.
JAPAN GEOGRAPHICMonthly Web Magazine Feb. 2017
■雪の思い出 大野木康夫
1月下旬、1mほどの積雪があったという東近江の百済寺を訪れたら、除雪ができずに拝観停止となっていましたが、その時、管理の方が、「子どもの頃は普通にこれくらい積もっていた。」とおっしゃっいました。
私は京都と大津の中間の山科盆地に生まれ育ちましたが、小学校くらいのとき(昭和40年代半ば)に、家の裏にあった空き地にむりやり「かまくら」を作った記憶がおぼろげながらあります。
ある程度しっかり残っている記憶では、昭和59(1984)年の1月、大学1年のときですが、朝7時30分頃、中野区新井にあった学生寮を出るときは粉雪が舞っていたのが、登校して1、2時限の語学の授業が終わって校舎の外に出たら20センチほどの雪が積もっており、交通機関が混乱して午後からの授業は軒並み休講になったときがありました。
図書館と脇のヒマラヤスギの墨絵のような雪景色が目に焼き付いています。
この年は何回か東京にしては多く雪が降り、1回は東中野の友達の下宿で試験勉強と称した夜遊び(実は私は勉強は昼のうちに終えているのですが…)をしていたら雪が降り、登校準備のために夜明け時に寮まで雪の中を帰ったりしていました。
就職して京都に帰ってからの記憶では、クリスマスに左京区の久多で民宿をしている友達の家で1泊したら、前日は何もなかったのに1晩で車のボンネットを越えるくらいの積雪になってびっくりしたことがあります。翌日は仕事だったのですが、その友達は何事もなかったように、除雪もされていない道(府道)を突っ切って送ってくれたのにも驚きました。
その他、大学の卒業旅行で行ったアテネに積雪があったことも含め記憶のよすがとしての写真が残っていないので、年を取るとともに記憶は薄れ、また、脳の中で美化されてきているようです。
Japan Geographicに投稿するようになってからは、雪景色の写真を残す習慣はついたので、それ以降の記憶のよすがは残っていますが、美化できるように写すのは難しいかもしれません。
雪道の運転はしないと決めているので行動半径が限られていますが、今後も機会があれば「よすが」(できれば記憶に干渉できるようなもの)を残していきたいと思います。
平成23(2011)年
平成24(2012)年
平成25(2013)年
平成26(2014)年
平成27(2015)年
平成28(2016)年は雪の撮影はありませんでした。
平成29(2017)年