Monthly Web Magazine July 2017
小石川植物園でのこと。散策をしていたら、あら、木の上に卵がいっぱい!どんな鳥が産み付けたのかしら。
と、近づいてみたら松ぼっくり?のようです。
樹の名称はヒマラヤスギなので「杉ボックリ?」とは思っても、そんな響きは聞いたことがありません。画像をズームしてみるととっても美しい実です。植物園の受付の方は、「杉の木の実ですが、松ぼっくりというのですよ。杉は松科ですからね」と教えてくださいました。
ヒマラヤ杉の木に松ぼっくり!それにしてもきれいな実。松でも杉でもいいけれど、今まで何気なく使っていた「ぼっくり」っていったいどんな意味?と日本語への興味が湧いて調べてみました。
あららら!ビックリです。(私だけかも知れないけれど)知ってしまったら余り大声では言いたくない語彙でした。
ぼっくりは殿方のふぐり、つまり「陰嚢」のことなのだそうです。正岡子規も『涼しさや ほたりほたりと 松ふぐり』と句を詠んでいますし、晩秋を表す季語でもあるようです。
松ふぐり→松ほぐり→松ぼくり→松ぼっくりという転用の順序であったそうですが、ヒマラヤスギに堂々とふぐりと命名した物をのせて、日本語っていいなぁ、と思いました。
ちなみに最近笑えた日本語はボツイチです。漢字で表すと没1となります。離婚した経験を×1といいますので、それの変化のようで、没1はすなわち死別経験一度ということ。長寿社会になってお年寄りでも再婚される方がこれからますます多くなりますね。ボツイチもそのうち辞書に載るようになる様になって、シニア再婚の身上書に「没欄」という枠ができるかも知れません。いやはや、日本語っておもしろい。