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Monthly Web Magazine Dec. 2016
■ 晩秋の風物詩 蒲池眞佐子
早朝に散歩をするのが好きだ。朝の空気が気持ちいい。ところが、散歩をしているとギョッとする風景に出くわした。カラスの大群だ。
電線にびっしり。隣の病院の屋上にもびっしりいる。もしかしてここの病院は・・と思ってしまったほどだ。ところが、これは冬になると渡ってくるカラスだそうだ。早朝にここらで休憩でもしているのだろうか、毎年の光景らしい。
調べてみたが、名前まではよくわからない。早朝だけこの場所に止まり、太陽が昇ってしまうとどこかへ行ってしまうみたいだ。
最近また鳥インフルエンザが流行している。これも渡り鳥によるものではないか、との説もある。冬の風物詩にも良し悪しがあるものである。
このままでは気味悪いままなので、話題をもうひとつ。この季節に咲く花、皇帝ダリアである。
成長すると3〜4mになることから皇帝と名付けられたらしい。ピンク色の花は大きく、20センチ近くあるであろうか。晩秋の青空によく映える。
最近何かとライトアップが盛んで美しいものであるが、夜中まで煌々と照らしては草木が眠る時間がないんじゃないか、と思う。
皇帝ダリアも、シャコバサボテンもそうだが、日が短くなり暗くならないと咲かない花だ。電球の明るさがあっても咲かない。
見る人間にとってはきれいだろうけど、照らされる草木はなんだか可哀そうに思えてしかたない。