Monthly Web Magazine Apr. 2016

Top page Back number


■■■■■花見に合わせるのが難しい 田中康平 

ギリシャに遊びに行って帰ってくると予想通り桜の季節が緩やかに始まっていた。

桜開花予想は日々の平均気温の実績及び予想値を用いて比較的簡単な式で行えるので毎年自分の住むところについて試算してみている。

今年は3月のはじめごろの計算で福岡は3月19日開花と出た。

結果は、今年はぴったり当たって実際も3月19日だった。

3月の気温推移が概ね予想通りだったということなのだろう、とにかく当たると気持ちがいい。

桜は今年はどこを見て回ろうか、一休みして見に行くに丁度いいころあいと思って日を過ごしていると突然のように激しい咳に襲われるようになった、熱も出てくる。変な風邪だ、もしやMERS(中東呼吸器症候群)ではないかと嫌な感じがしてくる。

帰りの飛行機は中東のアブダビ経由の便だった。

近所の医者に診てもらって取敢えずの薬投与などで様子を見ていると症状がゆっくり改善してきてどうやらMERSではなさそうだ。

でも引いたことのない風邪で旅行中にどこかでもらったのだろうと思ってしまう。

やっと起き上がれる頃にはもう桜は満開だ。満開の時期が過ぎていくのを自宅で過ごしている。

少しでもと自宅から数百メートルのところの公園の桜を必死の思いで見に行く。

普段なら気にも留めないくらいの桜がこんな時にははっとするほどに美しい。

ギリシャではアーモンドやリンゴのような花が開きそれなりに綺麗だったが日本のような街のあちこちにたわわな桜の花がある風景は他所ではとても見ることのできない。そんないとおしいような桜の風景をなおさらに感じる。

明日午後からの荒天で一気に散っていくだろう。いくら開花予想をうまくやれても、短い満開の時期に合わせて体調を維持し予定を立てて動くということが次第にできにくくなっているのを覚える。

慰めてくれるかのように今朝は庭でウグイスが初鳴きしてくれた。

起こったことはすべて受け入れて調和して生きていく、最早それがいいようだ。

写真は順に 1,2:福岡市自宅近くの桜 3:アテネのアーモンドの花 4:アテネ郊外のリンゴの仲間の花

    

All rights reserved 通信員募集中