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Monthly Web Magazine Dec. 2016

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■横浜 山手散歩 川村由幸

11月上旬に家内と電車で横浜にでかけました。

横浜は20歳前後に2年と少し住んでいたことがある街ですが、中華街に幾度か出かけたという思い出以外強い印象は残っていません。

そのため、初めて訪ねる街という気分で横浜へ。上野東京ラインのおかげでとても便利になり、上野駅で乗り換えると乗り換えなしで横浜駅へ。横浜駅から根岸線に乗換、石川町駅で下車。

目当てのお店の開店時間に間があり、先にお土産の肉まんを購入してその店に戻るとすでにけっこう席が埋まっていました。人気のお店はやはり違います。お店の名前は「梅蘭」 こんな焼きそばが名物です。

  

ボリューム満点の焼きそばにビールを一杯、大満足のランチをいただき、散策のスタート「港の見える丘公園」に向かいます。

  

ここは、名前の通りの公園でベイブリッジが目の前です。NHKの園芸番組の収録現場にもぶつかり、野次馬根性からのぞき見をしてしまいました。

  

よく手入れされた花壇も色とりどりの花を咲かせていて、ノンビリと時間を過ごすことのできる公園で自宅の近隣にもこんな公園があったらと羨ましい気持になりました。さて、いよいよ山手西洋館巡りが始まります。

最初は横浜市イギリス館です。港の見える丘公園の一角にあります。

  

直ぐとなりに山手111番館が建っています。私たちは喫茶店と勘違いして、中に入れませんでした。

  

ここから、外人墓地に突き当り、左に進むのですが途中心惹かれる建物がいくつか見られます。

   

歩いていて全く退屈しません。「横浜にこんな所があったんだ、もっと早くに訪ねるのだった」と思いつつ歩を進めます。上の山手聖公堂のとなりに山手234番館が見えます。

  

234番館のとなりの飲食店も、周りの雰囲気に調和するように建てられています。そして道路を挟んだ反対側に暖炉の煙突が特徴のエリスマン邸が建っています。

  

木立の中に建つ洋館、良い雰囲気でしょう。60歳を超えた我々夫婦には似合いませんが、若い二人なら、絶好のデートコースです。

ロマンチックな気分に浸れること、間違いありません。進学校で名高い横浜雙葉小中高等学校の前を廻り込むとベーリックホールです。

  

山手西洋館の中では大きな建物で内部も見ごたえのある調度品が多くあり、楽しい見学ができます。ここまで歩いてくると結構疲れてきて、歩みが遅くなります。

次に向かうテニス発祥記念館と山手68番館はフェリス女学院を廻り込んだ先にあり、なんとも遠く感じました。

    

山手68番館は今でもテニスコートの受付窓口として使用されています。大切にされ、かつ現役で利用されている。そんなふうに長く残っていけたら建物も本望でしょう。

最後に石川町駅近くの外交官の家とブラフ18番館に向かうのですが、これが遠いのです。道の両側は驚くほどの高級住宅街で気おくれするほどですし、歩いても歩いても到着しないのです。

しかも、やっとたどり着いたと思ったら、外交官の家は修繕工事中。「ガックリ」。山手西洋館でこの外交官の家だけが重要文化財なんです。それが見られないとは。

   

奥のブラフ18番館を見学して石川町駅へ。夫婦ともいささか疲れ果て、乗換が面倒と根岸線・京浜東北線一本で上野まで帰ってきました。

当然のごとく二人ともに電車のなかで爆睡です。ランチの後、ティータイムも取らず歩き詰めで年寄りにはいささか無理があったようです。でも、楽しかったです。

一日でこれだけ貴重な建物に逢えたことはやはり幸せなことです。そして、横浜市がこれらの建物の見学が無料できるようにしていることに感謝と敬意を払いたいと思います。