Monthly Web Magazine Oct. 2016

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■旧三井家下鴨別邸公開初日 大野木康夫

旧三井家下鴨別邸は、三井総領家第10代当主の八郎右衛門高棟が大正14(1925)年に建築したものです。

その後、昭和24(1949)年に国に譲渡され、京都家庭裁判所の所長宿舎として使用されていました。

近年、老朽化に伴い使用されなくなっていましたが、「近代京都における貴顕(きけん)の別邸建築を知ることのできるものとして、貴重である。」(国指定文化財等データベース詳細解説)として、平成23年6月20日に主屋、玄関棟、茶室の3棟が重要文化財(建造物)に指定されました。

同時に財務省から文部科学省に所管替えされるとともに京都市が管理することとなりました。

平成24年から保存修理事業が進められ、今年完成したことから、10月1日から一般公開が始まったものです。

初日の朝に訪問しました。

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賀茂御祖神社(下鴨神社)の南側に位置しており、京阪出町柳駅からすぐのところです。

   

塀越しに主屋の三階望楼が見えます。

 

下鴨神社の一の鳥居の脇が入り口です。

9時開門で、10人ほどが並んでいました。

  

主屋の北側を通って、西側の玄関棟が受付です。

大人1人410円です。

    

渡廊下を通って主屋座敷から庭を眺めました。苔庭、池、芝生とよく整備されています。

庭の南西にモミジの木が多く植えられているので、紅葉の時期は座敷からの眺めが綺麗かと思われます。

案内によると、紅葉シーズンは主屋の二階座敷と三階望楼が特別公開されるようです。

   

庭から見た主屋

主屋は明治13(1880)年に第八代当主八郎右衛門高福が木屋町三条上るに建築した木屋町別邸を移築したものです。

三階望楼など、特徴的な構造です。

      

主屋の東側に続く茶室は慶応4(1868)頃に建てられたようです。

茶室としての使用料設定はあるので非公開というわけではありませんが、参観経路には含まれていません。

紅葉シーズンに丸窓の正面にある紅葉がどう見えるかが興味ありますが、多人数が入れるわけではないので、その時期の公開は難しいと思います。

  

始めは人が少なかったのですが、だんだん多くの人で賑わうようになりました。

建物と庭園が調和した素晴らしい名所であると思います。