愛知県名古屋市中区 愛知県庁舎
(Aichi Prefectural Government Office, Naka-ku, Nagoya City, Aichi Pref.)
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名古屋市中区三の丸3-1-2 愛知県庁舎 重文 近代/官公庁舎 昭和 昭和13(1938) 鉄骨鉄筋コンクリート造、建築面積4,665.99㎡、地上六階地下一階建、一部七階 "南自動車庫一棟 鉄筋コンクリート造、建築面積371.19㎡北自動車庫一棟 鉄筋コンクリート造、建築面積371.19㎡" 20141210
August 7,2022 大野木康夫 source
movie
所在地 愛知県名古屋市中区三の丸3-1-2
重要文化財
昭和13(1938)年の建築
鉄骨鉄筋コンクリート造、建築面積4,665.99㎡、地上六階地下一階建、一部七階
【国指定文化財等データベースから引用】
愛知県庁舎は、名古屋城旧三之丸の東に位置し、大津通に面した西を正面として建つ。北は名古屋市庁舎と隣接し、その先には城の中心部である旧本丸、二之丸が続いている。愛知県庁舎は、平成10年7月23日付で登録有形文化財となっている。
愛知県は、南久屋町や南武平町などに庁舎を置いていた。大正15年に県内の郡役所が廃止され、昭和3年に三之丸を使用していた陸軍騎兵第三連隊等が郊外へ移転することとなり、現在地に県庁舎を建設する運びとなった。また同じくして名古屋離宮の廃止に伴い、名古屋市に下賜された本丸などの公開が始まり、天守などの国宝指定と相俟って、市民の間では名古屋城に対する関心が高まっていた。昭和8年3月、愛知県は翌9年から同11年までに県庁舎を建設することを決定し、基本設計を渡辺仁と西村好時に依頼し、佐野利器と土屋純一が建築顧問に就任した。同10年には酒井勝営繕課長、大西勉主任技師を中心とした内務部営繕課の手で実施設計および工事監理が行われ、10月24日に起工式、同13年2月28日に竣工し、落成式は同年3月22日に行われた。庁舎の南と北に対置した自動車庫も同時期に竣工した。施工は戸田組による。
愛知県庁舎は、県政執務棟と県会議事堂からなる。鉄骨鉄筋コンクリート造の地上六階一部七階、地下一階建、建築面積4665.99平方メートルで、日の字型平面の東辺中央に議事堂を配して、西正面中央に車寄せ玄関、南北面中央に玄関を開く。
県政執務棟は一階を石張、二階から五階を黄褐色テラコッタ張、六階と七階を白色磁器モザイクタイル張とした三層構成の外観になる。両翼部の突出をなくして中央部分のみを突出させる凹凸を抑えた単純な箱型の形態に、名古屋城大天守から意匠を引用した入母屋造を多用する屋上階と、前面車寄せ廻りに本瓦型銅板葺の勾配屋根を置き、陸屋根のパラペットに瓦葺屋根を形づくって日本趣味をみせる。内部は、正面には六階に正庁、五階に貴賓室、三階に第一会議室、一階に正面車寄せ玄関と広間を配している。ただし、知事室を三階南辺中央に置くなど、必ずしも正面性が強く意識されたわけではない。また、広間などの照度を確保するため、大階段は正面に設けず右側へ寄せ、奥の壁面に窓を開く。
県会議事堂は、地階を石張、一階から三階を黄褐色テラコッタ張とし、東西棟の切妻屋根を架けて、南東隅には煙突を立てる。議場は二階に設け、西面して二階分を吹抜けとし、三階に傍聴席を設ける。議員、記者と傍聴者の動線を明確に区分することで、それぞれ階や区域の独立性を確保している。
各執務室の配置では、繋がりの深い部局を上下に重ねて垂直動線を意識し、階段やエレベーターを配置しており、通観すると、事務所建築としての効率に基づき機能性と合理性を重視して設計されたことがわかる。こうした点は内部の意匠にも表れている一方で、主要諸室の随所には日本趣味が反映されており、特に正庁、貴賓室、知事室においては極めて密度の高い装飾が展開される。文様を抽象化し、彩色を控えめに行うなど、伝統的な装飾とモダニズム的な明朗性を巧みに融合させている。外観の意匠は「金鯱燦然として聳ゆる天下の名城に対照し更に隣接する名古屋市庁舎の威容、天然の環境」に配慮して、西洋的な形態に名古屋城大天守を題材とした屋根を掲げるという、郷土性の強い発露によって演出するとともに、「日本趣味を基調としたる近世式」を達成したと考えられる。
南北の自動車庫は、それぞれ桁行56.8メートル、梁間6.5メートル、鉄筋コンクリート造の長大な平屋建で、東端の一室を乗務員の控室とする。南自動車庫の一部には、建設当初からのシャッターが残る。
愛知県庁舎は、名古屋市庁舎とともに日本趣味を基調とした大規模庁舎建築が並立する都市景観を創り出している。その設計は、平面や空間の計画においては、過度の記念性を排した合理主義に基づいてまとめながら、外観意匠においては西洋的な様式と城郭天守の意匠の融合というかたちで地域的な特色、さらには「日本趣味」を顕現したといえる。昭和前期におけるわが国の建築思潮で大きな課題となった「日本趣味」の表現における到達点の一つを示す作品として価値が高い。
名古屋市庁舎の南隣に建っています。
こちらも巨大な建築物で、周囲を探りながら撮影しました。
全体
部分撮影
南自動車庫(附指定)
北自動車庫(附指定)
昭和天皇御大典の記念事業の1つとして建設された。西村好時と渡辺仁の基本設計を基に、工事顧問の佐野利器、土屋純一の指導の下、愛知県総務部営繕課が実施設計を行った。
建築費は当時の金額で300万円。頂部に名古屋城大天守に似せた屋根を乗せた帝冠様式の代表作。
鉄骨鉄筋コンクリート造、地上6階、地下1階、塔屋1階。平面形状は日の字型で、建築面積5千㎡、延床面積2万8千㎡、高さ約40mの6階(一部7階)地下1階建。
鉄骨鉄筋コンクリート造、建築面積4,665.99㎡、地上六階地下一階建、一部七階
昭和時代[昭和13年(1938)]
撮影:Oct.2015
December 23, 2014 野崎順次 source movie
愛知県名古屋市中区三の丸三丁目一番
愛知県庁舎は平成26年12月10日に国重要文化財に指定された。
愛知県庁舎は,名古屋市庁舎の南隣に並んで建っている。現在の建物は昭和13年に竣工したもので,渡辺仁と西村好時が基本設計を行い,愛知県内務部営繕課が実施設計を行った。<br>鉄骨鉄筋コンクリート造,地上六階地下一階,一部七階建である。両側の南と北には自動車庫を配置している。外観は異なるタイル張による三層構成で,三方の中央に名古屋城大天守を思わせる破風付の入母屋造屋根を載せる。<br>愛知県庁舎は,西洋的な様式と城郭天守の意匠を融合させて地域色を現し,昭和前期の建築思潮で課題となっていた「日本趣味」の表現を達成しており,秀逸な意匠と高い歴史的価値を有している。
(国指定文化財等データベースより)
建物西側正面
正面玄関
西南から見る
北面
南面
附指定の北自動車庫
附指定の南自動車庫
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