Monthly Web Magazine Nov. 2016

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■ 四熊家住宅 蒲池眞佐子

   

山口県周南市にある登録有形文化財の四熊家住宅主屋に行ってきた。

広大な敷地に現在のお住まいの戸建てが2軒あり、その傍らに主屋がある。

怪しい奴に見えるかなあと思いつつ周りをうろうろしているとちょうど買い物から帰ってきた四熊さんにお話しを伺うことができた。

立派な茅葺屋根を管理はどうなっているんですか?とお尋ねしたところ、全て自費で行っているそうだ。

びっくりした。有形文化財に指定されているので、メンテしないわけにもいかず、ということだった。

茅葺屋根の葺き替えを以前頼んでいた業者が無くなり、困った為、市に聞いてみたが、市ではわからい、との返事。

結局ネットで探して回ったそうだ。やっと見つけた業者は萩市に1軒、車で行っても2時間はかかるところにあったらしい。

ところが、大きな民家なのでその分茅葺の材料も必要になる、それが手に入らないとのことで、結局2方向のみを葺き替えることにしたらしい。

お庭の方にも入らせて頂いたが、蜘蛛の巣に気を付けてください、と言われた通り、蜘蛛の巣だらけで、手入れをすれば素晴らしい広大な庭園になるだろうとちょっと残念だったが、これまた自費にての管理になるんだろう。

価値のあるものを残すことは素晴らしいが、管理費用の見直しや、メンテ業者の確保や、もう少し自治体も身を寄せて文化財指定にしてほしいと思う。

四熊さんにはお忙しいところ呼び止めたにも関わらず、親切にお話を伺え、人柄の良さを感じたこともあり、なんとかならないものか、と思う。