した町村が戦後に再分離されたり、昭和の大合併で合併した町村が新市町村内の対立で分離されたりするという例があった。

サービス項目別検証は以下の事務と現業に分けて検討する必要がある。
一般行政事務、上位機関からの委任事務、現業サービス (上水、下水、発電、教育、民生(保育、介護、病院)、都市整備(土地利用、メンテナンス)、消防、警察、収監矯正など)
これらのうち、「公権力の行使」が強く必要な、警察と消防業務は民間委託の議論が尽くされていない。それ以外は問題なく委託可能であるが、関連法制度の整備は必要だ。


行政民営化への法規制対策はどうすればよいか。

可能な限り現行法での対応を行うが、法改正が必要な場合、具体的な改正案を提示する。日本版PPEA法の導入に際して、会計関連法、地方自治関連法、教育関連法、その他法令の付随改正が必要となる。法制度の改正において旧勢力や利益相反者からの妨害があった場合、特区などの手段ではうまくいかないと思われる。最後の手段としては、国際機関のプロジェクトとし、治外法権カードを持っておくことも想定すべきだろう。例えば青山のUNESCO国連大学内が治外法権であるように、UNEP(国連環境会議)やUNDP(国連開発機構)、温暖化で水没の危機が叫ばれているツバル共和国などのプロジェクトとして、治外法権を利用した開発運営もありうるだろう。

海外事例検証

PPP/PFI 官は所有権と支配権、民は運営権 (ホテルのオーナーとオペレーターのような関係。最終的な所有権の帰属はフレキシブル。)
ヴァージニア州 PPEA法 PPTA(1995)法からPPEA(2002)法への進化 完全自由な民間提案制度 民間提案のイニシアティブ 
サンディスプリング市(GA) センテニアル市(CO) 民間が一般行政サービスや道路管理を受託
ユニオンステーション再開発(DC)
ザビレッジ(FL) デベロッパーと住民が運営するリタイアメントコミュニティ

日本での事例
美祢社会復帰促進センター
世田谷ものづくり学校
ヤマト運輸南魚沼コールセンター
大野城市 http://www5.cao.go.jp/koukyo/chihou/kenkyu/kaigi/2010/0216/100216-3-2.pdf
愛知県高浜市
藤沢市

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資料21 サンディスプリングス市 wiki
http://en.wikipedia.org/wiki/Sandy_Springs,_Georgia

資料22 オリバー・ポーター氏の論文 
http://reason.org/news/show/public-private-partnerships-fo-1
AT&T(米国通信会社)役員退任後、住まいのあるサンディ・スプリングス地区の市としての独立にあたって、暫定シティマネージャー及び設立前の手続きを行うための州知事委員会委員長として、世界初の地方自治体経営でのPPPモデルを主導した。現在はPPPモデルの導入や、PPPの観点から経営改革を実現しようとしている全米各地域のアドバイザーとして支援活動を行っている。

資料23 オリバー・ポーター氏のPPPに関する著書 
自治体を民間が運営する都市—米国サンディ・スプリングスの衝撃(2009 東洋大学PPP研究センター/サム田淵・根元祐二 時事通信出版局)
原著 "Creating the New City of Sandy Springs"及び"Public/Private Partnerships for Local Governments" (AuthorHouse: 2006 and 2008)

資料24 「ここまで来た官のスリム化〜米国PPP最前線」 日経グローカル No.109 2008.10.6

資料25 ファーマーズ・フォレスト
http://www.farmersforest.co.jp/index.html

資料26 ヴァージニア州 PPEA関連全体
http://dgs.state.va.us/PPEA/tabid/62/Default.aspx

資料27 PPEA 法律本文 
http://leg1.state.va.us/cgi-bin/legp504.exe?ses=021&typ=bil&val=sb681

資料28 PPEA 手続きガイドライン 
http://dgs.state.va.us/LinkClick.aspx?fileticket=H9WdcbwMscY%3d&tabid=62

資料29 具体的な提案資料(ジョーダン社が提案した南西ヴァージニアメンタルトレーニングセンター) 
http://dgs.state.va.us/Portals/0/DGS%20Content%20Files/SEVTC%20Proposal%204-24-09.pdf

資料30 我孫子市「提案型公共サービス民営化制度」
http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/19,64117,75,383,html

資料31 「歳出の無駄」(2008 井堀利宏 日本経済新聞社)