愛知県岡崎市 天恩寺
Tenonji,Okazaki city,Aichi
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岡崎市片寄町山下33 天恩寺山門 重文 近世以前/寺院 室町後期 室町後期 一間薬医門、切妻造、こけら葺 19070527
岡崎市片寄町山下33 天恩寺仏殿 重文 近世以前/寺院 室町前期 室町前期 桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、檜皮葺 19070527
所在地 愛知県岡崎市片寄町山下33
天恩寺は、広沢山と云い、臨済宗妙心寺派の名刹である。寺伝によると貞治元年(1362)に足利尊氏によって開かれ、近江永源寺の開祖寂室元光を請うて開祖としている。本尊は延命地蔵菩薩を祀る。総門を入ると池を前にして背後に高い石崖を造り、山腹に仏殿、中門(山門)、築地塀、方丈、庫裡、鐘楼を建てる。山腹を巧みに利用した池や石崖、曲折させた参道の構成は臨済宗寺院の趣を示している。
(文化財ナビ愛知より 沢田多喜二氏の詳細解説文)
総門
境内
仏殿と山門(重要文化財)
山門
室町後期の建築
一間薬医門、切妻造、こけら葺
山門の建立年代は、建築様式によると室町時代後期と考えられる。この門は、1間薬医門、切妻造、こけら葺で南面して建てられている。主柱、控柱ともに丸柱で、主柱間には、冠木(かぶき)を渡し、冠木を挟み込むように女梁(肘木)と男梁(腕木)をいれ、前方の先端と後方の控柱上に出三斗(でみつど)をのせて桁を支える。中備は平三斗(ひらみつど)である。男梁上の中央には大瓶束を立て、束上に出三斗を置いて化粧棟木を支える。戸口は両開き板扉をつる。軒は一軒疎垂木(ひとのきまばらだるき)で、小舞打ち。この門は、総丸柱であること、両妻に大瓶束(だいへいづか)を立て、男梁・女梁・垂木などの先端に絵様繰形をつけ、軒裏に手挟(たばさみ)をいれるなど、禅宗様式を意識しつつ、装飾的な意匠を取り入れた門といえよう。
(文化財ナビ愛知より 沢田多喜二氏の詳細解説文)
細部撮影
仏殿
室町前期の建築
桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、檜皮葺
仏殿は、桁行3間(20.64尺)、梁間3間(24.3尺)、一重、入母屋造、檜皮葺の禅宗様仏殿である。背面の両脇間の脇仏壇では2.45尺外に張り出される。柱は総丸柱で、貫で固め、組物は禅宗様の出組詰組(つめぐみ)をおく。正面と背面の中央間では、両開き桟唐戸を吊り、正面の両脇間および側面の前端1間には花頭窓を開ける。妻飾りは虹梁大瓶束(たいへいづか)で、軒は二軒扇垂木(ふたのきおうぎだるき)である。堂内部は一つの空間で、土間の中央後方に来迎柱を立て、禅宗様須弥壇(しゅみだん)をおく。天井は一面に鏡天井を張る。この仏殿では、禅宗寺院らしく本格的な禅宗様をとるが、一方で、内部では上部架構を見せずに鏡天井を張るなど室町時代になると、新しい傾向が現れてくるのである。
(文化財ナビ愛知より 沢田多喜二氏の詳細解説文)
細部撮影
厨子
A camera
B camera
仏殿
Butsuden
山門
Sanmon
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