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横浜 ホテルニューグランド
Yokohama Hotel Newgrand

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Sep.〜Oct.2009 撮影/文 柴田由紀江

ホテルニューグランド
神奈川県横浜市中区山下町10
設計:渡辺 仁
竣工:1927年(昭和2年)

山下町にまだ居留地制が布かれていた明治23年、アメリカ人建築家R.P.ブリジェンス(横浜市開港記念会館の設計者)により、居留地20番地に大型のホテルが建てられました。
その名は「グランド・ホテル」。当時の横浜を代表するホテルでした。

それから20年後の明治23年、フランス人建築家、P.P.サルダによって新館も増築され、グランドホテルはますます豪華絢爛に、そしてその存在価値は国際都市横浜の一等地に とって揺るぎないものとなりました。
ところが、悪夢の関東大震災が起きてしまいます。いったいどれだけの数の近代建築を滅ぼしたのか、グランドホテルもこの魔の手によって全壊してしまったそうです。

そこで立ち上がったのが神奈川県と横浜市でした。今でいう第三セクターのような事業、地元の財界からも出資を募って、新しいホテルの建設をすることになったといいます。
一般公募から採用されたホテルの名称も、かつてのグランドホテルを思う市民の気持ちがこもった『ニューグランド』と決まりました。

という訳で、この美しいクラシックホテルがこうして存在しているのですね。
客室の調度品も上品な焦げ茶色に統一され、落ち着いた静かな部屋でゆっくり過ごせました。
*客室の写真は、本館シングル(バス)ルームと本館グランドスイートルームです。

幸運なことに伝統ある本館2階のフェニックスルームとレインボールームの撮影も叶い、その2つのバンケットの待合所として機能するグランドロビーも、静寂に包まれてじっくり鑑賞出来ました。
窓の外は夕景の蒼い空、白い壁と天井のモールディングの織りなす陰影、創業当時の物という椅子の見事な彫刻、連なる大きな窓に下がった気品溢れるカーテンと絨毯の紺色。
それらを照らすオリエンタルな釣り照明とブラケットとフロアランプの温かな光が幻想的でさえありました。
階段壁のイタリアンタイルに目をやればしっとりと艶やかなグラデーション、エレベーターの時計は火焔に縁どられ、その上には綴れ織りの「天女奏楽之図」が飾られています。






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