MONTHLY WEB MAGAZINE Nov.2010

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10月の新着情報
New contents in Oct. 2010


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今月のトピックス
Topics of this month


■■■ 心の洗濯 「金山」の一日 瀧山幸伸

この町の人々の心の豊かさはありえないほど深い。
山形県の北端にある人口6千人ほどの小さな町。
新庄ほか近隣とも合併せず、しっかりと杉の木の時間で「百年計画」を実践する林業で栄えた町、金山。
そこには樹齢三百年の深い森がある。
ドッグイヤーの都会であくせく働く都会人の知りえぬ世界で、人々が楽しく人生を過ごす。
イザベラ・バードが虜になったこの町の魅力は、映画アバターも顔負けの森の精が育む水と木と田畑、そしてそれで生きていく人々の豊かな人間性だ。
今回が3回目の訪問。朝から夕暮れまで一日過ごしたが、この町のホスピタリティの遺伝子は本物だと確信した。
出会う人全員が「こんにちは」と声をかける。
あるおば様は「うちでお茶飲んでいらっしゃい」。
山奥の集落で出会った幸せそうに瞑想中の車椅子のおじいさんは、「かぼちゃ1個持って帰れ」。
旧分校で日没と月の出を見て、一日が終わった。
「幸せって何だろう。できることならこのままそっとしておきたいな、団体観光客には絶対に来て欲しくないな。ここでしか食べられないお餅がマスコミに陵辱されるのは困るな」と思う私は、とても心の狭い人間なのかもしれない。
「 ウェブマガジンにも紹介したくないな、万人受けする奥入瀬にしようかな」とか、「 小谷村の鎌池にしようかな、鏡のような水面に映える紅葉は美しいし、大画面に拡大しても葉の一枚ごとの素晴らしい解像度がわかってもらえるかな」と思っていた、恥ずかしいくらい心の狭い人間なのだ。





■■■ 欧州の鉄道駅、ケルン、ユーストン、サンラザールの風景 野崎順次

今回の欧州出張では、何度か列車に乗ることがあり、駅の風景を撮影した。

ドイツで、ケルンからデュッセルドルフまで鉄道で移動した。 ほんの十数分である。
前日に自動販売機での切符の買い方の再確認にケルン駅に行った。
改札と云うものがないので、自由にプラットフォームに上がることができる。
髪と足の長い女性がいた。かっこいいけど怖そう。誰を探しているのやら。

ロンドンには、ヴィクトリア、パディントン、キングスクロスなど大きな終点駅が数か所あるが、ユーストンもそのひとつ。
プラットフォームが16程あるが、どのプラットフォームから自分の列車が出るのか、出発の10〜30前にならないと分からない。
そこで、みんな真剣な顔で電光掲示板を見上げている。

スマートな列車(ヴァージン・エクスプレス)があったので、写真に撮ったら、結局、それが自分の乗る列車で、スタッフォードまでの約250キロを1時間20分で走った。
ちなみに往復運賃は前もってネット予約して49ポンド(7,000円)であった。
当日に買うと180ポンド(25,000円)とのこと。

サンラザールもパリの主要終点駅のひとつである。
ホテルの近くで朝の散歩がてら寄ってみた。
総2階建ての列車があった。



■■■ 「今年の栃木の紅葉」 田中康平

今年は秋の紅葉がやや遅れているようです。

10月10日;那須姥ヶ平(標高1600m付近)のツツジ系の紅葉にはうまく行き当たりましたが、


10月18日;日光稚児が墓付近(標高約1000m)ではまだまだ殆どが青葉に時折ヤマツツジや赤いハウチワカエデが混じる程度


10月23日;会津との国さかい・山王峠付近(標高約800m)横川の紅葉はまだ早い状態ですがオオモミジなど赤から緑へのグラデーションが美しい


紅葉が盛りでなくとも赤くなった葉の一枚や、肋骨雲や鉤状雲の卷雲が舞う空の雲の動きを見ているだけで見飽きません。鹿の弱々しい鳴き声も秋の風情を深めます。




■■■ お花と波紋 中山辰夫

何時だったか道ばたで見かけた花の写真を挿入したところ、瀧山さんから美しいとお褒めに預かった?ことを思い出して、最近は巡礼道で出会うお花も写しています。
花の名前はさっぱりですが、よく見ると各々個性があって見応えがあります。
季節感もあり息抜きにもなって退屈しません。
花の撮影も奥は深いのでしょうが、難しく考えずに気に入った花を写し続けます。
過日、竹生島・宝厳寺に行きました。
モチノキ横から見た琵琶湖の波紋が美しかった。
この湖面のようにいつまでも平穏で過ごしたいと願っております。
10月出会ったお花です。


■■■ 粟田大祭 大野木康夫

10月は多くの秋祭が行われます。京都では、時代祭や鞍馬の火祭が有名ですが、平日で行くことができませんでした。
10月11日に行われた粟田神社(東山区)の粟田大祭に行きました。
応仁の乱で祇園会が途絶えたときに、その代わりになった由緒ある祭りです。
神輿の先導をする剣鉾は、祇園祭の山鉾の原型といわれており、京都各所の祭で見られます。
40〜60sの剣鉾を差し手(鉾差)が差しながら歩くと、鉾の先がしなって、鈴がチロリンと鳴り響きます。
神輿は、神社の急坂を下り、町内を回って青蓮院の急な石段を上って勅使門から境内に入り、門跡の加持を受けます。
京都の神輿の掛け声は「ホイット ホイット」ですが、坂の上り下りの際には「ヨーサ ヨーサ」になります。
来年取材できれば、動画と一緒に投稿したいと思います。道が狭いので良い場所は確保できないと思いますが。

■■■ 経済の中心地の散歩 川村由幸 

やっと涼しくなった10月上旬に日本の経済の中心である東京・大手町から日本橋界隈を散歩しました。このあたりにも結構古い建物が残っています。
今回、訪ねたのは 1.東京銀行協会ビル 2.日本工業倶楽部 3.大手町野村ビル 4.日本銀行 5.三井本館の5カ所です。
これ以外にも鉄鋼ビルや三越本店などの古い建物がありますが、今ひとつシャッターを切る気になりませんでした。

1. 東京銀行協会ビル
 
残念ながら、建て替えられています。しかも高層ビルの下方の壁だけがこのように意匠されています。もちろんオリジナルの部材も多く再利用されていると思いますが、張りぼてです。

2. 日本工業倶楽部

実は、私ここのオリジナルを記憶しています。レンガはもう少し赤が強かったと記憶しています。
玄関や屋根の意匠はオリジナルのものが使用されているようです。本当に哀しいですがこれも張りぼて。オリジナルでは、中で会合に出席したこともあり、独特の香りのする素敵な建物でした。

3. 大手町野村ビル

細かい意匠にずいぶんの財をつぎ込んだ建物であったことがよく偲ばれます。
ヨーロッパの国々であったら、オリジナルで残ったでしょうか?
それとも同じような張りぼてになってしまっていたのか?
東京は文化を蹴散らすほどに地価が高いのでしょうか?
日本人であることに誇りが持てないものを続けて観てしまいました。

4. 日本銀行

さすがにnational bank、風格が違います。本物はやはり人を感動させます。
補修費用がいくらかかっても、エネルギー効率がいくら悪くても残すべきものは残すべきです。
もちろん建物の機能としては最低でしょう。しかし、文化的な価値はそれをはるかに上回ります。
是非、内部も撮影したいいう衝動に駆られました。

5. 三井本館

古いまま大切に使う。文化的価値を可能な限り長く保つ努力をする。
新しく機能的なものばかりに高い価値があるわけではありません。
よい企業業績を残すよりも、この建物を将来とも残す努力をすることのほうが、未来に「さすが三井」といわれる源泉となるのではないでしょうか。


二時間程度の散歩でしたが、いろいろなことを考えさせられました。日本の美しいものを画像に残そうと考えなかったら、今回の思いもなかったでしょう。
楽しく、そして少し哀しい二時間でした。



■■■ 「こけし印 ハムソーセージ」の看板 柚原君子



(栃木県矢板市の商店街に残っていた。)
廃屋と思える家に架かっていた古い看板。色も落ちそう。保存の価値あり!ということで撮影しました。
こけし印のハムやソーセージは現存しません。どうして消えたのか。
その背景を知りたくて探りました。すると下記のような文章に出会いました。
誕生と消えた顛末が良く解りました。続き


■■■ 我が家のお姫様 Part2 柴田由紀江

前々回のウェブマガジンの続きでございます。

トイレトレーニングは初日にクリア、3日後には階段の昇り降りも体験し、我が家の暮らしにも馴染んできたライファちゃんです。
この子のように代々人に飼われてきた猫と暮らすのは初めての体験なので、今までの猫との違いに驚く事が沢山ありました。
トイレで用を足すと壁を前足で擦って婆や(もちろん私)を呼びますし、猫じゃらしを咥えて来ては「ニャ(遊ぼう!)」と誘います。
夜行性の日もありますが、人間と一緒のベッドで朝までぐっすり寝ている日が殆どです。

当時の我が家にはライファの進入禁止区域がありました。
展足板に刺して乾燥中の昆虫標本が並ぶ息子の部屋と、リビングの隅に置かれたクワガタ飼育ラボ(?)です。
小さかったライファはこのルーバーで塞がれたラボによじ登っては、中でコソコソ動く虫の様子を覗いていました。
(その後ライファは大きくなり、こんな垂直登りは出来なくなりました。)

キャットタワー横に置かれたコーナー水槽にも、巨大なギラファノコギリクワガタが棲んでいましたから、興味津津でした。
ほんの僅かに残った野生動物らしさは、こうしてちょっとだけ維持されているようでした。

予防接種を受けに獣医さんに行った際には、緊張して体毛が抜けまくり、診察台から後ろ脚を踏み外して落下し、獣医さんに「猫…だよね?」と確認されてしまいました。
今でも家から出るのは大嫌いで、キャリー籠に入れようとすると四肢をめいっぱい開いて入れられないように抵抗します。
キャットタワーやテーブルに登る際の敏捷性にはさすが猫だわ!と感じますが、飛び降りると「ふん」と声を出してしまいます。
(大型の猫はそうみたいです。着地の衝撃で肺から空気が漏れ出て声が出ちゃうようですね。)

寒い北欧の猫らしく、なんと肉球の間からもふさふさと毛が伸びてきます。
放っておくと足の裏に1cmくらいの毛が伸びてフローリングの床や階段で滑るのでカットしてあげてますが、伸び放題もなかなか可愛いです。

そしてなにより、仰向けで寝ます。ベッドでも、床でも、人の脚の上でも、座椅子にもたれてでも…ZZZzzz(∪o∪)。。。
外敵と遭遇したという情報はDNAにも存在しなさそうな、警戒心ゼロの寝姿はなんとも平和で愛らしく、癒されております。

あれから8年が過ぎ、今では体長(頭から尻尾の先まで)81cm、体重6.4kgの立派なNorwegian Forest Catに成長いたしました。
時々ズッコケな、でもお澄まししていれば気品溢れる美猫さまです。


 





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Japan Geographic Web Magazine
編集 瀧山幸伸
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