JAPAN GEOGRAPHIC May 2003 瀧山幸伸  source movie 東京都台東区 上野谷中界隈

御殿坂Gotenzaka
 

経応寺 Kyouoji
 

本行寺
 小林一茶の歌碑が心を和ませる。このような碑が都心部の通りや広場に多数あれば潤いが演出されるであろうが、そのようなところには洋風で乾いたストリートファニチャが氾濫している。そもそもこの歌碑の何が心を和ませるのだろうか。一つの要素は文字であろう。ひらがなや漢字は外国人には新鮮な驚きを与える。一方日本人には「懐かしさ」を与えるのではなかろうか。もう一つは碑石の自然感だろう。最近の墓石のように四角四面ではない。洋風建築に見られる人工的で鋭角な素材や金属ガラスなどは、冷たく阻害的攻撃的な印象を与え、目に痛い。和風建築や庭園が心を和ませるのは、建築素材の自然感と色はもちろんのこと、屋根の曲線がスカイラインを和らげているからであろう。和風の建築は庭園と融和しており、植栽、石、水、鳥、魚、人が渾然一体となる。この「自然との一体感」、人さえも自然の一部であるというアニミズムが和の本質かもしれない。洋風は「自然からの隔離、自然の征服」、神と人が自然と対峙する一神教の世界観が根源にある。哲学を含めた総合的な風土の違いが和洋それぞれの街並を作るのであろう。
   

谷中せんべいYanaka senbei
   

延命院の大楠
 常緑広葉樹の大木は風景に潤いを与える。クスノキから発せられる物質にも良い効果があるのではなかろうか。本来の江戸にはアカマツの自然林があったが、大気汚染のためほとんど枯死してしまった。アカマツの古木林は大変美しいが、千葉の市川近辺まで行かないと見られなくなった。
  
夕焼けだんだん やなか銀座 後藤飴店Yuuyake dandan, Yanaka ginza, Goto ame,
      

富士見坂Fujimizaka
  

浄光寺 江戸六地蔵 Jokoji
  

諏訪神社Suwa Jinja
 

よみせ通り延命地蔵 
 がらがらと鐘の音、蝋燭の灯火、線香の香り、地蔵の表情、、、このような小さな祠が道行く人々の心を癒す。
 

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