JAPAN GEOGRAPHIC
Monthly Web Magazine Aug. 2017
■ 夏の風物詩 蒲池眞佐子
山口市徳地の奥では、土用の丑の日でも鰻を食べない地方があるらしい。
テレビの番組で調査隊のコーナーがあった。
昔、近くの杉河内村で大鰻がとれた。大きかったので、周辺の7か所の村に分けられ、鯖村にも全戸配られ、皆鰻を食べた。ところが、その夜から腹痛を起こす人が続出し、3日後に7か所に及び半分近い村民が死亡した。
鯖村では食べた大鰻は山を守る神の使いだったと考え、造林の神様を祭る地元の三島神社へ参拝し、その後鰻を食べることをしなくなったということらしい。
現在でもこの地方の人は鰻を食べないらしい。
土用の丑の日に鰻を食べる習慣についての由来は諸説あるが、讃岐国出身の平賀源内が発案したという説がよく言われている。
鰻屋が商売繁盛するために「本日丑の日、鰻を食べるべし」と店先に貼ったところ、人気になり、他の鰻屋も真似るようになったといいうものだ。
現代のバレンタインデーに女性が男性にチョコレートを送る、というものにも近いものを感じる。こちらも諸説あるが、バレンタインデーにチョコレートを渡すのがいいのではと最初に考案して実践したのは、一説に大田区の製菓会社メリーチョコレートカムパニーの原邦生であるとされている。
いろいろな説があって面白い。
夏のイメージにはいろいろあるが、花火もそのひとつだ。
先日「はなびーる電車」というものに乗って花火大会に行ってきた。
ビールとお酒、地元特産のちくわとしらすかまぼこがつまみとして配られ、開催地域のミスが乗車し、乗客と撮影会、現地では確保されたスペースでまた飲みながら花火を見る。
混雑した中を汗だくで見に行くことを考えるとちょっとした贅沢気分を味わえた。