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東京都台東区 浅草東武

Asakusa Tobu,Taitoku,Tokyo

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Feb.3,2021 柚原君子

東武鉄道浅草駅ビル
所在地:東京都台東区花川戸1-4-1
竣工 :昭和6年
設計者:久野節

東京スカイツリーが完成してから脚光をあびるようになった『東武鉄道伊勢﨑線・スカイツリーライン.浅草』駅舎。
竣工は90年前の1931(昭和6)年。
一度はビルの外観の模様替えが行われていますが、東京スカイツリーの開業に合わせて初期のビルへ忠実に復元工事が行われて、現在ではネオ・ルネサンス調の、華麗な創業当時の外観になっています。

駅ビルは今ではめずらしくありませんが、当時としては、池上電気鉄道(現東急池上線)の五反田駅の白木屋百貨店に次いで都内で2番目に完成した駅ビルです。
江戸通り、浅草通りの交わる5差路に正面があり、時計台を屋上に置いたビルは正面から仰ぎ見ると豪華客船の様に見えます。ビルは後方にゆうに150メートルは超えるだろうと思われるほど長く伸び、その先にホームが見えて鉄橋と電線があり東武電車の発着も見られます。ビル内のホーム側からは半円アーチの窓もそのままでレトロ感があります。

デパートは『松屋』が入っています。
1931年の開業以来、地下1階から7階、屋上にはプレイランドという遊園地もある営業をしていましたが、3階以上の営業を2010年5月に終了。現在は4階から屋上までを東武鉄道が商業施設「EKIMISE(エキミセ)」として2012年11月にオープンさせています。

東京スカイツリーの真下で育った私は、祖母と弟と一緒にデパートの大きな食堂でご飯を食べて、屋上の遊園地で遊ばせてもらい、盆と正月がいっぺんに来たような楽しかった経験を二度ばかりしています。

浅草という土地柄かまたは伊勢﨑線から下車する人々の関係かローカルな香りがします。デパートの2階はホームになっています。ホーム改札からデパートの中に入る石の階段は年代物で、階段室と呼ばれる階段途中の部屋も健在です。

設計は久野節(1882~1962)。鉄道省の初代建築課長。現在登録有形文化財になっている建築も多い(千葉県立佐倉高等学校旧本館、高島屋大阪店のある南海ビルディング、大阪府立三国丘高等学校同窓会館)
建ってから90年も経過して戦時の空襲にも生き延びているのだから、登録有形文化財になっても良いのになぁ、と思いつつ写真を撮りました。

                                  

            

 

 

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