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栃木県日光市 明治の館(旧Frederick W. Horn別邸)
Kyu Frederick Horn house,Nikko city,Tochigi

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Feb.25,2016 柴田由紀江

                                             


Mar.2010 撮影/文: 柴田由紀江


栃木県日光市山内2339
設計:不詳
構造:石造3階建て、地下1階、鉄板葺
竣工:不詳(明治末期)
国指定登録有形文化財

仏蘭西懐石ふじもと(旧Frederick W. Horn家住宅ガレージ棟)
栃木県日光市山内2339
設計:不詳
構造:石造及び木造2階建、鉄板葺
竣工:不詳(明治末期)
国指定登録有形文化財

この石積みの外観が美しい洋館は、日本に初めて蓄音機を紹介したアメリカ人貿易商F.W.ホーンの別荘として建てられました。

1977年より「明治の館」の名称で見事にリノベーションされ、素晴らしい保存状態で閑静な日光不動苑に佇んでいます。
建造物としての詳細は設計者も竣工時期も不明ですが、蓄音機の父と呼ばれたホーン氏が(株)日本蓄音器商会として現在の日本コロンビア社を発足したのが明治43年との記録が残されており、客人をもてなす為の別荘を建てたのも同時期だったのではないかと考えられます。

外観は直線が多く窓の配置などが左右対称で、18世紀にイギリスで流行したジョージアン様式を思わせます。

      

稲荷川の安山岩を用いた外壁は乱積風に見せながら精緻な石積技法を用いられており、その柔らかな色合いは野趣に富み、白い窓枠や緑色に塗られた木材と美しく調和しています。

     

テラス席にはガスストーブが用いられ、この時期の日中なら暖かく過ごせます。
その熱もなかなかの威力ですが、独特の音を出すのがまた異国情緒たっぷりです。
   

白い枠の瀟洒なドアを開けると、現在はレストランのフロント兼クロークになっていますが、明治の洋館の玄関としてはやや小ぶりで、やはり別荘として少人数の客人を迎える造りだったようです。
右手には窓からの陽光がきれいなサンルームとおぼしき部屋があり、現在はケーキショップとして使われています。
   

館の2階部分は、ホーン夫妻の寝室や客間が並んでいましたが、現在は予約席として少人数のパーティなどに使われています。
3階部分は物置になっており、立ち入り禁止でした。
      

1階に戻ると文明開化の情緒漂うハイカラな洋室にテーブルが並び、真鍮の照明器具にリバティプリントのカーテン、装飾控えめな白い格天井が素敵です。

       

日光不動苑の敷地内には日光山の修業場であった堯心房から命名された、精進料理専門店「堯心亭(ぎょうしんてい)」や、3週間煮込み続けたビーフシチューが絶品の洋食レストラン「游晏山房(ゆうあんさんぼう)」がひっそりと佇んでおり、小さな日本庭園には李登輝前台湾総統の植えられた河津桜があります。
  

そしてやや離れた一角に、ホーン家の住宅ガレージ棟、現在は「仏蘭西懐石ふじもと」が華麗に佇んでいます。
曲線の階段が印象的な外観は別邸と同じ安山岩で造られていて、バンガローのような意匠も見られ庇や切妻屋根を方杖で受ける形になっています。
内部のステンドグラスもあっさりとした図案で、真っ白な漆喰壁のダイニングには大きな梁がみられ、華美な豪邸ではなく田舎家風な洋館といった感じです。
和食器とお箸で頂く創作フレンチのお料理は栃木県内で収穫される高原野菜や有機栽培の野菜が使われており、焼きたての自家製パンの香ばしさはくせに成ります。
ご参考に2009年6月のショットも2枚追加いたします。テーブルに座っていても窓辺のモッコウバラが入り込んで来るかのような勢いで、季節ごとに違う顔を見せてくれる素敵なレストランです。

    

また、同じ系列のお店で少し離れた霧降高原の「山のレストラン」にも足を伸ばして参りました。
緑の生い茂った初夏の情景が一番素敵なお店ですが、大人気チーズケーキ『ニルバーナ』を食べに首都圏からいらっしゃ方も多いとのことで、此処はシーズンオフも平日も満席です。
360度パノラマ状態の大きな窓に、四方に配されたテラス、日光連山や霧降の滝を眺めながらカナダ気分でのランチは素晴らしいです。

      


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