JAPAN GEOGRAPHIC
Monthly Web Magazine June 2017
■久しぶりのヨット 田中康平
時々博多湾でヨットで遊んでいる。少しばかり非日常なところがいい。ヨットは季節を問わずできるスポーツで冬の間も風が安定している時に船を出せば結構面白い。しかし今年の冬はそうもいかなかった。
年の終わりころに患った風邪がこじれて体調が今一つの日が続き少し良くなったと思ったら今度は左手が腱鞘炎になるなどあっちこっち体がボロボロになってついにヨット遊びは一度もできなかった。寄る年波には勝てないということだろう。そろそろ体調も回復し大丈夫かと出かけると風が強くて出航キャンセルとなったこともありあれやこれやでやっと5月の終わりころに6か月ぶりにヨットで遊んだ。
久しぶりに乗ると船の艤装もところどころ手順が怪し気になっていて、海に乗り出してもセールを操るタイミングも思い出しだしとなる。それでもしばらく船を操っているとだんだん錆が落ちてきて結構面白い。
午後は風がやや強くなったこともあってスキッパーからクルーへ回りもっぱら写真を写して遊ぶ。ディンギーのクルーもバランスに常に注意を払う必要があるため画像を見ながら写真を撮るわけにもいかず、方向を目の子で合わせて適当にシャッターを押す。カメラは5m防水のコンデジだが一度ハーバーのコンクリートに落としたことのあるカメラでレンズの前のカバーガラスが割れてしまっていたのをアクリル板と防水接着剤で不細工に修理したものだ、修理以来初めて水にさらすことになる。何しろディンギーではチンしなくても波をかぶるため乗っていれば水浸しになる、防水は必須だ。とにかく写す。
陸に上がって落ち着いて写した画像を見てみると、向きが悪くて船内の金具ばかりが写っているショットの他にどうにか見れるかというものが数枚ある。数枚でも結構ダイナミックな雰囲気があって面白い。カメラのほうも一応大丈夫そうで水の侵入した気配はない。
これはと思うショットを気持ち良く普通はやらないほどに加工してInstagramにアップしたりしてしばらく遊ぶ。ヨット遊びとカメラ遊びと、いずれも日常から少し外れたふうに遊ぶのがやはり面白いようだ。いつまでこんな風に遊べるだろうか、それが問題だが。