Monthly Web Magazine July 2016

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■■■■■ 「たかが手袋されど手袋@東かがわ市 引田」  おばちゃんカメラマンが行く 事務局

 

なんと東かがわ市は全国の手袋シェアの90%を占め日本一です。

幾度の戦争や恐慌を乗り越え興亡を繰り返してきた手袋産業、なぜ東かがわ市なのでしょうか?

東かがわ市の手袋の歴史は、明治21年(1888)に白鳥出身で千光寺の副住職・両児舜礼(ふたごしゅんれい)と三好タケノが大阪でメリヤス製品の手靴(てぐつ)といわれた指無し手袋の縫製をはじめたことに始まります。

その2年前の1886年渋沢栄一が「大坂紡績」を設立し大阪は紡績ブームでした。彼らはこのブームに乗って生計を立てるために必死で頑張ったことでしょう(想像)

1892年舜礼は大阪で39歳で亡くなりますが、これを従兄弟の棚次辰吉(たなつぐたつきち)が引き継ぎ、衰退期にあった製塩業に従事する塩業民を救済するために手袋製造所「積善商会」を松原村教蓮寺境内(現東かがわ市)に1899年に設立しました。

東かがわ市で最盛期400から500ほどあった手袋縫製工場は現在組合に入っている工場数70程度です。安価な海外製品に押され、より付加価値のある製品造りを試みているようです。

冬は吸湿発熱、夏は接触冷感手袋、ゴアテックスを使ったバイク用やスキー用、革製品はもとより少しひんやりする竹繊維の布を使ったUV手袋、宇宙用の手袋も開発されているそうです。

特に目を引くのは、草取り用として販売しているちょっと色が変な手袋。

実は煙草の葉を摘むための手袋だそうです。

ちなみに、薄い緑は、九州・四国・中国地方で収穫される葉っぱの色で、濃い緑は、北陸で収穫される葉っぱの色です。かざして手袋色になると収穫するようです。青色は、緑色の手袋があまりにも葉っぱの色に似すぎているため、あやまって収穫した葉っぱの中に混じって分からなくなることがあったため、検品機に通しても発見しやすいように青色の手袋が出来たそうです。

う〜む たかが手袋されど手袋ですね。

取材に応じてくれた東かがわ手袋ギャラリー川西さんありがとう。

追伸

ところでご当地では神のように敬われている両児舜礼(ふたごしゅんれい)と三好タケノ、本当のところは駆け落ちだったとか〜〜。二人の生活は6年余りと短かったのですが、一組の訳ありカップルの逃避行が後々ここまで大きな波紋を広げるとは誰も想像しなかったことでしょう。

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