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愛知県名古屋市千種区 東山動植物園

Higashiyama Zoo and Botanical garden,Chikusaku,Nagoya city,Aichi

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名古屋市千種区田代町字瓶杁1-41 名古屋市東山植物園温室前館 重文 近代/文化施設 昭和 昭和11(1936) 鉄骨造、建築面積595.98㎡、ガラス葺 20061219


August 7,2022 大野木康夫 source movie

所在地 愛知県名古屋市千種区田代町字瓶杁1-41

重要文化財

昭和11(1936)年の建築
鉄骨造、建築面積595.98平方メートル、ガラス葺

【国指定文化財等データベースから引用】
名古屋市東山植物園温室前館は、市街の東方に位置する東山総合公園の東南部を占める東山植物園の中核施設として昭和11年に建設された。名古屋市土木部建築課の設計により、昭和12年3月3日に東山植物園の開園とともに開館している。設計は柴田善信、公文勝年、一圓俊郎らで、施工は株式会社北川組である。
 名古屋市東山植物園温室前館は、東山植物園の西南部に南面して建ち、中央に中央ヤシ室、東翼にシダ室、西翼に多肉植物室を配し、中央ヤシ室と両翼を花卉室が繋ぎ、中央ヤシ室の正面中央に玄関を張り出す。平面規模は、中央ヤシ室が正面18.2メートル奥行12.6メートル、シダ室及び多肉植物室が正面11.2メートル奥行8.7メートル、花卉室が正面12.7メートル幅6.3メートル、玄関が正面4.4メートル奥行2.5メートルとする。
 構造は、基礎部及び腰部を鉄筋コンクリート造とし、中央ヤシ室とシダ室及び多肉植物室は、アングル材を組み立てたトラスアーチにより腰折れ状の入母屋形架構をつくり、花卉室はアングル材により合掌状の組立架構をつくり、その外側をガラスで覆う。設計図面によれば、腰壁より上部はスティールサッシュとし、ガラス屋根は、トラスアーチの外にアングル材の母屋を置いてアングル材の垂木を流し、垂木に銅板製の樋とマルソイドを敷いてガラス(5ミリ厚)を載せ、マルソイドを咬ませて銅板製のキャップを被せるものとする。現在、当初のスチールサッシュはアルミサッシュに取り替えられており、ガラス屋根についても、垂木以上は全面的にアルミ製に替えられている。なお、現在、東西両花卉室の屋根ガラス面の外側には遮光幕装置が設置されている。中央ヤシ室の棟高は12.4メートル、シダ室及び多肉植物室の棟高は6.7メートル、東西花卉室の棟高は4.8メートルである。鉄骨架構の主要部は全て電弧熔接による。
 内部は、中央ヤシ室が、中央部に築山を造り、北面から東西面にかけて腰壁沿いにコンクリート造の擬岩を築く。シダ室は、中央部がもと水槽で、北面から東西面にかけてヤシ室同様の擬岩を配し、西面から南面にかけて浅い水槽台を設ける。多肉植物室は、中央部と北面沿いを植込みとし、南面から東西面にかけては植込台を廻す。東花卉室は、中央部に噴水、北面及び南面沿いに花壇、西面中央に花台を配し、西花卉室は、中央に長方形の花台を置き、北面及び南面に花台を沿わすほか、東面の腰部中央をモザイク画で飾る。中央ヤシ室とシダ室及び多肉植物室の南及び北面の中央部には出入口を開け、東西花卉室の東面と西面にはそれぞれ通路口二箇所を設ける。
 東山植物園温室前館は、我が国最初期の本格的な鉄骨造温室建築として重要であり、鉄とガラスによる建築物の造形的特質を良く示しており貴重である。また、我が国最初期の全熔接建築物として建築技術史上価値が高い。
 

全体
                        

部分
               

内部
                

前の池のハス
              


May 2012 柚原君子

名古屋市東山植物園温室前館

日本初期の本格的鉄骨造温室建築で、鉄とガラスによる建築物の造形的特質をよく示すとして、平成18年に国の重要文化財の指定を受けた。建築技術史上価値の高い建造物。

名古屋駅から地下鉄東山線に乗って「星が丘」下車。坂道を登ること5分ほどで植物園入り口です。入場料は500円。これで動物園と植物園と両方が観られます。入口より豊富な花の色に包まれながら進むと、石垣から蛇が出るから注意とか、木のきり株の説明、鳥の種類、白川郷から移築されたが合掌造りの家などを見学しながら進むこと10分で植物園の温室の屋根が見えてきます。

正直言って国の重要文化財には見えないような、中古の鉄骨然で、国指定が泣くような雰囲気。後日ネットで調べたら「設置から70年以上を経過しているので保存修理工事が必要で、可能な限り昭和11年の建設当初の姿に復元したい。よって市民の皆さんより当時の資料として、古い写真や絵葉書や図面などを提供してほしい」、と出ていました。

温室前館は、昭和12年(1937)3月3日、東山植物園の開園に間に合わせるように建設されたものだそうで、開館当時は前館(鉄骨造)と後館(木造)があったそうです。現存する温室前館面積は約596m2。全面ガラス張で最高高さ12.4m、全長66mと大きなもので「屋根組みはトラス構造の鉄骨造。鉄骨架構(かこう)の主要部はねじなど使っていなくて、電気熔接によるものです。当時は「東洋一の水晶宮」といわれましたよ。やや斜め一列に観ていただくと、その高低で素晴らしいデザインなのがわかりますよ」、と館長さんが教えてくださいました。

噴水を挟んで前面から撮影すると、矢張りモダンで綺麗な形でした。

パンフレット

    

温室前館

                                      

温室内部

                                                             

植物園内

                            

植物園内にある白川郷より移築された合掌造り

                                 

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