Monthly Web Magazine Oct. 2015

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■■■■■ 宮古島で遊ぶ 田中康平 

10月初旬に初めて宮古島を訪れた。どこを回るかきっちりとは決めていかず、天気が良ければ浜へ、曇ったら鳥を見て雨が降れば博物館やとにかく建物の中で過ごせばいいと思っていた。実際の天気は曇りの予想が少し外れて全て晴れ、全く夏の雰囲気だった。予定通り透明度の高い海を毎日泳いだ。宮古島を満喫した気分だった。

浜を巡りながら鳥も見て文化財も見るというスタイルだったが、思いの外行くべきところが多くて、帰ってから写真や資料を整理しながら改めて宮古島について調べてみると、見逃した所ばかりが気になってくる。とにかくのんびりすればいいと事前の調べはこれくらいでというところで止めていた、それが良くなかったのだろう。

例えばビーチでは、見直してみると東洋一という評価すらある与那覇前浜ビーチにはいかず次に有名とされる新城(あらぐすく)海岸も行かずじまいで、何をやっていたのだろうと思ってしまう。巡ったビーチが良くないということは全くなくそれぞれに素晴らしいのだが、次の機会には前浜と新城にも行かねばとどうしても思う。しかしこの2つの浜も、トリップアドバイザーの外国人の書き込みにそれほどでもないというニュアンスを見つけるとどこか気が安らいだりもする。

文化財は大したものはないとの先入観念がどこかにあって、これ位か、と帰ってきて改めて宮古島市の歴史紹介サイトを見ると、見落としたものがこんなにあったのかと悔しい思いで驚く。水道が整備される前の共同井戸の遺跡があちこちにある、島の生活の歴史そのものが残っているようだ。先島ののろし台跡もあちこちにあり、来間島のものなどは訪れた展望台のすぐ脇にあったことがわかる、あれこれ見落としていた。石組みなども残っているようで見損ねたくやしさがある。

島の神社にあたる御嶽(うたぎ)も島内のあちらこちらにあったようで、宿から歩いて行けるところにさえあったと後で分かる。そればかりか、2万年以上も前の人骨が出土した洞窟も宿の近くであったことも後で知り、何ということかと思ってしまう。

鳥もサシバの国内最終渡りポイントだとは知っていたが、これほどまでに10月上旬では早すぎるとは感じていなかった。1羽見たかどうかで終わった。

後で知るとなんだということばかりだ。しかし、こうだから旅は面白いとも思えている。これは是非また行かねばならない、そう固く思い始めている。宮古島、面白い島だ。

写真は順に、1.空から見た宮古島の浜、2.宮古島の透明な海、3.宮古島の海中、4.シギラリゾートののどかなビーチ、5.サンゴ礁の海、6.野鳥(チュウシャクシギ)、7.中世の墓(知利真良豊見親(ちりまらとぅゆみゃ)の墓)

   

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