東京都千代田区 丸の内 
Marunouchi,Chiyodaku,Tokyo

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 Flower
 
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Dec.18,2018 柚原君子

丸の内、銀座汐留クリスマス

1.丸ビル
『「北欧のクリスマス」をテーマに展開。メイン会場のマルキューブに設置された高さ8メートルの「Knit Tree with Yuming」は昨年に引き続きベルベッタ・デザインの長谷川喜美が手掛け、松任谷の「北欧の伝統的な模様のノルディック柄をモチーフにしたらどうか」という意見が取り入れられた。ツリー周辺には同柄の赤いオブジェが設置され、天井から吊るされたミラーボールや大きなボールと毛糸でつながったようなデザインで会場を彩っている。期間中は17時30分から15分間隔で松任谷の名曲に合わせてツリーイルミネーションが実施される。』……という説明ですが、点灯前に行ったので、そのままのツリーでした。しっとりと落ち着いたツリーで赤の色にとても品があり、トナカイも上品でした。
                
2,JPタワー
『西野カナが、屋内日本最大級の高さ約14.5mのクリスマスツリーとコラボレーションする。今回のコラボでは、2018年11月21日〜12月25日まで開催される、JPタワー商業施設「KITTE」のクリスマス・イベント【WHITE KITTE】にて、ライトアップ・プログラム「Bedtime Story Ver.」を実施。1階アトリウムの大きな吹き抜け空間に、まるで雪が降り積もったかのように真っ白な装飾が施された、屋内日本最大級の高さを誇るクリスマスツリーが登場。情緒あふれる音楽とともに、光の粒が天井から壁面を伝ってまるで雪が舞い散るように降り注ぐ様子を上映し、クリスマスの雰囲気を盛り上げる。』……という説明ですが、こちらも矢張り点灯前に行ったのでカラーグラデーションだけの楽しみとなりました。全体にくすんだ色の感じですが大きさには圧倒されます。このビルは屋上に庭園があって東京駅を見下ろせるカメラマニアにとっては絶好スポットです。
                                                            
3,JPタワー屋上庭園から東京駅
JPタワー屋上庭園より東京駅。ガラス越しでない東京駅を俯瞰できてとてもきれい。新幹線が頭を出してならんでいますし、在来線がいくつも行き来するのも鉄道フアンでなくても見応えがあります。
            
4,三菱一号館絵画館広場
『フィンランドの伝統的なモビール「ヒンメリ」をモチーフにしたオブジェ』……という説明。こちらもライトアップ前で夜の気配は想像するのみですが、ちょっとひんやりとしたクリスマスツリー。緑と赤の色もないので、単なるオブジェの様子も。
                


Aug.15,2015 瀧山幸伸 source movie

                                                                               





Apr.4,2014 瀧山幸伸


          



Dec.2013 柚原君子

                                                                 


May 24 and 26, 2013 野崎順次


東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー
KITTE (キッテ)
(JP Tower KITTE, Chiyodaku, Tokyo Pref.) 旧東京中央郵便局局舎を一部保存、再生し建設された『JPタワー』内に、地下1階地上6階、98の店舗から成る商業施設がオープンする。『KITTE』の名称には日本郵便が初めて手掛ける商業施設ということから「切手」と「来て」の二つの意味が込められている。内装環境設計は隈研吾が手掛け、各フロアごとに木材や瓦、織物、和紙など日本古来の素材を使用し、コンセプトである「Feel JAPAN」が表現される。 (タイムアウト東京HPより) 2階と3階には、日本郵便と東京大学総合研究博物館が協働で運営する公共貢献施設「インターメディアテク」(IMT)が誕生した。東京大学が明治10年の開学以来蓄積してきた学術標本や研究資料など、「学術文化財」と呼ばれるものを常設展示する。また、特別展示やイベントでは、最先端科学の成果や各種表現メディアのユニークな創造を随時公開する。入館料は無料。(ReseMom HPより) パンフレット       改装成った東京駅を眺める絶好のスポットでもある。         アトリウム            1階のショップ                 食堂フロア(5階)       屋上庭園(KITTEガーデン)と眺望          




Mar.24 2013 瀧山幸伸 source movie

東京中央郵便局ビル,KITTE

                  

         
三菱1号館
  

       

Dec.2010 瀧山博子

光都東京 Lightopia

                                                        

Jun 2010 野崎順次

撮影日: 2010年6月4日 しばらく(20年くらい)丸の内に来ていなかったら、町が見違えていた。アオリレンズでアオリきれず、上を向いて歩いた。涙がこぼれないようにではないが。   東京駅中央改札を出て、丸ビルを見上げ、南口方面を見ると中央郵便局が建て替え中。ファサードを残すとのこと。       JR高架沿いに歩くと、はとバス乗り場があり、その前(西)にはTOKIA。        西や北を見上げながら、信号を渡って、東京国際フォーラムへ。                以前はここらで一番高かった三菱東京UFJ銀行本店が小さくなる。
丸の内パークビルの前には復元された三菱1号館美術館ができている。それから三菱ビルへ。                                 東京駅前に戻ってきた。駅舎復元工事中の駅を見ながら、丸ビルを通りすぎる。              大きな信号と新丸ビルに向かう。              

レンガ壁の日本工業倶楽部から丸の内オアゾへ。          



May 2007 瀧山幸伸 
新丸ビルと丸ビル

 





Mar. 2007 瀧山幸伸 source movie

街路修景なった仲通り
     




丸の内の街並

July 2004 瀧山幸伸  source movie

 

 都市計画は世紀ではなく千年紀で考えなければならない。勝海舟が言っていた「鳥の目」を持って。
江戸日本橋四百年に対し、丸の内は百年を経過した。今大変身中である丸の内。次の百年どのように変わるのであろうか。

【オアゾオープンでビジネスマン向け文化・知的重心が移動するか】

東京駅前にオアゾがオープンする。知識ブランドである丸善が日本橋から丸の内に移転し、売り場と関連スペースを拡大させる。
日経、読売、サンケイ、毎日など大手町界隈の活字メディアとも近く、相乗効果が期待される。
ビジネス向け書店は重要な施設だ。知的な付加価値で勝負するビジネスマンのマインドマップが変わるのではなかろうか。


【丸の内の遺伝子】

丸の内は三菱が明治政府から払い下げを受け開発した街だ。「一丁倫敦」という名のとおり、コンドル設計の旧三菱一号館を手始めに、近代的なビルが整然と並んできた丸の内。今日まで100年あまり西洋的ビジネスのシンボルであり続け、周辺地域を凌駕するプライムロケーションとして賑わっていた。

 【払い下げ時からの長期戦略】

三菱は明治23(1890)年、丸の内の兵営跡地など10万坪余りを陸軍省から購入した。代金は128万円。東京市予算の3倍という高価な買い物だったが、英国出張中だった管事、荘田平五郎の「スミヤカニカイトラルベシ」の電報があったことが土地購入の決断の背景だ。荘田は、ロンドンをイメージした丸の内ビジネス街の青写真を頭の中に描いていた。
当時の東海道線は新橋まで、中央線は御茶ノ水までで、丸の内は非常に不便だった。東京駅が完成し丸の内が交通の要所になったのはそれから20数年後の大正3年のことである。

丸ビル付近から東京駅、その先のコレド日本橋を望む
  
 

 【「一丁倫敦」の誕生】
明治27(1894)年、今の三菱商事ビル本館の位置に、コンドル設計による三菱一号館が竣工した。赤煉瓦造りの3階建てであった。
以後、二号館が現在の明治生命本社ビルの位置に、三号館が新東京ビルの位置にできた。四番目は東京商業会議所だった。ロンドンを彷彿とさせる街並みはやがて「一丁倫敦(いっちょうロンドン)」と呼ばれるようになった。
煉瓦造りではない現在のようなアメリカ型のビルは、大正7年の東京海上ビルが最初である。丸ビルは大正12年だった。

【ビジネスブランドとしての丸の内から文化商業ブランドとしての丸の内へ】

広義の丸の内(大丸有地区=大手町、丸の内、有楽町地区)は全体で111haあり、非常に大きな集積である。
東京の商業は「銀座」、東京のビジネスは「丸の内」に代表され続けてきたが、その丸の内の遺伝子は今後どのように増殖していくのであろうか。 「カウパレード」、「丸の内元気プロジェクト」、オアゾのオープンなど、目先の賑やかさの裏で着々と進むブランド戦略は確実である。

【丸の内再生戦略の原点 90年代中頃】

丸の内の大家、三菱地所のビル約30棟のうちおよそ7割が築30年以上とかなり老朽化していた。ビル自体は時代のニーズに合ってこなくなっており、金融機関や外資系テナントの流出撤退により空室が目立つようになっていた。

【丸ビルの建て替えと全体戦略の見直し 部門最適戦略から総合戦略への変身】

95年の阪神大震災を受け、早急な丸ビル建て替えを決定した三菱地所にとって、日経記事「丸の内のたそがれ」は社内を震撼させるものであった。 それ以来、ビル単体ではなく全体戦略を重視し個別の戦略を見直す方針に変わった。

【全体計画】

【第1ステージの戦略 2007年までに新丸ビルまで7棟を再開発】

現状の計画では、2007年完了予定の1期プロジェクトとして、7棟の再開発を行って行くというものである。
丸ビル、東京ビル、ペニンシュラホテル、、新丸ビルなど、東京駅周辺の高度利用とメリハリのある開発を行うというものであり、東京駅の余剰容積を移転活用する。

【ソフト化重視の経営哲学】

オフィス単体の街から商業など複合テナントミックスを推進し、さらに各種サービスを発展させて丸の内のブランド化、賑わいを創造する目的である。「たそがれ」の反対に「イブニングと休日の賑わい」を演出させたかった。
丸の内変身の発端は94年の戦略企画部門「ソフト事業推進室」の設立に遡る。丸の内地区を一つの街としてとらえ、街全体の活性化を推進することを目的に、就業者及び来街者から求められる様々なサービスや機能を創出するなど、街の付加価値を高める新しい事業を取り進めてきた。

【仲通りの変身】

通り沿いのビルの1階には、バブル崩壊以前は金融機関の店舗が軒を連ねていたが、午後早い時間にシャッターが閉じ、夕方から夜の時間帯にかけては賑わいのない寂しい空間となっていた。
90年代後半、金融機関が退出する等空室が増加し始めたことを契機に、事務所ビルから複合ビルへと建物の用途転換を進め、ビル1階部分に飲食・物販・サービス等の店舗誘致を積極的に推進してきた。それらが功を奏し、現在では高級ブランド店舗のメインストリートとなっており、平日も休日も美しく快適な街並である。
約1.2kmの丸の内仲通りには、街路樹、花壇、屋外彫刻を配した植樹帯が整備され、均整の取れたビル外観とあわせ美しいシーケンスを形成している。ただし、ビルと通りのほとんどは無機質であり、「美しい」シーケンスではあるが「楽しい、賑やかな」街並ではない。
最近歩車道ともにアスファルトから石材に変更し始めた。これにより、「楽しい」街並が形成されつつあるが、ストリートファニチャ、ビルのファサードデザインの統一はまだまだで、大きな課題である。街の景観をスーパーバイズするマスターランドスケープデザイナーが介在しているとは思えない。

【第一ステージの戦略と丸の内の街並変貌】

【ビルの街並】 
バイクや自転車が無く、歩いていて気持ちが良い。シンプルでシーケンシャルな景観が続く。

  
 

【丸ビル付近】 
バイク、自転車が景観を損ねている。デザインは無機質で冷たいオフィスイメージの景観となっている。
クールでビジネス向けとも言えるが、内部の店舗の賑わいとはアンバランスである。
人がくつろぐスペースやファニチャが無いのは残念で、道行く人にも緊張感が漂う。

  
 

丸ビルエントランス脇の移動式フラワーポットのデザインは柔らかい。
 

【日本工業倶楽部ビル付近】 
外壁を温存し内部を改装。動態保存に成功した再開発。

  
  

【オアゾオープンの裏で着々と進む総合戦略 】

9月14日オープン。オアゾ内部のガレリアは丸の内地区と大手町地区を結ぶ重要な導線となる。 店舗数44。
日本橋の丸善では物足りなかったビジネスマンにとって快適な施設が出来上がることだろう。
   

【ブランド店舗とデザイン例】

エルメス
  
 

コーチ 素敵な店が素敵な人を呼び、その人が素敵な街の景観を作る。そのまま雑誌に掲載されるような街角風景だ。
  

ウェジウッド ロイヤルコペンハーゲン
  

アクアスキュータム ティファニー
  

バカラ
 


【屋外彫刻による景観演出】
  
  
 




【道路舗装、緑化、ストリートファニチャによる景観演出】

【車道も石材に改装】 
商業景観にふさわしく車道歩道ともに石材に変えた。彫刻も映えるし街歩きが楽しくなる。

 

【仲通りのストリートファニチャ】 
フラワーポットのデザインは柔らか味があり美しい。ガードポールとチェーンのデザインは商業ストリートに似合わず無機質である。路上駐車、駐輪を防止するためには、パーキングメーターのようなセンサーをポールに設置したり自主パトロールすべきであろう。

  
 

【照明】
照明ポールのデザインはユニークだが、ポールの幅広い効用が考えられていない。照明ポールは、そのものの質感やデザインはもちろんのこと、幕を垂らして広告塔にもなるし、ハンギングフラワーバスケットやその中の鉢植えまで含めて景観演出の重要なツールである。
カナダ、ビクトリアのポールは大変素晴らしく、日本でも小布施の数本のポールは訪問者に大きくアピールしている。
年中プラスチックの桜が咲く商店街のポールと、おしゃれなポールとでは、コストはあまり変わらないが効果には雲泥の差がある。

間接照明が眼に優しい。地中からの照明は良いアンビエンスを醸成する

 

【案内標識】 バンダリズム(破壊)を防止する構造。デザインが美しいが、冷たい印象がある。

 

【道路際の歩車分離帯植栽】 とりたてて工夫は無い。
 

【日本工業倶楽部敷地植栽】 ビル沿いの植栽が美しいが、花壇でも良かった。
 


【界隈性(賑わい)の演出 飲食アメニティ】

おしゃれスパイラルとでも言おうか、街の美化相乗効果と言おうか、おしゃれな街にするにはおしゃれなお店を増やせば良い。おしゃれな店はおしゃれな人々を増やす。おしゃれな人々がおしゃれな街の景観を演出する。人は重要な景観要素だが、いきなりおしゃれな人は来ない。

【ブラスリー オザミ】 
 

【ミクニ カフェ】
   

【丸の内カフェ】 内部ではインターネットとPCが使える。カウパレードの文化はアメリカ輸入だ。
  

【DEAN&DELUCA】 素敵な店にはおしゃれな人が集まる。
 

【メゾンバルザック】 コーチに隣接する、エノテカグループの戦略店
  

【かこいや】 
界隈性、猥雑感を演出する店舗(縄のれん、赤ちょうちん)も導入しているが、コーチの並びにふさわしいかどうか。双方の客層に関連が薄く、かなりの冒険である。

 

【ソフト化路線の成果は確実にあがっている】

ソフト化の成果として、95年には7%だった商業スペースの割合は、現在では26%に増加した。
また、貸付面積は20万平方メートルから40万平方メートルに倍増した。
巨大商業エリアを誕生させる戦略の結果は予想をはるかに上回るものであった。例えば丸ビルの商業売り上げは計画の2倍である。


【第2ステージの展開 2008年から2018年までも同じスピードで】

その後2期プロジェクトとして2008年から2018年まで、三菱商事ビル、古河ビル、丸の内八重洲ビルなど、1期と同じスピードでの開発を予定している。

【第2ステージはさらに拡がりと深まりを追求する】

1.スピードの持続 第1ステージは5,000億円、第2ステージは4,500億円の投資を予定している
2.エリアの拡大 大手町、有楽町を取り込み「大丸有地区」全体の戦略に。
3.ビジネス機能の強化 ユビキタス環境を強化し、世界的なビジネスセンターへ飛躍する 
4.多様な機能の拡大 文化・居住・都市観光機能 特に居住機能として、高級マンション、サービスアパートメントを検討している。ニューヨークのようなエグゼクティブの「職住近接ニーズ」に応えるように。
5.オープンなインタラクション 
6.エリアマネジメント 「サステナブル・コミュニティーの創造」
 ・ ホスピタリティの強化(街のコンシェルジュ)
 ・ 環境共生

具体的な事例として、三菱商事ビル、古河総合ビル、丸の内八重洲ビルの3つは1.2haの敷地に20haの延床で一体開発を行う。丸の内のシンボルであった三菱一号館を復元し、敷地中央に公開空地を設け、賑わいを演出することを計画している。
この開発の目的は、大きく3つある。
・丸の内の街づくりのシンボル(ランドマーク)とすること
・「丸の内らしさ」を演出すること
・エリアマネジメント(観光・文化創造・情報発信)の拠点とすること

【三菱一号館】 丸の内市街区形成の基本をなした建物で、1968年に解体された。賑わい演出の核となる計画が進行している。
横浜のれんが倉庫も三菱であるが、れんが倉庫や恵比寿のレンガ建築に比べはるかに洗練された空間となるであろう。

 【インタラクションと地下街】

エリアの各駅と大手町・丸の内・有楽町を地下でつなぎ、濡れないで往来できる計画がある。
ただし、地下街までは考えていない。

 【東京駅南口自由通路によるインタラクション】

東京駅の3階化改修に伴って八重洲との南口連絡自由通路が完成する。
これによりますます丸の内の利便性が高まり、丸の内に無いサービスを補完することもできる。


【「世界で最もインタラクションが活発な街」をめざして】

【インタラクションの重要な要素はソフト】
【ソフト開発のキーワードは 「オープン」「ネットワーク」「インタラクティブ」】

テナントミックスとソフト重視、事務所ビルから複合ビルへハードも大切だが、それを活かすソフトは最重要課題だという認識である。
その理念のもと、丸の内の活性化、ブランドに寄与すると考えられるものは企業全体の取り組みとして壮大な実験を推進しているし、新規事業や提案も積極的に取り入れている。

具体的には、

【1.通信サービス】

・ 丸の内ダイレクトアクセスは既に累損を一掃している。
・ 携帯情報サービス
ドコモと提携したmobile@marunouchiサービス

【2.オフィスサービス 文房具、備品などの調達、リサイクルサービス、ICカードなど】

【3.ビジネスサポート 会議スペース、共用オフィスなど】
丸ビルの2フロアを利用したホール、会議スペース、スタジオは場所柄大変利用勝手が良く盛況である。さらにビジネスサポートサービスを拡大させる計画である。

【4.エリアマネジメント】
ブランド戦略としても最重要事項であり、この分野には多大な経営資源を投入している。

【インタラクションの具体例】
 【交流: ベンチャー支援】
ベンチャー起業支援制度として「丸の内フロンティア」を設けており、地所がストックオプションを保有している。
これにより、既に1社が上場し、1億円のキャピタルゲインを得ている。

 【大学・産学連携のリエゾンオフィス】

東大、慶応、一ツ橋、東北大、ハーバード、ストックホルム商科大がリエゾンオフィスや分校を構えている。

 【個人の自己啓発支援】

慶応と提携し、「丸の内シティキャンパス」としてビジネスマン向けに特化した教育を積極的に行っている。
東大は21世紀COEものづくり経営研究センターが「ものづくり寄席」を推進している。

【エリアマネジメント】

「NPO大丸有エリアマネジメント協会」などで、様々な活動を行っている。
オープンカフェ、丸の内シャトル、緑化イベント、野球大会、カルチャーセミナー、映画試写会、ガイドツアー、ミレナリオ、カウパレード、天下祭りなどを推進している。
最近の話題では、オープンカフェ・イン・丸の内、ヘブンアーティストIN Marunouchiが開催された。これは道路をオープンカフェとして占有する画期的なイベントで、関係当局との粘り強い交渉の結果生まれた。


 【文部科学省と提携した「丸の内元気プロジェクト」】

文部科学省と大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会が連携し、映画鑑賞会やコンサートなどのイベントを開催する。 文科省が丸の内に庁舎を移転したことを受け、同地区で働く人たちに芸術文化に触れる機会を増やすことで、社会を元気にしていくことを目指す。映画鑑賞会、コンサートのほか、落語や文化庁長官の河合隼雄氏と各界の著名人との公開対談などが実施される。

 【MARUNOUCHI.COM】
http://www.marunouchi.com/
丸の内で映画鑑賞やコンサートなどを開催するおしゃれなコミュニティと情報発信。
「丸の内元気プロジェクト」はこちらが事務局となる。

 【丸の内クラッシーカフェ】

FM放送が大変な人気で、既にCDを3枚出している。
J-WAVE、東芝EMI、話題の「丸ビル」の3者で組んで企画し、丸の内をテーマにクラシックやジャズをメインにしたFM番組の人気楽曲を多数収録したCDを出版している。洗練された大人の女性にうってつけで、ハイセンスイメージ。

【ブルームバーグテレビスタジオ】

ビジネスといえばブルームバーグ。 丸の内にはビジネス向け放送局ブルームバーグがスタジオを設けている。
ブルームバーグが陰に陽に丸の内ブランドで情報発信する効果は大きい。

 【東京コンペ】 

丸の内発のアートコンペ。ビジュアルアートの「アーバンミュージアム部門」、「ダンスパフォーマンス部門」「コスチュームアート部門」で行われる。パブリシティ効果が高く、若手アーティストを発掘し、丸の内の理解者になってもらう目的もある。

 【社内ベンチャー制度】

丸の内ソフト化戦略の推進と社員のチャレンジマインドを高揚させる目的で積極的に支援し宣伝している。
・四季リゾーツ
・ワンズキューブ

【まとめと提言】

ニューヨークのダウンタウンは金融の中心と言っていたが、狭く不便で、アフターワークの知的好奇心など自己実現も満たされない。兜町のように単一業種の街の狭さを感じる。
それに比べミッドタウンには5番街があり、演劇がありメディアがあり、書店やスポーツクラブなど、ビジネスサポートの総合環境が整っているのはもちろんのこと、自己実現のための多くのサービスがある。

現在の丸の内の広告宣伝内容は、「ニューヨーク、ロンドンなど世界のトップブランド都市に伍する丸の内」である。公式には「丸の内は丸の内、世界のどの都市の模倣でもない」と言っているが、明快にニューヨークミッドタウンを意識している。

いつもの簡易評価表はこちらであるが、これではあまりにも乱暴であり、街の利点弱点を的確に表してはいない。
カテゴリー
丸の内 レーティング
日本橋 レーティング
六本木ヒルズ レーティング
総合
 
   
自然
 
   
 
   
 
   
伝統文化
 
   
施設
 
   
フード
 
   



そこで、詳細アセスメント手法に基づき、街のユーザーの行動科学的(欲求と行動心理)視点から、分野別比較表でやや強引に比べてみた。()内は推測。
今回は丸の内のレポートなので、日本橋、六本木エリアについては粗い分析である。



 
丸の内
日本橋
六本木ヒルズ
電車アクセス
「多数の電車路線 便利なところが良い」
 
   
交通アクセス 駐車場
「週末は車で出かけたい」
     
統一ブランド
「人もうらやむブランド街が好き」
 
   
商業・飲食 トレンド店の集積
「毎日おしゃれなお店を楽しみたい」
   
 
商業・飲食 老舗や多種類のお店を楽しみたい。外見より中身、コストパフォーマンスが重要  
有楽町銀座日本橋で補完
 
 
麻布十番、六本木で補完
ホテル(5スタークラス)
「セレブ系の優雅な体験が好き」
 
ペニンシュラ
 
マンダリン
 
ハイアット
ホテル(4スタークラス)
「ワンクラス上の体験をしたい」
 丸の内ホテル NA NA
高級住居系施設
「NYエグゼクティブ流職住近接スタイルが好き」
( )
高級マンション・サービスアパートメント計画
NA
近隣に所在するが中級
 

医療健康施設
「高技術人間ドック+信頼できるかかりつけ医が近くにほしい」

NA NA NA
エンタテインメント目的の歴史遺産
「風格のある施設は上品で楽しい」
 )
三菱一号館
( )
三井本館、三越本館
 毛利庭園
賑わい演出の核/イベント広場
「昼やアフターアワーの賑やかさ、イベントスペースが好き」

 )
三菱一号館広場

NA  
ステージ
情報発信、TV、ラジオライブスタジオ
「ライブを見たり、有名人を見かけたり、トレンドの近くに居たい」
 丸ビルスタジオ・ブルームバーグスタジオ NA  
TV朝日スタジオ
情報発信、タウン誌
「自分の街のタウン誌を楽しみたい」
 丸の内マガジン、各種新聞  月刊日本橋、中央区ファン  
文化ビジネス施設(ホール等)
「会議・イベントを持ちたい」
「パフォーミングアーツを楽しみたい」
 
丸ビル、東京国際フォーラム、大手町の各ホール
 
三越文化センター
 
アカデミ−ヒルズ

文化ビジネス施設(教養セミナー施設等)
「自己実現したい」

 
丸ビルでのセミナー、丸の内シティキャンパス,大手町の各ホール
 
三越文化センター
早稲田日本橋校
 
アカデミーヒルズ
文化施設(美術館等)
「芸術教養を深めたい」

 
相田みつお美術館、ていぱーく,東京ステーションギャラリー

 
三井美術館
科学博物館分館
 
ラフォーレ美術館
文化施設(映画館・ミニシアター)
「近所でゆったりと映画を楽しみたい」
 有楽町 NA  シネコン
文化ビジネス施設 大型書店、ビジネス向け図書館
「ビジネス書、CD,DVDを買いたい、読みたい」
 
丸善
NA  
有隣堂
アカデミーヒルズライブラリー
憩いの広場・公園+近接性
「近くの公園でのんびりお昼を食べたい」
「自然を感じたい」
 
和田倉公園、日比谷公園、皇居前公園
NA  
毛利庭園では憩えない
ストリートファニチャ・植栽など
「おしゃれで美しく環境にやさしい街並が好き」
     


さらに、丸の内の弱点を克服する対処策を考えてみた。

【丸の内と銀座と日本橋 団結し相互補完する道はあるか】

超高級路線で成功した丸の内の商業戦略であるが、何から何まで丸の内でという「丸の内モンロー主義」には限界がある。
すなわち、中級低級まで含めたバラエティ豊かな店舗を導入するには限界があるし、それは丸の内のブランドを壊すことにもつながりかねない。その分野は日本橋や銀座と連携して解決すべきであろう。
逆に日本橋や銀座の駐車場は大問題であり、週末は駐車場が非常に弱い。日本橋、銀座エリア全体で大手町・丸の内の駐車場と提携することは有益であろう。
週末来訪者も、丸の内仲通りを単純に往復するよりは、銀座、日本橋、丸の内を周遊したほうが格段に楽しいだろう。
こうして、地域主義、覇権主義の競争をやめて、双方投資効率の悪い分野は連携し、回遊型のより良い街になることができるのではなかろうか。
例えば、駐車場とお店をつなぐために丸の内と日本橋を巡回するシャトルを共同運行する。また、丸の内、日本橋、銀座を含め加盟店による共通クーポン・ポイント制などを導入し、相互に駐車場や飲食などの割引に利用できるようにする。
イベントも3地域共同で開催する。歩行者天国や路上カフェも皆で共同して当局と交渉する。そのための署名嘆願書も皆で集めるなどすれば交渉力が高まる。

さらに時間がかかるが、日本橋川の高速が撤去された暁には、日本橋川からお堀に入る周遊船の往来も可能となろう。
それにつけても現在の高速道路は目障りだ。日本橋の街並は、駿河町からの越後屋から富士を望んだ錦絵があるように、富士が道路の延長に当たるように街路を設計した、「山当て」である。日本橋からの富士方向眺望は大変良かった。


   
資料:東京大学 清水英範教授 社会基盤学
(江戸の古地図をもとにCGで江戸を再現した。東京に富士眺望の名所を復活させようと訴えている) 

こうやって10年20年活動を続ければ「セントラル東京」のブランドが生まれるのではないだろうか。
事務局用



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